事例1 事故による腰部の可動域制限が認定され、後遺障害等級 11 級から 8 級となったケース 1.経緯 平成 23 年 10 月、相手方が居眠り運転でセンターラインをオーバーし、患者車両と正面衝 突した。 2.症状とその経過 第 5 腰椎圧迫骨折 平成 25 年 5 月症状固定 腰部と両下肢のしびれ、腰部の可動域制限、腰の痛みが残存 3.最初の自賠責後遺障害等級認定結果 脊柱の変形障害、両下肢のしびれ等が後遺障害と認められ、併合 11 級該当とされた。 しかし、腰部の可動域制限は事故との関連を否定され、非該当とされた。 4.異議申立てにおいて争点となるポイント 腰椎画像から、事故後の第 5 腰椎圧迫骨折による器質的変化の結果として可動域制限が 生じていると考えられるかがポイントとなる。 5.鑑定結果 ○L5 椎体圧迫骨折 50%を超える圧潰 L5 椎体に高度の圧潰が見られ、L5 椎体の前縁高と後縁高の差から、機能的に見ても 51%を超える減高と考えられた。中央の陥凹部では 71%の減高となり、L5 椎体の変形は著 しい変形と言え、単発の骨折であるが、画像からも非常に不安定な配列であり、腰部の動き の基点になる椎体の骨折である事から、本骨折による変形が可動域制限の原因と考えられ る点について説明した。 ○L4/5、L5/S1 椎間板ヘルニア いずれも後方への高度突出が見られ、両側 L4~S1 神経の圧迫による下肢の神経症状の 原因となっている点を説明した。 6.異議申立て結果 事故と腰部の可動域制限の関連性が認められ、8 級相当であるとして、より上位の等級が 認定された。
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