非破壊検査をX線分析技術で

非破壊検査をX線分析技術で
〜コスト削減を可能にするX線分析のアプローチ〜
株式会社リガク
非破壊測定市場では、高速かつ高精度、高精細な装置が求められている。近年では、小型装置の
導入によるその場分析へのニーズも強い。リガクは、X線分析技術を軸に、こうしたニーズに応え
られる装置をラインナップし、顧客のニーズに応えてきた。
本稿では、最新の可搬型X線応力測定装置や工業用CTを加えたリガクの非破壊検査ソリュー
ションについて、顧客の声に応える製品・技術開発を続けているリガクの取り組みとともに紹介
する。
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X線分析技術で高い信頼性を提供
進んでいるとはいえ、実際にものを作ってみると、
素材や製造工程に由来する不具合は出てくるもの
建造物や機械を、そのままの状態で検査し、表
である。部品をアウトソーサーから調達するとし
面および内部の状態を調べる「非破壊測定」が注
ても、その強度や均一性について、信頼性の高い
目を集めている。構造物を傷つけることなく、信
検査が必要になる。そのために、粉末 X 線回折法
頼性を担保できるのがその最大のメリットであ
による結晶構造の探求や、蛍光 X 線分析法による
る。製造業においては、製品開発や生産時の検査
元素分析が役立つ。耐用温度を決めるためには、
にあたり、製品を壊さなくてよいことは、大幅な
熱分析装置を利用する。リガクは、これらの装置
コスト削減につながる。
群で製造業者のニーズに応えてきた。近年では、
非破壊測定には、様々な検査・試験法が存在し、
それを一歩進め、テストピースを用意することな
それぞれの検査・試験法を可能にする非破壊検査
く、そのままの状態で検査対象を測定したいとい
装置がある。リガクは、X 線分析技術を軸に、複
う非破壊検査へのニーズが高まってきた。
数の非破壊検査装置をラインナップしている。X
線を使用する放射線透過試験は、広く利用されて
いる検査・試験法であり、信頼性の高さが最大の
2
非破壊分野で生きるX線分析技術
特長だ。空港の手荷物検査に利用されていること
非破壊検査の最大の目的は、コスト削減である。
が一般に知られている例で、その技術を工業用途
さらに近年では、検査をより簡単に、より迅速に
に活用できるレベルにまで高めたものが、リガク
行いたいというニーズが高まりを見せている。同
の非破壊検査装置である。
時に、「現場で測定して、その場で結果を見たい」
工業用の検査プロセスにおいて、現場はものの
というニーズも生まれてきた。リガクは、そうし
状態を数値として掴みたいというニーズがある。
た声に応えるために、2 つの製品を用意している。
設計プロセスでは、3D CAD の活用など電子化が
1 つ目が、可搬型 X 線応力測定装置「SmartSite
eizojoho industrial
February 2015︱59