H.24

Ⅵ
研究全体計画
*平成23年度の反省
(1) 読解力を育成させる指導のあり方を検証することができた。
(2) 教師の指導力向上を図ることができた。
(3) 話し合い活動を活発にする必要がある。(表現力・・来年度の仮説に入れる予定)
1 研究主題
確かな読み取りができる児童の育成を目指して
~言語活動を取り入れることを通して~
2 主題設定の理由
新学習指導要領では、
「生きる力」を育むことが大きく取り出された。総則には「各教科の指導
に当たっては、児童の思考力、判断力、表現力等を育む観点から、基礎的・基本的な知識及び技
能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能
力の育成を図る上で必要な言語環境を整え、児童の言語活動を充実すること」という内容が盛り
込まれた。言語活動は「生きる力」を育む重要な要素となる。他教科でも活用できる国語の力を
付けることが課題となる。
本校の学校教育目標「瞳を輝かせ 心豊かで たくましい子どもの育成」において,「生きる力」
の基盤となる「豊かな心」の育成を掲げており,多くの人との関わりの中から,よりよい人間関
係づくりができる児童を育成していかなくてはならない。よりよい人間関係づくりには,自分の
気持ちを表現し,会話の中から相手の気持ちを読み取り,理解し合うことが重要であり,そのた
めには読解力の育成が不可欠である。
昨年度実施した「千葉県標準学力調査」の結果からは,どの教科においても基礎的な知識・理
解の正答率に比べ,思考を伴う応用問題で正答率が低い。国語においては,他の領域の正答率に
比べどの学年も「読む」領域についての正答率が低い傾向にあることが分かった。児童は,時間
内に長文を読み取れない,文章が長くなると内容を理解したり要約したり内容を考察したりする
ことを不得意とする傾向がある。また,自分の考えたことを適切な言葉を使って表現することも
苦手である。読解力は全ての教科の基本,人間関係の基本となるものであり,その充実を図るこ
とが重要である。
【言語活動について】
「話すこと・聞くこと」
、「書くこと」及び「読むこと」の各領域において、基礎的・基本的な
知識技能を活用して課題を探求することのできる国語の能力を身に付けさせたい。
そのためには、記録、説明、報告、紹介、感想、討論などの言語活動を、児童の実態に合わせ
て工夫し、充実させることが課題となる。
「話すこと・聞くこと」
感想、意見、討論
「書くこと」
記録、説明、手紙、新聞、報告、詩、物語、短歌、俳句
「読むこと」
読む、演じる、感想、紹介、説明、事典、伝記、新聞
【目指す児童像】
低学年
・場面の様子について登場人物の行動を中心に想像を広げて読むことができ
る子
・時間や事柄の順序を考えて,内容の大体を読むことができる子。
中学年
・場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化・情景な
どについて叙述を基に想像して読むことができる子。
・段落ごとの要点や文章全体の主旨の大体をまとめることができる子。
高学年
・文章全体の要旨をとらえ,自分の立場を明確に意見や感想をもつことができ
る子。
・登場人物の相互関係や心情・場面についての描写をとらえ,優れた叙述につ
いてまとめ、自分の考えや思いを表現することができる子。
【付けさせたい力】
低学年
中学年
高学年
① 語のまとまりや文のまとまりに気を付けて音読する力。
②時間的な順序や事柄の順序 などを考えながら,内容の大体を読む力。
③登場人物の行動を中心に想像を広げながら読む力
④文章の中の大事な言葉や文を書き抜くことができる力。
⑤文章の内容と自分の経験とを結びつけて考えられる力。
⑥自分の思いや考えをまとめ発表することができる力。
① 内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読する力。
② 段落相互の関係や事実と意見との関係を考え,文章を読む力。
③ 登場人物の性格や気持ちの変化,情景について,叙述を基に想像して読む力。
④ 要点や細かい点に注意しながら文章を要約する力。
⑤ 文章を読んで考えたことを発表し合い感じ方に違いがあることに気づく力。
⑥ 理解したことを自分なりの言葉で表現する力。
① 自分の思いや考えが伝わるように音読や朗読をする力。
② 目的に応じて,効果的な読み方を工夫する力。
③ 要旨をとらえ事実と感想,意見などとの関係を押さえ,考えを明確にして読む力。
④ 登場人物の心情,場面についての描写をとらえ,優れた叙述について自分の考え
をまとめる力。
⑤ 考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりする力。
⑥ 理解したことを自分なりの言葉でまとめ表現する力
3
研究の目標
基礎的、基本的な知識・技能の習得を基に、これらを活用して読解力を育成する学習指導のあ
り方を国語科の学習を通して明らかにする。
4 研究仮説
(1) 「付けさせたい力」を明確にし、
「読み深め」の場の工夫をすれば,確かな読み取りが
できるようになるだろう。
(2) 発問を工夫すれば,思考の視点が定まり、確かな読み取りができるようになるだろう。
(1)仮説1について
言語活動を大切にした学びの場を工夫すれば、学び得たことを活用して、進んで課題を解決す
るための意欲を高めることができると考える。文章を読み取るには、付けさせたい力を明確にし
た上で、様々な手立てが必要となる。読み取ったことを論理的に思考し,その考えを明確にすれ
ば「読み取る力」が付くと考えられる。
・資料の工夫
文章理解のための手助けとなるものを厳選する。挿絵、写真、実物の資料
・読みの視点の明確化 (サイドライン等)
ユニバーサルデザインのように掲示しておく。引いたものを活用していく。
・読みのめあて
主人公の気持ちを考える。要点を捉えるなど目的意識をもたせる。
・学習問題作りの工夫
びっくりしたことや初めて知ったこと,調べたいこと最初の学習の感想から作成。
・ワークシートの活用
学習の見通しがもてるもの,読み取りの手助けとなるもの。
・吹き出しの工夫
学習の主題から離れないように,めあてを持たせて書かせる。
・要約文、要旨
キーワードとなる言葉を見つけさせて,それを元に作成させる。
・板書の工夫(空間、時間)
叙述に即して読み取りができるような手立てをする。
空間的,時間的な板書を心がける。
矢印やイラスト図を活用する。
・テキストの評価
教科書の内容について自分の考えをもつ。批判読みを心がける。
・単元の流れの確認
今,学習している所が全体のどの部分であるか意識させる。
・話し合い活動(ペア、グループ、座談会)
自分の考えを確認する場を設ける。また,少人数での学習で自信をもたせる。
・ノートの活用
自分の考えばかりでなく友達の考えも書く。
・音読の工夫
・紹介文の作成
・心情曲線の使用
・対立・比較
(2)仮説2について
単元の流れや本時の学習の流れを重視した適切な発問を投げかけることにより、児童は思考の
視点が定まり、判断力や表現力を身に付けることができるだろう。これらの活動により学習の見
通しをもつことで、確かな読み取りの力を付けることができると考える。
・対立・比較
教科書と指導者の言葉、その文や表現がどうしてあるのか。
意見の対立場面を設け,その違いから考えを深める。
・児童が主体的に考える発問(なぜ~)
「気持ちを読み取ろう。
」という発問だけでなく,「なぜ~」を使い意欲を高める。
・思考に広がりが持てるように(物語文)
一つの気持ちだけでなく,考えが多様化していくなかで気持ちをまとめていく。
・主人公がどんな気持ちか,高学年では主人公についてどう思うか。
そうした主人公についてどう考えるか,自分の気持ちを主人公に反映させる。
こうした取り組みで,主人公の気持ちに迫ることができる。
・好きな場面を選ばせ,どうしてそこを選んだかどう思ったか問うことで話し合いに。
好きな場面には,心をゆすられるものがある。その理由を考えることで気持ちに迫る。
・児童の発言の違いから,思考を深めさせる。
差異から疑問を持たせ,その疑問から主題に迫る。
(3)その他の言語活動
・辞書・事典の活用
・朝の読書
・1分間スピーチ
・国語の掲示板
5 本年度の計画について
(1)校内研修
国語科①回数 1人2回
①時期 6月
10月または11月 2月(特別支援)
その他 救急法、図工、人権、書き初め
研修のまとめ作成
学力検査考察
(2)授業以外の取り組み
アンケート、実態調査
掲示物作成(教室内・外)
授業の約束(ノートの使い方 持ち物 授業の受け方)
いつでも好きなときに辞書が使える環境整備
(2)年間予定
月
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
6
研修の形態
・理論研修
・部会会議
・領域会議
・指導案検討
・ 授業研究会
・特別支援授業
・人権教育研究会
・ 指導案検討
・指導案検討
・授業研究会
・授業研究会反省
研修内容
・ 全体計画の確認(主題・仮説・年間計画等)する。
・ 低高毎に,領域や授業研究会の割り振りなどを決定する。
・領域毎に今年度の取り組みを検討する。
・部会毎に指導案検討を行う。
・第1回授業研究会を行い,指導を受ける。
・特別支援の授業研修
・人権教育及び道徳教育についての研修を行う。(講師)
・ 部会毎に指導案検討を行う。
・部会毎に指導案検討を行う。
・第2回授業研究会を行い,指導を受ける。
・研究のまとめ
・各部会及び,各自で年間の研究を振り返り,まとめを行う。
・印刷,製本を行う。
・次年度の研究計画を立てる。
・次年度計画
・学力検査考察
研究組織について
校長
・校長・教頭・教務・研究主任
・教科主任・低高学年主任
研究推進委員会
全体会
部会
講師
領域
・低学年(◎
) ・記録部 (低学年部会
123年)
・高学年(◎
) ・資料部(高学年部会
456年)
記録部… 講師記録(デジタルで)写真記録 ノート 板書
資料部… アンケート、講師記録、写真記録のまとめ
掲示物作成