総評(平成27年度インターハイ予選) 5月10日から始まった本大会は、全国高校総体(インターハイ)予選、年末に行われる全国選抜優勝大 会(ウィンターカップ)予選も兼ねる大会でした。約一か月半に及ぶ熱戦の末、6月21日を持って終了し ました。 最終日は佼成学園女子高校に於いて決勝リーグ及び順位決定戦が行われました。その結果、1位:明星学 園、2位:八雲学園、3位:東京成徳大高、4位:国本女子、5位:藤村女子、6位:東亜学園、7位:駒 澤大高、8位:実践学園という結果になりました。上位3チームは7月29日より京都府で行われる全国高 校総体(インターハイ)に東京都代表として推薦されました。東京都加盟約330校の代表として活躍され ることを期待します。また、上位4チームは全国選抜優勝大会(ウィンターカップ)の出場枠をかけて10 月25日・31日・11月1日にリーグ戦を行うことが決まっています。 リーグ戦最終試合は、2勝同士の明星学園と八雲学園が東京 NO.1 を決めるべく対戦しました。ともに高 身長の選手が揃い、サイズ的には互角の2チームです。インサイドを得点の主軸とする明星学園に対し、外 角を思い切りよく狙いながら中・外バランス良く得点していく八雲学園。一進一退のゲーム展開となり、前 半は39-39で折り返しました。試合が動き始めたのは第3ピリオド。明星学園が速い展開に持ち込むと、 徐々に明星学園のペースになります。前半はお互いに3番~5番ポジションの選手が得点していましたが、 後半の明星学園は、ガード陣の得点から流れをつかみました。対する八雲学園も粘りを見せましたが、速攻 など走り勝った明星学園が80-63で八雲学園を振り切り、関東予選に続き、東京都の頂点に立ちました。 また、ベスト16となった共栄学園、佼成学園女子、八王子学園八王子、文化学園大杉並、都立板橋、都 立青梅総合、都立駒場、都立杉並総合が優秀校として表彰されました。都立板橋は上位シードに競り勝って の表彰となり、見事だったと思います。今大会注目すべきことは、国本女子がシード校を2つ破り初のベス ト4に輝いたことです。14日に行われたダブルヘッダーは、共に最後まで勝負の行方が分からない熱戦で したが、勝利の瞬間の選手たちの笑顔がとても印象的でした。さて、ベスト8には都立高校が入っていませ ん。しかし、ベスト16には4校、ベスト32には16校中11校も都立高校が名を連ねており、あと一歩 がなかなか遠いという印象です。これから新チームとなり、お互いで切磋琢磨しながら活躍されることを期 待しております。 今大会で感じられたことは、高さ・強さという physical な部分が、試合の勝敗を分ける大きな要素となっ ていたことです。特に決勝リーグでは、ゴール下、ブロックショット、激しいリバウンド争いなど、ダイナ ミックなプレーに会場が盛り上がっていたのが印象的でした。しかし、そういった身体接触のあるプレーは、 OFF と DEF のどちらが先に良い位置を占めたかが重要であり、接触によって後からその良い位置を横取り したり、過度に接触を起こしたりすることは正しいプレーとは言えません。 「接触に負けないよう力強くプレ ーをする」ということは基本であり大切なことですが、だからと言っていつでもどこでも接触をしてもよい とはならないことを忘れてはいけません。そのためにも、DEF では、①しっかりと脚を動かして先に良い位 置を占めリーガルガーディングポジションをとること、②シリンダーの概念を選手自身もきちんと理解する こと、この2点を意識してもらいたいと感じました。特に身長に恵まれた選手は、先のインターハイや和歌 山国体での活躍はもちろん、未来の日本のバスケットを背負って立つ可能性を秘めた大事な原石です。次代 を担う選手が東京から多く育って欲しいという願いも込めて、今は高さや強さに任せたプレーだけでなく、 地道で正しいプレーを選択できることを期待しております。 (文責: 技術委員会 長藤 敬)
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