資料15

リリース禁止処置に対する意見書
野尻湖漁業組合と致しましては、バスの駆除及びキャッチアンドリリース禁止
に反対致します。
●これまでの経過について
野尻湖漁協のこれまでの取り組み
野尻湖にブラックバスの生息が確認されてから、すでに15年以上の歳月が経っていると
思います。
当初、関係機関はなんの対応も無く当組合としても対応に困り、駆除の対策と、観光資源
として利用の両面の試験的考えから今まで禁止であったルアー釣りを解禁し、釣り人に来
ていただく事でバス共存の道は無いのかと試験的に、今から8年前にルアー釣りを解禁い
たしました。
結果は、私どもの考え通りバスは、ルアー釣り解禁初年度に比べ、格段に生息数が減少い
たしております。この状況はすでに指定魚種として見とめられています、河口湖、山中湖、
芦ノ湖、などの状況を見ましても、同じ事と思います。特に河口湖などではバスの生息数
が追いつかず、年間に渡り莫大な量のバスを放流しなければ、安定した釣り場を維持でき
ないと言う状況であり、釣って放しても生息数は減少すると言う証しではないでしょうか。
解禁当初から野尻湖の水中に潜っている者の話では、数年前までは、いたるところにバス
が生息していたのを目視出来ましたが、今では一目見て居なくなったなーと言う印象だと
言う事です。
また、観光資源としての可能性も我々は実感致しました、ルアー釣り解禁前に比べ当組合
の遊漁収入は 10倍以上になり、周辺民間業者の収入は計り知れない額となりました。
私たち野尻湖漁協が今まで行なって来た、バスに対する対策方法は、地元観光業者、釣り
人、漁協関係者、その他全ての方に取りましても最も最適なバスに対する、対策方法と考
えおります。
ここでリリースの禁止は地元業者初め多くの方々の事業や生活を窮地に追い込むばかりか
生態数を有効に調整している機能を失う事になりかねない事態と思われます。
地域観光と観光漁業
バスに付いての考え方は、全を害魚とは言いきれない所が有ると思います。それは今現在
の一般観光客減少に苦しむ観光地 野尻湖に取りまして非常に大きな収入を生むからで有
ります。今後の生活の為にすでに必要な魚になっています。もしもリリース (
再訪流)
が禁
止になればバス釣りのお客様が来なくなり旅館業を始め、貸し舟業、ガソリンスタンド、
コンビニ、お土産品店、スーパー、などなど多種多様に渡った業者への影響が考えられる
他、今では野尻湖の釣り人に頼った業者も妙高高原から斑尾高原までに至っております。
今後、野尻湖での漁業は遊魚と観光がリンクした形態で押し進める方法が、一番と地元業
者を始め、私ども漁業組合では考えています。
在来種との関係
良くバスがいたから小魚がいなくなったと聞きます、私ども野尻湖では在来種も豊富で、
リリース禁止処置に対する意見書
いまだに沢山のワカサギ、モエビ、ハゼ、鯉やフナ、ハヤなど多くの魚種が生息していま
す。
今後も在来種に付いては、安定した生息数を維持すると思っています、仮に生息数が減少
してきたとするならば、減少した魚種を放流により維持する事は可能で、人為的な努力で
生態系のバランスを保ちたいと思います。又、放流に掛かる経費に付いては、バス釣のお
客様の遊漁料が必要です。
リリースの禁止はバス釣りの否定ともとられこの措置がとられた場合今後野尻湖を訪れる
バス釣りのお客様は激減する事は間違いない事実でしょう、これまで通りのスタイルでバ
ス釣りを認めたならば、野尻湖を訪れる釣り人は今後も後を絶たないでしょうし、いずれ
にせよ釣りに対する遊漁料収入は、生態系のバランスを保つ為にも必要と考えています。
近年では、バスの他にブルーギルの繁殖が目立っています。このギルは今後 バスよりも
生息数を増やし、生態系に悪影響を及ぼすはずです、ギル撲滅を目指すのも非常に困難な
事だと思いますが、唯一ギルを捕食してくれるブラックバスが居る事は、ブルーギルの生
息数拡大に歯止めを掛けてくれる事とも思っています。やはりバスばかりの問題が浮き彫
りにされる昨今では、湖全体のバランスを考えれば、バスのみの駆除を推し進める事は、
間違っている事だと思います。
遊魚料収入
●キャッチアンドリリースの対策について
意味の無い指導
キャッチアンドリリース禁止は、まったく根本的な解決にはなりません、なぜこのような
形の発想が生まれたのか、まったくと言ってバスについて知らない方の意見が取り入れら
れたとしか思えません。バス釣りを愛好する方は非常に魚を大切にし、殺す事が目的で釣
りをしに来ている訳では有りません、リリース禁止となれば、釣り場としての魅力が無く
なり 釣り人は高いお金をかけてまで、来なくなるでしょう。結果、バスは思った以上に
繁殖した上、遊漁料も減少ワカサギや他の放流量も減り湖のバランスがかえって壊れてし
まうはずです。
キャッチアンドリリース禁止の目的は一体何なのか、外部持ち出し生息域の拡大防止が目
的のはず、すでに生息域にリリースする事は、生息域拡大にはなりませんし、又放しても
多くの魚が死に絶えています。リリース禁止は、単なる釣り人イジメでしかありません。
長野県の場合は諏訪湖漁協より要望が出たと思いますが、バス釣りを見とめていない漁協
がなぜ?そのような指導を提議したのか理解に苦しみます。
各湖ごとに色々な環境があり全て一色短にまとめてしまう事は無理であり、そこで生活す
る人々や漁業関係者に対策を全て一任し監視してもらう事が、バスの生息域拡大防止やバ
ス問題の根本的解決に一番効果的ではないでしょうか。