イノベーションによる 成長戦略

第1章 日本ケミコンとは?
第2章 日本ケミコンのビジョン
第3章 事業の成果と今後の戦略
CTOメッセージ
イノベーションによる
成長戦略
現在成長途上にある市場と今後の成長が見込まれる
市場を
「戦略市場」に定めて、マーケティングに基づいた
新製品開発を推進し、販売の拡大につなげています。
技術的なトレンドを市場ごとに分析することで、ニーズ
に最適化した製品開発を行っています。
上席執行役員 CTO 技術本部長
上山 典男
大きな特徴になっています。新製品開発の段階から設備
日本ケミコン製品の開発を担う製品開発センターは、
大形アルミ電解コンデンサの製造を行うケミコン福島
開発の専門組織が加わることで、速やかな生産の立ち上
株式会社(福島県西白河郡)の敷地内に本拠を置いてい
げと、高効率な生産活動を実現しています。
ます。日本ケミコングループの国内製造会社は東北地方
材料から生産まで、すべてのプロセスを社内化するこ
に集まっており、製造現場に近いロケーションで新製品
とが、独創的な製品開発を可能にしていると共に、技術の
開発を行うことで現場との課題の共有化も進み、スピー
ブラックボックス化にもつながっています。
しかし一方で、材料からの一貫生産や生産設備の内製
ディーな新製品開発において大きなメリットになって
化は、一転して弱みにもなり得る諸刃の剣です。これを
います。
日本ケミコンの成長戦略において、イノベーションが
「強み」としていくためには、圧倒的な競争優位性が必要
競争の原動力です。新製品開発により高付加価値な製品
になります。材料開発や生産設備開発での優位性が、企業
を市場に投入し続けることが、事業の拡大には不可欠な
としての競争力の源泉でありコア技術です。今後これら
条件だと考えています。
の分野に関しては、今まで以上に強化していく考えです。
他社に先駆けて新製品を開発するために、
日本ケミコン
こうした分野で先進性を確保するためには、地道な
では材料からの一貫した開発・生産体制を構築していま
シーズ開発が不可欠になります。そのため、コンデンサ等
す。材料レベルから常に新しい技術を取り入れることで、
の電子部品用先端材料の研究を行う専門組織として基礎
他社の製品にはない魅力を持った新製品を、いち早く開
研究センターを設けて、専門の学会や大学、研究機関とも
発することを可能にしています。余談になりますが、日本
連携しながらシーズ開発を行っています。
圧倒的な競争力を持った企業を作るために、技術者集
ケミコンでは、アルミ電解コンデンサの材料となるアル
ミニウム電極箔や封口ゴムを自社生産していますが、
団として大きな役割を担っているという自覚を持つと共
これらの材料は他のコンデンサメーカーにも販売してい
に、困難に立ち向かう強い意志と、大きな夢を持って、こ
ます。日本ケミコンは電子部品メーカーであり、材料メー
れからも研究開発に取り組んでまいります。
カーでもあるのです。
また、生産設備を内製化しているのも、日本ケミコンの
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