重点管理富裕層という新概念

2015年11月号
【583号】
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重点管理富裕層という新概念
「富裕層」への重点調査
ここ数年の公表される税務調査事績では、
いわゆる「富裕層」に対して、資産運用の多
様化・国際化が進んでいることを念頭に調査
が実施されているようです。
最近、税務専門誌に突然報道されたところに
よると、国税当局には「重点管理富裕層名簿」
というのがあります。
この名簿への登載は、各国税局の内部の複数
の係の協議の上での指定によるようです。
登載されるのは、周囲の一定の個人(例えば
家族など)や法人も含まれ、一体的に管理さ
れるようです。
現在、東京国税局、大阪国税局、名古屋国税
局内の富裕者に限定していますが、本年以降、
全国に拡大の予定です。
純金融資産保有額が1億円以上5億円未満を
「富裕層」、5億円以上を「超富裕層」と
分類し、「富裕層」は95万3千世帯、「超富
裕層」は5万4千世帯いるとされ、「超富裕
層」のうち60億円以上の保有者は2,887人
いるとされています。
超富裕層への課税強化体制整備
超富裕層への課税強化は、所得税、相続
税・贈与税の最高税率のアップ、国外送金
等調書・国外証券移管等調書・国外財産調
書制度の施行、財産債務調書制度の一新化、
マイナンバー制度の導入と、情報捕捉の態
勢も整えられています。
平成27年7月から施行の出国税(国外転出
時課税制度)、平成28年から施行の金融税
制の構造変換と着実に歩が進められていま
す。
編 集 後 記
登載の指定基準
該当者と指定される基準には、(1)形式基準
と(2)実質基準があります。(1)形式基準は見込
保有資産総額が特に大きい者、(2)実質基準で
は、形式基準に該当しない者のうち、一定規
模以上の資産を保有し、かつ、国際的租税回
避行為その他の富裕層固有の問題が想定され、
重点管理富裕層として特に指定する必要があ
ると認められる者が該当します。
富裕層の数はどれくらい
富裕層で国際的に活躍している者は重点管
理富裕層とされ、常に当局に監視されます。
それでは富裕層の定義はというと、一世帯の
アメリカでは相続税の基礎控除額は543万
ドル(6億8千万円)、夫婦で合算するので
1,086万ドル(13億6千万円)までの遺産な
ら相続税はかかりません。
一方、日本では標準世帯で4,800万円
(相続税の基礎控除3,000万円+600万円×3名)
の遺産から相続税がかかり、相続税率の
最高はアメリカ40%に対して日本は55%
で日本人は相続税対策が活発に行われて
います。
最近顕著で、外国財産調書制度
などを設けて、海外に5,000万円
以上資産を有する者は確定申告の
際に、税務署にその内訳を報告し
なければならない等の義務を課し
て富裕層へのメッセージを投げか
けています。
所長税理士 鈴木和宏