付属第四医院、日中の心血管疾患のスペシャリスト、共同で複雑慢性完全閉塞病変へのチャレン ジに成功 筆者:金鴎 岳金鳳 出所:本サイトオリジナル クリック数:85 更新日時:2015-5-18 10:41:41 5 月 13 日、ハルビン医科大学付属第四医院心臓内科主任李学奇教授の招請を受け、筑波記念病 院つくばハートセンター長である我妻賢司博士が来院し、学術交流を行うとともに、冠動脈イン ターベンションのライブデモンストレーションと技術指導を行った。我妻賢司博士は、米国冠動 脈造影インターベンション学会正会員(FSCAI) 、欧州心臓病学会特別正会員(FESC) 、アジア太 平洋心臓病学会特別正会員(FAPSC) 、米国心臓病学会特別正会員(FACC)であり、国際的に著名 な心臓インターベンションのスペシャリストとして、冠動脈複雑病変のインターベンション治療 に造詣が深い。 1 日の交流の中で、我妻賢司博士は、李学奇教授、金恩沢教授と共同で、複雑慢性完全閉塞病変 (CTO)患者 3 名の閉塞した血管の開通に成功し、患者の苦痛を速やかに解消した。3 名の冠動 脈性心疾患患者は、いずれも複数の血管に重篤な病変があり、複数の病院で外科バイパス手術を 勧められ、評判を聞いて当院で受診した。このうちの 1 名は、3 本の血管に病変がある患者で、 冠動脈インターベンションが対象とするほぼ全ての複雑病変の類型が含まれており、冠動脈の造 影では左主幹部遠位端の 80%に狭窄、前下行枝近位部と中央部にびまん性の石灰化病変、重度の 狭窄、対角枝開口部に 80%の狭窄、回旋枝の近位部と中央部に 90%の狭窄、右冠動脈中央部閉塞 及び血流なしという、慢性閉塞病変が認められた。同患者は、初回の PCI 治療で閉塞した右冠動 脈の開通に成功した後、再度入院して左冠動脈のインターベンション治療が行われた。我妻賢司 博士と心臓内科第五病室主任の金恩沢教授は、造影の結果を入念に検証した後、左冠動脈の重篤 な狭窄は重度の石灰化を伴っており、バルーンが通過できないか、病変拡張が困難である可能性 があると判断した。このため、アテレクトミー技術を選択して石灰化病変を削り取った後、ダブ ル Mini-Crash 分岐技術を用いることにより、左主幹部、前下行枝、対角枝及び回旋枝に 4 つの ステントを挿入し、完全な血流の再建実現に成功した。この手術で使用されたアテレクトミー技 術とは、先端にダイヤモンド粒子がついたオリーブ型のドリルを使用し、 「差別切削」又は「選 択的切除」の原理に従って繊維化又は石灰化した動脈硬化プラークを選択的に取り除くもので、 現時点では先進的な冠動脈インターベンション支援ツールである。ただしその操作は難しく、高 いリスクを伴うことから、経験豊富な術者による操作を必要とする。この症例では、患者は重篤 な石灰化があっただけでなく、これが左主幹部にも及んでいたため、手術によるリスクは極めて 高かった。さらに、前下行枝-対角枝、前下行枝-回旋枝の 2 ヵ所に分岐部病変があったことか ら、極めて挑戦的な症例であったと言えよう。 -1- 2 例目の患者は、右冠動脈の慢性閉塞病変で、閉塞部の長さは 30mm に達していた。4 時間近く に及ぶ手術により、正方向、逆方向から複数回トライした結果、右冠動脈が開通し、2 つのステ ント挿入に成功した。 3 例目の患者は、非常に稀な回旋枝開口部の閉塞病変であり、造影では残部は一切認められず、 逆行にも良好な側副血行路はなかった。こうした困難な状況にあって、我々は両側造影と血管内 超音波(IVUS)による回旋枝開口部の探査に成功し、回旋枝は開口部からの閉塞部が極度に湾曲 していることが判明した。確実なガイドワイヤー操作技術により、閉塞病変の通過、回旋枝の開 通、ステント 3 つの挿入に成功した。慢性完全閉塞病変(CTO)は、冠動脈インターベンション 治療最後の砦と言われている。CTO 患者の治療を薬物のみに頼れば、臨床症状を緩和できるが、 長期的な心機能、生存率の改善には決して理想的ではない。CTO 病変の開通の成功により、遠位 端の冠動脈血液供給部位の心筋血流不足を改善し、冬眠状態の心筋を回復させ、患者の心臓の激 しい痛みを軽減し、心機能を改善することで、外科バイパス手術を 50%減少させることができ、 患者の長期的な生存にとっても意義がある。この 3 例の複雑冠動脈病変の開通を成功させたこと は、ハルビン医科大学付属第四医院心臓内科でインターベンションに従事する医師が CTO 病変に 対するインターベンション治療の方針、技術及び医療機器を選択する際に新たな構想を与え、さ らなる成功率の向上に資するところとなった。 -2-
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