Lesson 8 HO W T O 「 土地購入直前の確認事項」 (後悔を残さないための最終チェック) ● 登記面積の確認 必要な資料 ① 登記簿謄本(土地) ② 公図 ③ 地籍測量図 上の資料は最低限用意してください。 絶対に確認しなければならない内容 は登記簿面積通り敷地面積が本当に あるのかを確認する事です。現状は ほとんどの土地が登記面積と違って います。まず、売主・仲介業者に登 記簿の面積通り敷地面積が本当にあ るのかを証明していただく必要があ ります。そして購入金額相当の敷地 面積がある事を必ず確認してくださ い。不動産業界はこの点があいまい であり現状引渡といって実測なしの 登記面積で取引する習慣があります。 どうしても不動産業者が測量しない 場合は建築士に相談してください。 その面積確認の為には道路境界線・隣 地境界線が明確になっているか確か める必要があります。行政との道路明示(右図 の杭・標識等が埋め込まれている)があるか。 隣地との境界は杭等で境界が分るものがあるか確かめる必 要があります。境界線がわかり、測量する事で登記面積と合 うかどうかがわかります。トランシット(測量器)で再測量 する方法で敷地面積確認し、面積が登記簿面積以上あれば問 題ありません。ただ、専用機械がない場合でも巻尺等で現地 を計る等の確認は必ずしてください。 ● 方角の確認 方角を確認してください。陽当たりのいい家を設計する為には 方角を調べる必要があります。方位磁石での北(磁北)は皆さ んご存知だと思うのですが、北の種類がもう一つあるのです。 それが真北(シンボク)であり、正午に真南の太陽が北側に影 を落とす方角をいいます。日本では沖縄で約4度、北海道で9 度傾いています。 ● 道路幅の確認 次の通り道路巾の確認方法があります。 1. 2. 行政資料による道路幅 現地での道路幅 行政で道路幅の確認・道路種別の確認を行います。ただし、道路幅については現地と 違う場合がありこの場合は行政との協議が必要になります。現地での道路幅の確認も どこまでが道路なのかが明確でない場合があります。この時は建築士に相談してくだ さい。 ● 敷地高低差の確認 高低差を確認してください。人の目では10cm程度の高低差はフラットに見えたり、 目の錯覚で逆勾配に見えたりします。これもレベル器等専用器具を使う事で確実な高 低差が出来てきます。 1. 2. 3. 敷地内高低差 (宅地内の雨水排水を知る事ができます。) 敷地と道路との高低差(道路斜線を検討できます。) 敷地と隣地との高低差(安息角までの杭施工を検討が必要です。杭等の対策 がない場合は次の通りになる危険性があります。) ● ライフラインの確認 ライフライン・生活に必要な水道・排水・ガス・電気・ 電話が入っているか。又、最近ではネット環境需要によ り光ファイバーやケーブルテレビ等も確認する必要が あります。ただ、現地では分からない事もあり資料で確 認し補足的な確認でいいと思います。特に水道の引き込 み管の径が古いものもあり建物のカラン数が多くなれ ば引き込み工事を建て主が負担しなければならない場合 もありまます。道路下の本管から自宅給水メーターまで 2・3m程度の引き直し工事でも30∼40万円程度かか るので注意が必要です。さらに遠くなれば数百万円単位で 負担しなければならない場合もあります。 ● 現地の土地状況の予測 現地の土地状況を予測します。 1. 2. 3. 4. 地名により過去の土地状況を予測する。 隣接する道路の陥没・電柱の傾きで地盤の固さ を予測する。 湧き水・植物等で水脈を予測する。 土地周囲の状況を調べる(川・池・ガケ等) 町名で過去の土地状況が分ります。特に、川・池・谷等 水に関する地名は軟弱地盤が予測されます。又、道路 が以上に陥没したり、電柱が傾いている場合も軟弱地 盤が予測されます。まず、敷地周辺を歩いて調査する 事も重要です。 ● 周辺のチェック方法 生活する為の交通の便・買い物場所・学校・公共機関 等も調べておきましょう。そしてご近所の方と会話す るのも必要だと思います。その土地がイワク付きの土 地であったり、ご近所に暴力団組事務所がある場合も 考えられます。 ● 土地価格について 土地の価格が適正か調べましょう。又、売り土地に以前の家 が(古屋)残っている場合があります。売る側としては土地 に建物価格を上乗せしたいと考えています。建替えを考えて いる場合、古家は不要なものであり、解体費もかかります。 その費用を抜いた金額で土地を買うようにしましょう。ただ、 土地は売り側の言い値になるので適正な土地単価か調べた上 で高すぎる場合は売主と交渉し適正な価格で土地購入しま しょう。 1. 路線価を調べる。 路線価は基本的には固定資産税 を算定するものです。土地の単価 は売り側の言い値なので実勢価 格(実際の土地売買価格)はわか らないのが現状です。ただし、路 線価を基本とした土地価格が多 く路線価の1.1倍か1.2倍程 度が多いとと思います。 この部分の路線価を算定してみます。算定方法を全て解説する事は あまり意味が無いのであくまでも例題として次の通り算定してみました。 ■ 敷地面積 34.6 坪・角地部分の路線価 110,000 円 x 1.0 110,000 円 +120,000 円 116,000 x 114.6 ■ 敷地面積 x 1.0 x 0.05 = 110,000 円 = 116,000 円 = 13,270,400 円 34.6 坪の実勢価格 1327 万円 x 1.2 = 1,592万円 が土地売買価格と予想されます。 ただし、土地単価についてはあくまでも売主に言い値なので参考として考えてくだ さい。 2. 建物価格を知る。 古屋付の建物は建築から30年を超えたものが多く建物が原価償却し価値が無い建 物になっています。ただ売り側としては愛着もあり価値を付けたいと考えるのが一般 的です。土地価格に数百万円、建物の価格としてプラスしている場合があります。買 う側として価値はなく、解体しなければならない(解体費100万円)とすれば合計 300∼400万円程度、土地価格に上乗せされている事になります。 3. 土地価格を売り主と交渉する。 先に述べたように土地価格は売主の言い値なので古屋付の価格も含まれる可能性が あります。建物価格を除いて土地購入金額を決めるべきだと思いますが、売主とあ る程度の根拠(路線価による実勢価格)をもって値段交渉する必要があると思いま す。古屋が残っている場合でも交渉で解体を行った状態でなければ土地を買わないと 言う事も出来ます。 4.土地購入のタイミング 土地購入のタイミングはいい・悪い時期はありません。その土地を気に入っている のであれば即決しないと他の方が買われてしまうかもしれません。しかし、他の候補 がある場合は値段交渉するのもいいと思います。 5.仲介業者の立場 土地の紹介を受けている仲介業者(不動産業者)は土地を買う側の見方にはなっても らえません。なぜかと言うと仲介手数料(売買価格の3%+9万円)が決まっており 売主に値段交渉する事で売買価格が下がると仲介手数料も下がるのです。しかも手間 をかけた上での話です。仲介業者は出来るだけ値交渉をせず、高い価格での取引を 願っているので土地を買う側の見方にはなってくれません。
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