私の心に深く刻み込まれた言葉があります。 「できない理由を考えるのはやめ て、できる理由を考えよう」。修行時代、上司の言葉です。人生における課題の ほとんどは「できなかった」ではなく、「やらなかった」ではないでしょうか。 できない理由をやる前から考え、後付けの言い訳を考えるような逃げの態勢か らは何一つ良いものは生まれません。人生において、誰しも困難にぶつかった 時、不安で逃げ出したくなる時があるはずです。そんな時、それは人生に立ち はだかる壁と考えるのではなく、次のステージを開く幕なのだと考えたい。た とえ自分一人では開けられない幕でも、歯を食いしばり挑戦する者には手を差 し伸べてくれる人が現れ、必ず開けることができる幕なのだと信じています。 青年会議所は毎年新しいステージの幕を用意してくれます。そして今、私の前 にはかつてない大きな幕があり、武生青年会議所全会員と共にその大きな幕を 開けたいと思います。 申し遅れましたが、私は公益社団法人武生青年会議所、第53代理事長を拝命 しました、河合洋典でございます。どうぞよろしくお願いします。 改めまして、皆様、新年あけましておめでとうございます。 本日は、お忙しいところ、また足元の悪い中、越前市長、奈良俊幸様をはじめ とする来賓の皆様、尊敬してやまない先輩諸兄、ご臨席たまわり誠にありがと うございます。こんなにも多くの皆様に支えられ、今、こうしてこの場に立た せていただいていることを思うと、心震える思いであります。 2008年、私は武生青年会議所の一員となりました。入会審査の面接で「青 年会議所でやりたいことは何か?」の問いに、 「少年期を過ごした時代のような 活気を取り戻すまちづくりをしたい」と答えたことを覚えています。これまで の青年会議所の運動、活動を通し、様々な人と出会い、経験してきました。誰 かのために我が身も振り返らず行動する仲間、いつかこんな人になりたいと背 中を追いかけた先輩、楽しいことや悔しいこと、事業後の達成感と感謝の気持 ちで涙が止まらない、そんな人達との出会いや経験をさせてくれた青年会議所 は、私に多くのことを教えてくれました。想いは常に手法の上流にあり、想い はあるか無いかではなく、持つか待たないかであります。誰かがやってくれる だろうと傍観するのか、それとも、リーダーシップを発揮して、勇気をもって 一歩を踏み出すのか。当然後者であります。このまちで生業を営み、家族や社 員、友人が住むこのまちを離れるわけにはいかない私たちに、選択肢は無いわ けであります。 私たちの人生において「コンパス」と「時計」の両方が大切だと考えていま す。まずは「コンパス」を見てから「時計」を見なくてはいけません。なぜな ら、早くたどり着くことよりも、どこに向かって進むべきかということの方が 重要だからであります。私たちは40歳までの限られた時間の中で、何を学び、 どのような人間になりたいか、という明確な目標を持ちながら活動していかな ければいけません。そうすることで、より充実した青年期を過ごせるのです。 2012年、私たちは50周年ビジョンとして「誇れるえちぜん」の創造を 宣言しました。2015年度は55周年に向け、ちょうど中間地点となる年で あります。私たちの運動、活動をより発展させていくためにも、この3年間を 振り返り、未来を見据え、現在の立ち位置と進むべき方向を確認していきたい と思います。 未来へのチャレンジ、自己の成長による、誇れるえちぜんの創造を基本理念と し、行動こそ真実、知行合一の実践から始まる、誇れるえちぜんの創造をスロ ーガンに掲げ、2015年度も全会員一丸となって、粉骨砕身、邁進していく 所存であります。 結びになりますが、本日ご列席の皆様のさらなるご発展とご健勝を祈念して、 先輩諸兄におかれましては、変わらぬご指導とご鞭撻をお願い申し上げ、公益 社団法人武生青年会議所、第53代理事長の所信表明とさせていただきます。 1年間どうぞよろしくお願いします。
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