26年度2学期始業式式辞 [PDF:144KB]

2学期始業式
校長式辞
平成26年8月19日
おはようございます。夏休みが終わり、2学期が始まります。
夏休みには、部活動などで、皆さんの様々な活躍が見られました。
① 茨城県での全国高校総合文化祭に参加した文化部の生徒がいました。全国のレベルに触れ
る貴重な経験をしたと思います。
② 南関東でのインターハイでは、登山部が全国9位になったのを始め、テニスは1回戦突破、
なぎなたは予選リーグ1勝するなど活躍してくれました。
③ 音楽部は、NHK 全国音楽コンクール県大会で金賞を受賞し、東北大会に出場します。
④ そして、各部とも合宿練習などが行われ、新人戦に向けたチーム作りが図られました。こ
れから始まる新人大会に期待します。
⑤ 3年生は、蔵王での夏山学習合宿を中心として、受験勉強の暑い夏を乗り越えてきました。
自学力を身につけて、これからも継続的に学習に励んでください。3年生の皆さんを、先
生たち、1年生,2年生みんなで応援します。
ここに集まった700名の生徒の皆さんの、それぞれの夏休みがありました。
それらを糧に2学期に向けて頑張りましょう。
2学期が始まるにあたり、一つ、話をします。
それは「見える力」と「見えない力」という話です。社会で生きていくために、身につけ
たい二つの力です。見える力と見えない力というのは、測定できるかどうか、
「測れる力」と
「測れない力」であると言えます。
見える力とは、大体が数値化できる力です。測ることができるものです。具体的に、例え
ば、学力です。学力は、試験などでの点数や偏差値という数字となって表される力です。あ
るいは、体力です。体力というのも腕立て伏せ何回、百メートルを何秒で走るなど、一定の
指標に従って測定することが可能です。部活動の成果なども、大会の順位や勝敗などで数値
化できます。結果をはっきりと見ることができます。私たちは、そのような数字が少しでも
向上するように、日々努力を重ねているわけです。
そして、見えない力は、なかなか数値化できない力です。それはたくさんあると思います。
例えば、実行力とか企画力とか、あるいは判断力という概念もそうです。また、想像力とか、
持続力であるとか、傾聴力や思いやり・包容力などというのも測定しにくいものです。さら
には人格とか品格、あるいは人を引き付ける力・魅力などもなかなか測れないものです。人
間として大切なものばかりです。
私たちの身の回りには、見えるものが多くあります。あえて見えるように仕組まれている
ともいえますが、いろいろな所で測定されてしまうことが多いです。
実際、皆さんはいつも試験の点数といった数字と向き合わなければなりません。それはそ
れで大事だと思います。しかしあえて言えば、見えないもの・測れないものはもっと大事で
す。見えないものがあればこそ、見えるものにも意味があるのです。見えるものばかりに目
が向きがちであれば、考え直さないといけないと思います。
1学期の始業式の折、2、3年生に向けて、
「二兎を追う」という話をしました。例えば「知
識習得型の学習」と「課題探求型の学習」の二兎を追う、
「大学受験に必要な学力を身につけ
ること」と「大学入学後の研究に向けた能力や姿勢を養うこと」の二兎を追う、そして部活
動と勉強の二兎と追うということを話しました。見える力と見えない力を同時に身につける
ということも同じことです。2つの力を両方とも追い求めてほしいと思います。
もう少し、見えない力について考えます。高校生活の中で、是非身につけてほしい見えな
い力はたくさんあります。その中で、私は「自己管理能力」ということが大切だと思います。
その中身として、一つには「時間の管理能力」です。自分で予定を立て、段取りを考えて、
期限までに仕上げる。それができれば、計画性のある仕事ができるようになります。
二つ目には「復元力」です。困ったことや辛いことがあって落ち込んでも、気分転換をし
てまた元にもどれる力を身につけてほしい。折れない心、打たれ強い心などとも言えます。
いまよく耳にする「レジリエンス」という言葉と共に、復元力の強さということが話題にな
っています。
そして三つ目には「耐性」です。失敗してもすぐには投げ出さない。うまくいかなくても
キレたりしない、耐える力、我慢する力が大切です。
皆さんはどうでしょうか。身についている人も結構いると思います。まだの人は、そのよ
うな自己管理能力を是非身につけてほしいと思います。
今こうして西高で勉強していることは、点数を上げるため、偏差値を上げるため、そして
大学に合格するために勉強していることは間違いありません。しかしそれだけのために学ぶ
のではありません。
知識を豊富にするために学ぶのです。知識は考えるための燃料になります。想像力もまた
知識によって高まります。さらに経験も必要です。経験は自らが成長し、向上するための動
力源になります。そして、そうしたことが、様々な見えない力を養うことにつながります。
見える力と見えない力を同時に身につける、そのようなことを意識しながら、2学期には
様々な活動をしてほしいと思います。
実りある2学期になることを期待しながら、式辞といたします。