研究の種類 研究課題 基盤研究 富士五湖・湖底堆積物の有機地球化学分析による自然環境変遷史の復元 研究代表者 山本真也 火山防災研究部 研究期間 平成 25 共同研究者 内山高 年度 ~ 27 平成 年度 ( 3 カ年) 研究協力者 北海道大学 低温科学研究所 火山防災研究部 研究の目的 本研究では、富士五湖・湖底堆積物の有機地球化学分析を行い、過去の富士山火山活動に伴う富士北麓の自然環境変遷史を明らかにすることを 目的とする。 研究の目標 1.山中湖・河口湖・本栖湖の湖底堆積物の有機地球化学分析による富士北麓の長期的な自然環境変遷史の復元。 2.有機地球化学分析による富士山の過去の火山活動に伴う自然環境変化の復元。 全体の研究計画 (1) 山中湖・河口湖・本栖湖の湖底堆積物の有機地球化学分析による富士北麓の長期的な自然環境変遷史の復元 山中湖・河口湖・本栖湖の湖底堆積物中に保存された植物由来の有機化合物の分子組成や安定炭素同位体比を測定し、過去1万年の長期的な 自然環境変遷史を明らかにする。特に、湖の水位変動に伴う水生植物の寄与や、乾湿環境の変化、それに伴う植生変化について明らかにする。 (2) 有機地球化学分析による富士山の過去の火山活動に伴う自然環境変化の復元 ①山中湖において、堆積物のテフラ層準の上下層を中心にPAHsの分析を行うことで、富士山火山活動に伴う自然環境の変化を復元する。更に、 テフラ層の上下層で、植物ワックス(ノルマルアルカンや脂肪酸)の分子組成・安定炭素同位体比の測定を行い、火山活動前後での植生変化(特に C3/C4植物比の変化)を明らかにする。 ②上記①の研究で明らかにされた噴火に伴う環境擾乱イベントを,富士火山の北-北西麓に位置する河口湖・本栖湖の堆積物でも探索し、過去の 火山噴火が富士北麓の自然環境に与えた影響を空間的に明らかにする。 期待される研究成果 ◎ 富士北麓の自然環境の成り立ちに関する新知見を明らかにし、富士山麓の自然環境の普遍的価値を裏付ける科学的根拠を提供する。富士山 の総合学術調査に貢献できる。 ◎ 過去の気候変動や火山活動が富士北麓の自然環境(特に富士五湖)に与えた影響が明らかとなり、将来の環境変化(特に降水量の増加や気 温の上昇)や噴火に際し富士五湖の環境保全を考える上での基礎資料となる。
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