OECD Health Statistics 2015

カントリーノート
医療支出:他国と比べて日本はどうか?
年
月
日
OECD Health Statistics 2015
OECD Health Statistics 2015 は、OECD34 カ国における医療と医療制度に関する比較可
能な統計を提供する最も包括的な情報源です。1960 年から 2014 年の期間を対象に、
健康状態や、健康への危険因子、医療提供源と医療機関の利用、医療予算と財政な
どに関する対話型なデータベースを有し、各国の状況が比較可能になっています。
OECD Health Statistics 2015 のデータは、OECD.Stat で閲覧可能です
 成長: 近年の力強い成長以後、日本の一人当
たり医療支出の伸び率は低下しており、
2014 年には(実質で)ゼロに近づくことが
予測されます。
Figure 1. 医療支出の年伸び率*, 2010-2014 年
Japan
8%
5.2%
 対 GDP 比: 2013 年の日本における医療費
(資本支出を除く)の対GDP比は、10.2%
でした(OECD 平均は 8.9%)。経済成長の停
滞が原因となり、医療支出の割合は、過去
10 年で 2%点の増加に留まりました。
OECD
4.9%
3.0%
4%
0.1%
0.5%
2.6%
1.0%
0.7%
1.0%
0%
-0.1%
 一人当たり支出: 2013 年に、日本は一人当た
りに 3090 米ドル相当を支出しました(OECD
平均は 3453 米ドル)。全体のうちで公的支
出は 83%となっており OECD 平均を大きく
上回ります。
-4%
2010
2011
2012
2013
2014 Est.
* Per capita spending in real terms.
Source: OECD Health Statistics 2015
OECD Health Statistics 2015 © OECD 2015
1
日本の高かった医療支出の伸び率は低下し、2014 年には止まることが予測される。
大半の OECD 諸国とは対照的に、日本の医療支出は、医療に配分される財源を増加させるという政府の計画
的な政策の結果から、近年急速に拡大しました。しかしながら、概算によると 2014 年の伸び率は 0.1%縮小
しました(Figure1)。
医療支出の増加が低迷した理由が医薬品支出の削減と関連していた他の OECD 諸国とは対照的に、日本は、
人口高齢化と慢性疾患を伴う患者が要因となり消費の伸びに拍車がかかり、医薬品支出は引き続き増加して
います。日本は、OECD 諸国と比べジェネリック薬品が医薬品市場を独占していないことも医薬品支出が維
持された背景にあります。2013 年の日本での医薬品市場に占めるジェネリック薬品の割合はわずか 11%と、
OECD 平均の 24%を下回りました。
Figure 2. 医療支出* の対 GDP 比、2013 年
15.0
10.0
Private expenditure
11.1
11.1
11.0
11.0
10.9
10.4
10.2
10.2
10.2
10.1
9.5
9.2
9.0
8.9
8.9
8.9
8.8
8.8
8.7
8.7
8.6
8.5
8.1
7.6
7.5
7.4
7.4
7.1
6.9
6.6
6.4
6.2
6.0
5.1
16.4
Public expenditure
5.0
United States
Netherlands
Switzerland
Sweden
Germany
France
Denmark
Japan
Belgium
Canada (1)
Austria
New Zealand (1)
Greece (1)
Portugal (1)
Spain (2)
Norway
OECD
Australia (2)
Italy
Iceland
Slovenia
Finland
United Kingdom
Ireland (2)
Slovak Republic
Israel (1)
Chile
Hungary
Czech Republic
Korea
Luxembourg (2)
Poland
Mexico
Estonia
Turkey
0.0
1 Preliminary estimate.
2 Data refer to 2012.
GDP に占める医療支出の割合は、OECD 平均を
上回った。
2013 年の日本における医療支出(医療分野における
資本的支出を除く)は、GDP の 10.2%を占め(Figure
2)、OECD 平均の 8.9%を大きく上回ったことで、日
本は OECD 諸国の中で最も医療支出の高い国の一つ
となりました。2005 年以降、医療支出の増加と経済
停滞の両方の要因により、この割合は 2%点のみの
上昇に留まりました。
過去 10 年で緩やかに増加しています。この割合は、
OECD 平均の 73%を上回るものです。OECD 諸国では、
日本よりも医療費に占める公的支出の割合が高いの
は、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、イギリ
ス等があります。
自己負担は、14%と依然として低く、OECD 平均の
19.5%を下回っています。大半の OECD 諸国とは対
照的に、自己負担の割合は緩やかに減少してきてい
ます。この点では日本はスウェーデン、ノルウェー、
カナダ、チェコと似ています。
経済全体における医療支出の割合で見ると、日本は、
ベルギー、カナダ、オーストリアと似ていますが、
(経済全体の購買力平価で調整された)一人当たり
オランダ、スイス、スウェーデンといった約 11%を
の支出を見ると、日本は 2013 年に一人当たり 3090
支出している国と比べると下回ります。
米ドル支出しています。OECD 平均は 3454 米ドルで
した。
2013 年の医療費に占める公的支出の割合は 83%で、
2000 年に導入された介護保険も部分的な要因となり、
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詳細のレポート
Focus on health spending:
www.oecd.org/health/health-systems/Focus-HealthSpending-2015.pdf
OECD Health Statistics 2015:
www.oecd.org/health/health-data.htm
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