技術イノベーション論

Shiga University Seeds No. 11
しゃ
2015–January
【代表的な研究テーマ】
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技術経営
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MOT
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発想法
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アブダクション
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融合
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イノベーション
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特許戦略
技術イノベーション論
課題解決に役立つシーズの説明
新商品の企画や、技術を利用した社会的な価値創り(技術経営)の中心となる、新商品コ
ンセプト創出のための発想法として、アブダクション(仮説形成)をベースにした発想法や融
合をベースにした発想法を研究しています。
技術経営論(MOT)
企業は社会に新しい価値を提案し、お客様がその価値を認めて対価を支払うことで、先
行投資した費用を回収します。企業の目的は社会に新しい価値を創り出す事であり、技術
はその目的を達成する手段ですので、企業が取り組むべき技術経営(MOT)の本質は、社
山本 卓
Takashi Yamamoto
社会連携研究センター/
特任教授
【プロフィール】
●専門分野
・電気工学
●略歴
・工学博士
・企業でのレーザー機器、情
報機器開発の経験をベース
に、技術経営論を探求中
【主な社会的活動】
・「地域ブランド創出プロジェ
クト」:地場産業の高島綿織
物技術を生かした新コンセプ
ト衣料の開発に参画。
・「仏壇塾」:彦根仏壇の経営
者、職人を対象に、新商品の
アイデア創出を目的(10 回講
義)主宰。
・「新融合イン滋賀研究会」:
地場の伝統工芸である仏壇、
繊維、陶器、扇骨等の融合に
よる新商品アイデア創出を目
的(2012 年~)主宰。
【主な講演実績】
・「MOT を活用した新製品開
発-開発と発想-」 滋賀県東北
会的な価値創りのマネージメントということができます。
図は、商品化の過程におけるさまざまな障壁を示したものです。基礎研究から製品開発
へ移ることの困難さを示す「魔の川」の障壁、開発から量産に移る時の困難さを示す「死の
谷」の障壁、商品化後に市場で淘汰される「ダーウィンの海」という障壁があります。とくに、
事業衰退期から再生することの困難さを示す「怠惰の島」と名付けた障壁を越えるために
は、新事業創出に向けての価値作りのマネージメントが重要ですが、その手法は模索の段
階であり、技術経営において取り組みが遅れている分野です。
夢や想いからいかにして革新的なアイデアを生み出すのか。また商品コンセプト、事業企
画、造形デザインを夢物語に終わらせずに、具体的な技術要件に変換して、実際の商品化
開発や技術開発につなげるのか。アブダクションや融合をベースにした発想法に注目し、伝
統産業の活性化を目指した、「仏壇塾・開発実践プログラム」や「新融合イン滋賀研究会」な
どの事業創出活動を推進する中で、新商品コンセプトの創出の方法論を追求しています。
MOT全体像
問題点分析手法
オープンR&D
先行技術調査
流通特許
出願
⇒事業戦略・技術戦略・知財戦略の連動
第2創業
発想法
怠惰の島
市場化
ライセンス活用戦略
ライセンス防衛戦略
新段階
基礎技術確立
コンセプトモデル
市場化
(ライセンス戦略)
研究開発
出来ましたら、代表的な説明図、表、写真を貼付
権利活用 ダーウィンの海
特許MOT
・「MOT と知的財産権」
(社)日本機械学会関西支部
技術交流フォーラム基調講演
【研究テーマ履歴】
・ガンマ線検出器の研究
・レーザー技術の研究
・ディスプレイ技術の研究・
コアテクノロジー
事業維持・拡大
事業戦略
設備投資
機種展開
(先行技術調査)
研究開発
部工業技術センター特別講演
【委員】
・滋賀県東北部工業技術セン
ター運営懇話会
・彦根市経済活性化委員会
産業化
市場化
特許出願
魔の川
(他社製品情報)
販売戦略
量産
市場化
(他社権利)
特許取得
製品化開発
Make or Buy
技術リスク
市場性
製品化特許戦略
製造・販売
量産設計
信頼性作り込み
組み込み・搭載
他技術統合
プロトモデル試作
54
デザイン
死の谷
マーケティング戦略
他社製品情報
抵触・侵害対策