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第2章 高齢者・要介護者等の状況
第2章 高齢者・要介護者等の状況
1 西和賀町の概要
本町は、岩手県の南西部に位置し、北は雫石町、南は奥州市、東は花巻市と北
上市、西は奥羽山脈の分水嶺を境として秋田県横手市、美郷町、大仙市、仙北市
に接し、四方を連山に囲まれている盆地です。総面積は 590.78k ㎡で、東西 20km、
南北 50km の広がりがあり、約 84%が山林原野で農耕地はわずか4%となってい
ます。
地勢はおおむね急峻で、標高 250mから 440mの高原性盆地で、北上川最大の
支流である和賀川が町の中央をL字型に流れています。気候は日本海型であり、
11 月下旬から翌年4月上旬まで平年2mの積雪となる県内有数の豪雪地帯であ
り、年平均気温 8.9℃、年間降雨量 2,000mm となっています。
また、交通機能は、町の南部を東西に秋田自動車道、JR北上線、国道 107 号
が並行して通っており、南北に盛岡市に通ずる県道1号盛岡横手線があります。
本町は、花巻市、北上市を中心とした岩手中部地区広域市町村圏に属しており、
経済圏はこれら2市に加え、盛岡市、秋田県横手市まで広がっています。
2 人口構成と推移
人口の推移は、高度経済成長期による都会への流出など過疎化がすすみ、人口
の減少傾向は現在も続いています。
平成2年には、総人口が 8,973 人で 65 歳以上が 1,962 人、高齢化率は 21.9%
でしたが、平成2年から総人口は右肩下がりで減少しているのに対して、 65 歳
以上の高齢者数は増加しております。平成 22 年には初めて高齢者数が減少した
ものの、高齢化率は 40%を超え、平成 27 年 1 月末では、高齢化率が 43.8%とな
りました。将来推計を見ますと高齢者数の減少は続くものの、総人口の減少が高
齢者数の減少を上回っているため、高齢化率は右肩上がりを継続しており、平成
37 年には 51.1%と予想しています。
年齢階層別に見ると「0歳から 14 歳」までの年少人口と「15 歳から 64 歳」
までの生産年齢人口が平成2年から大幅に減少し始めています。現在では高齢化
率が 40%を超え、町民の約 10 人に4人が高齢者であると言えます。また、14 歳
までの年少人口は 10%未満まで減少するという少子高齢化現象が顕著になってお
り、県内トップクラスの高齢化社会になっています。
町の将来人口は、平成 27 年で 6,140 人、平成 29 年では 5,884 人となることが
推計されています。
なお、平成 27 年から平成 37 年の推計人口は、平成 17 年及び平成 22 年の住基
人口を参考に推計したものです。
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
■人口構成の推移
平成2年
平成7年
平成 12 年
平成 17 年
(単位:人・%)
平成 22 年
(1990 年)
(1995 年)
(2000 年)
(2005 年)
(2010 年)
総人口
8,973
8,594
7,983
7,375
6,602
0~14 歳
1,495
1,269
1,000
738
595
15~64 歳
5,516
5,039
4,287
3,736
3,170
65 歳以上
1,962
2,286
2,696
2,901
2,837
高齢化率
21.9
26.6
33.8
39.3
43.0
資料: 国勢調査
■人口構成の将来推計
平成 27 年
平成 28 年
平成 29 年
(単位:人・%)
平成 37 年
(2015 年)
(2016 年)
(2017 年)
(2025 年)
総人口
6,140
6,012
5,884
4,885
0~14 歳
486
469
452
340
15~64 歳
2,872
2,786
2,700
2,051
65 歳以上
2,782
2,757
2,732
2,494
高齢化率
45.3
45.8
46.4
51.1
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
3 高齢者世帯の状況
平成 22 年の本町のひとり暮らし世帯は 324 世帯であり総世帯数に占める割合
は 14.3%、高齢者のみの夫婦世帯が 382 世帯で総世帯数に占める割合は 16.8%で
あり、高齢者のみの世帯割合は 31.1%となっています。傾向としては、同居世帯
が減少して高齢者のみの世帯の割合が増しておりますが、特にひとり暮らし世帯
が増加しています。これは高齢者夫婦世帯のどちらかが介護保険施設への入所、
死亡等によるものと考えられます。
今後、さらに同様の傾向が続くと予想されます。
■高齢者世帯の状況
世
帯 数
高 ひとり暮し
齢
者
の
世
帯
内
訳
世帯
高齢者夫婦
同居の世帯
計
( 単 位:世 帯 )
平成2年
平成7年
平成 12 年
平成 17 年
平成 22 年
(1990 年)
(1995 年)
(2000 年)
(2005 年)
(2010 年)
2,506
2,447
2,436
2,385
2,272
133
172
231
283
324
(5.3%)
(7.0%)
(9.5%)
(11.9%)
(14.3%)
171
236
324
401
382
(6.8%)
(9.6%)
(13.3%)
(16.8%)
(16.8%)
1,063
1,110
1,109
1,074
997
(42.4%)
(45.4%)
(45.5%)
(45.0%)
(43.9%)
1,367
1,518
1,664
1,758
1,703
(54.5%)
(62.0%)
(68.3%)
(73.7%)
(75.0%)
資料:国勢調査
4 高齢者の疾病構造
平成 25 年度における要支援・要介護認定者の有病状況をみると、65 歳以上の
第 1 号被保険者、40 歳以上 65 歳未満の第 2 号被保険者ともに「心臓病」の有病
率が最も多くなっています。原因としては主に生活習慣病によるものと推測され
るため、食生活改善や健康教室による普及啓蒙が必要と考えられます。他には
「筋・骨疾患」、「糖尿病」などが続いております。
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
■要介護(支援)者有病状況(平成 25 年度累計)
資料:KDB(国保データベースシステム)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
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要支援・要介護認定者の状況と推計
要支援・要介護認定者は、介護保険制度がスタートした平成 12 年度末、旧湯
田町と旧沢内村の合計で 361 人でした。両町村が合併した平成 18 年度末は 507
人、そして平成 25 年度末は 605 人と増加しており、合併時と比較して約 100 人
も増えていることがわかります。
増加した要因は、制度の浸透と高齢者の増によるものと考えられます。
今後、表のとおり 65 歳以上の人口に対する認定者数の出現率が 21%を超え、
特に要介護2から要介護4までの中度認定者の割合が高くなっていくことが予
想され、平成 29 年度の認定者数を 646 人と推計しています。
■要支援・要介護認定者の実績と計画
(単位:人・%)
第5期実績
第9期
第6期計画
(26 年度は見込値)
24 年度
25 年度
26 年度
27 年度
2,772
2,743
2,754
要支援1
86
69
要支援2
68
要介護1
計
画
28 年度
29 年度
37 年度
2,782
2,757
2,732
2,494
64
47
34
26
30
69
68
72
73
75
71
142
124
127
112
92
81
81
要介護2
89
107
113
124
127
131
116
要介護3
78
87
81
92
106
120
138
要介護4
75
89
84
100
112
129
150
要介護5
69
60
64
66
71
84
104
607
605
601
613
615
646
685
(15)
(16)
(12)
(10)
(9)
(9)
(5)
21.3
21.5
21.4
21.7
22.0
23.3
27.2
65 歳以上人口
合
計
出現率(第1
号被保険者)
※( )カッコ内は、第2号被保険者の認定者数
605 人
507 人
361 人
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
6 介護保険・老人福祉に関する調査
要支援・要介護認定者に対して家庭環境や介護保険サービスの利用意向、そして
一般高齢者に対して老人福祉・介護予防事業のサービスのニーズがあるかを調査す
るため、以下により「介護保険利用状況実態調査(介護認定者向け)」及び「介護
保険日常生活圏域ニーズ調査(一般高齢者向け・要介護認定者向け)」を実施しま
した(全集計結果は資料1-1及び1-2に掲載)。
1 介護保険利用状況実態調査(介護認定者向け)
調査名
介護保険利用状況実態調査(介護認定者向け)
基準日
平成 26 年1月1日現在
調査地域
町
内 全
域
在宅でケアマネジャーから支援を受けている方で、介護サービス
調査対象及
を利用している要支援・要介護認定者 300 人を調査しました。
び対象者数
西和賀町介護支援専門員連絡会議に担当となっている方への配
調査方法
調査期間
布及び回収の協力、また希望者には記入の支援協力もありました。
平成 26 年1月 16 日~2月 25 日
回
回収結果
収 数
256 人
有効回答数
255 人
有効回答率
99.6%
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
2 介護保険日常生活圏域ニーズ調査(一般高齢者向け・要介護認定者向け)
調査名
介護保険日常生活圏域ニーズ
介護保険日常生活圏域ニーズ
調査(一般高齢者向け)
調査(要介護認定者向け)
平成 26 年4月1日現在
平成 26 年4月1日現在
基準日
調査地域
町
内 全
65 歳以上の高齢者で要介護認
域
65 歳以上の高齢者で要介護・
調査対象及
定者を除く 2,743 人から 530 人 要支援認定を受けている在宅の
び対象者数
を無作為抽出し調査しました。
方 598 人から 119 人を無作為抽
出し調査しました。
西和賀町民生児童委員協議会
町の職員が配布及び回収を行
に配布及び回収の協力、また希 いました。
調査方法
望者には記入の支援協力もあり
ました。
調査期間
平成 26 年7月 10 日~8月 11 日
回
回収結果
平成 26 年9月 10 日~10 月9日
収 数
528 人
回
収 数
97 人
有効回答数
525 人
有効回答数
97 人
有効回答率
99.4%
有効回答率
100.0%
(1)介護保険日常生活圏域ニーズ調査(一般高齢者向け)集計結果の抜粋
年齢区分で一番回答が多かったのは「75~79 歳」で 26%、家族や生活状況に
ついて一番回答が多かったのは「家族などと同居(二世帯住宅を含む)」で 77%
でした。(下グラフ:「年代」「家族構成」参照)
同居と回答された方のうち、日中一人になることがあるかの回答で一番多かっ
たのが「たまにある」の 42%、次いで多かったのが「よくある」の 35%であり、
普段の介護・介助の必要性については、7 割以上の方が「必要ない」と回答され
ていました。(下グラフ「日中一人になることがある」「普段介護・介助が必要」
参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
現在の暮らしの状況について一番回答が多かったのは「やや苦しい」の 45%、
次いで多かったは「ややゆとりがある」の 27%であり、住まいは一戸建てで持
ち家である方が 9 割以上でした。(下グラフ:「現在の暮らしの状況」「住まいは
一戸建てか集合住宅か」「住まいはどれにあたる」参照)
週に 1 回は外出していると回答された方は 90%で、外出する際の移動手段の
回答で一番多かったのが「自動車(人に載せてもらう)」と「徒歩」の 22%、次
いで多かったのが「自動車(自分で運転)」の 18%であり、大多数の方が自立し
た生活を送っていることや主な移動手段は自動車であることがわかります。
友人や知人と会う頻度で一番回答が多かったのは「週2~3回」で 23%、次
いで多かったのが「週4回以上」で 22%であり、友人や知人以外で相談する人
の回答で一番多かったのは「近所や同じ地域の人・老人クラブ」の 29%、次い
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
で多かったのが「社会福祉協議会・民生委員」の 27%であり、地域のつながり
が深く、地域で地域を支える基盤はある程度整っていることがわかります。(下
グラフ:「週に 1 回は外出している」「外出する際の移動手段」「友人・知人と会
う頻度」「友人や知人以外で相談する人」参照)
また、今後どこで生活したいかの回答で一番多かったのが「自宅」で 49%、
次いで多かったのは「施設」で 35%、ずっとこの町に住み続けたいかの回答で
一番多かったのが「思う」で 73%、町に力を入れてほしいことはの回答で一番
多かったのは「除雪体制の充実」で 20%、次いで多かったのは「介護が必要に
ならないための健康づくり支援」と「ひとり暮らしや高齢者への地域での見守り」
でそれぞれ 16%でした。(下グラフ:「今後どこで生活したい」
「ずっとこの町に
住み続けたい」「町に力を入れてほしいこと」参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
(2)介護保険日常生活圏域ニーズ調査(認定者向け)集計結果の抜粋
年齢区分で一番回答が多かったのは「85~89 歳」で 40%、家族や生活状況に
ついて一番回答が多かったのは「家族などと同居(二世帯住宅を含む)」で 79%
でした。(下グラフ:「年代」「家族構成」参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
同居と回答された方のうち、日中一人になることがあるかの回答で一番多かっ
たのが「たまにある」の 49%で、次いで多かったのが「よくある」の 26%であ
り、普段の介護・介助の必要性についての回答で一番多かったのは、「介護を受
けている」の 66%、次いで多かったのが「必要だが受けていない」の 14%でし
た。介護認定を受けていても「必要ない」と回答した方が 10%いたことから、
介護認定の申請をされる方の中には、現在はサービスを利用する考えはないが、
今後のニーズが高まっていくことが推測されます。(下グラフ「日中一人になる
ことがある」「普段介護・介助が必要」参照)
介護等が必要と回答された方のうち、主に誰の介護を受けているかの回答で一
番多かったのが「配偶者」の 33%、次いで多かったのが「息子」や「娘」等で
した。また、介護・介助している人の年齢は「65 歳未満」が 33%であり、介護・
介助している人の約 7 割の方が 65 歳以上であることから、老々介護世帯が多い
状況であり、家族介護力が低下していることがわかります。(下グラフ「主に誰
の介護を受けているか」「介護・介助している人の年齢」参照)
現在の暮らしの状況について一番回答が多かったのは「やや苦しい」の 41%、
次いで「ややゆとりがある」の 32%であり、住まいは一戸建てで持ち家である
方が 9 割以上でした。(下グラフ:「現在の暮らしの状況」「住まいは一戸建てか
集合住宅か」「住まいはどれにあたる」参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
週に 1 回は外出していると回答された方は 60%で、外出する際の移動手段の
回答で一番多かったのが「自動車(人に載せてもらう)」の 41%、次いで多かっ
たのが「徒歩」の 16%や「病院や施設のバス」でした。
友人や知人と会う頻度で一番回答が多かったのは「会っていない」で 34%、
次いで多かったのが「年に数回」で 19%であり、友人や知人以外で相談する人
の回答で一番多かったのは「ケアマネジャー」の 32%、次いで多かったのが「社
会福祉協議会・民生委員」の 18%や「医師・歯科・看護師」の 17%であり、介
護認定を受けている方は、施設や病院関係者と接する機会が多く、友人や知人、
地域の方とふれ合う機会が少ないことがわかります。
(下グラフ:
「週に 1 回は外
出している」「外出する際の移動手段」「友人・知人と会う頻度」「友人や知人以
外で相談する人」参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
また、今後どこで生活したいかの回答で一番多かったのが「自宅」で 85%、
次いで多かったのは「施設」で 10%、ずっとこの町に住み続けたいかの回答で
一番多かったのが「思う」で 83%、町に力を入れてほしいことはの回答で一番
多かったのは「介護保険サービスの充実」の 23%、次いで多かったのが「除雪
体制の充実」で 19%でした。
今後どこで生活したいのかの回答とずっとこの町に住み続けたいかの回答で
は、認定を受けている方は一般高齢者の方よりも自宅で生活し、この町に住み続
けたいと思う方の割合が多いことがわかります。
(下グラフ:
「今後どこで生活し
たい」「ずっとこの町に住み続けたい」「町に力を入れてほしいこと」参照)
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第2章 高齢者・要介護者等の状況
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