10月13日実施分

礎材料化学演習1(竹中担当分)第4回 正解例
材料化学演習 TP1(竹中担当分)第4回 正解例
問 1 a)
Cl
b)
1
c)
2
2
Cl
Cl
d)
Cl
2
3
1
1
e)
Cl
1
2
Cl
F
3
1
3
2
2
1
Br
Br
f)
Cl
問2 右図のとおりで、青字で示したのがアキシアル位にある水素、赤い線で示したの
がエクァトリアル位に存在する置換基である。
CH2OH H
H
O
HO
OH
OH
H
H
問3
図中の*をつけた 3 つの炭素が不斉炭素。 各炭素について R 配置と S 配置があり得るので光学異性体は 23=8 種類存在する。 F
OH
H
O
O
HN
*
O
*
O
*
H2N
問4 図中の破線の四角で囲んだものがキラルな化合物。参考までに各アルコールの名称も付記した。
なお、キラルなアルコールに関しては、この図では立体配置が明確ではないので立体配置に関する名
称(S や R など)は書いていない。
OH
*
H
OH
1-ペンタノール 2-ペンタノール HO
OH
3-ペンタノール 2,2-ジメチル-1-プロパノール
*
H
OH
OH
OH
2-メチル-1-ブタノール 3-メチル-1-ブタノール 2-メチル-2-ブタノール 3-メチル-2-ブタノール
H
*
OH
問5 1)-SO3H > -F > -OH > -NO2 赤字で示した原子の原子番号が決め手になっている。
2)まず、1 番目の原子が原子番号6の炭素である-COOH、-CHO より、原子番
号 8 の酸素である-OH、-OCH3 のほうが優先順位が高いのは明らか。
-OH と-OCH3 を比べると、1 番目の元素は酸素で同じ。その酸素に結合している
二番目の元素は水素(原子番号 1 番)と炭素(原子番号 6 番)なので、-OCH3 のほう
が優先順位は高い。
COOH と CHO については、まず図のような形で等価な構造を考
える。(教科書 82 ページ参照)
両者とも 1 番目の元素は炭素(原子番号 6 番)であるが、二番目
の元素は O,O,O と O,O,H となり、-COOH のほうが原子番号の大
きな原子が結合していることになる。従って-COOH が優先。
以上のことから優先順位は-OCH3 > -OH > -COOH > -CHO
3)まず 1 番目の元素は全て C(炭素)であり、
優劣はない。2 番目の元素を比べると、
-C(CH3)3 と-C≡CH は三つとも C であるの
に対し、-CH=CH2 と-CH(CH3)2 は C が二
つと H が一つとなり、前の二つが優先する
ことがわかる。
次に、-C(CH3)3 と-C≡CH で 3 番目の元素を比べると、前者では三つとも H(H,H,H)であるのに対
し、後者では C,C,H となり-C≡CH が優先することがわかる。
-CH=CH2 と-CH(CH3)2 では、前者の 3 番目の元素は C,H,H であるのに対し、後者では H,H,H とな
り、より原子番号の大きな元素である C が結合している-CH=CH2 のほうが優先することがわかる。
以上より、優先順位は -C≡CH > -C(CH3)3 > -CH=CH2 > -CH(CH3)2
4)1 番目の元素を比べると Si(原子番号 14)が炭素(原子番号 6)より優先するので、-Si(CH3)3 が最優
先。二番目の元素は-CH2OH では H,H,O、-CH3 では H,H,H、-CH2-(CH2)8-CH3 では H,H,C となる。
従って、より原子番号の大きな元素が結合している-CH2OH の優先順位が高く、三つとも水素の-CH3
の順位は最も低い。従って全体の優先順位は
-Si(CH3)3 > -CH2OH > -CH2-(CH2)8-CH3 > -CH3
問6
a)不斉炭素に結合している水素、ヒドロキシ基、エチル基、メチル基の優先順
位は-OH > -CH2CH3 >-CH3 > -H なので、図のように優先順位の低い水素を観測
者から見て遠い方向に向けると、残りの置換基は図のように配置してることに
なる。-OH > -CH2CH3 >-CH3 は反時計回りになっているので、立体配置は(S)
b)設問では Newman 投影図で書かれている
が、臭素が結合している炭素が不斉炭素であ
ることは明らかで、これを書き直すと右図の
ようになる。置換基の優先順位は-Br > -CHO
> -CH2CH3 >-CH3 であるから、優先順位の低
い-CH3 を観測者から見て遠い方向に向けると、
残りの置換基は反時計回りになっているので、立体配置は(S)
c)この化合物は、立体配置を無視すれば 2-ブロモ-3-ヒドロキシブタン二酸であるが、
C2 と C3 が不斉中心になっている。C2 上の置換基は、優先順位の高いものから順に
-Br > ‒COOH > ‒CH(OH)COOH > ‒H なので、紙面の裏側から見ると S
配 置 に な っ て い る こ と が 分 か る 。 同 様 に し て 、 C3 上 の 置 換 基 は -OH >
-CH(Br)COOH > -COOH >-H なのでこれも S 配置。従って、立体配置は
(2S,3S)
d)この化合物は、不斉中心の立体配置を無視すれば 3-エチル-1,4-ヘキサジ
エンであるが、C3 が不斉中心になっている。また、C4-C5 間の二重結合
部分には E,Z 異性体が存在するが、この問題中ではその部分は立体配置を
決めるようにかかれていないので無視してよい。C3 上の置換基は、優先
順位の高いものから順に-CH=CH-CH3 > -CH=CH2 > -CH2CH3 > -H である。
紙面と同じ平面内で右側から眺めてみると S 配置になっていることが分かる。立体配置は(S)
問7 設問の化合物には C2,C3,C4 の 3 箇所に不斉中心がある。従って、光学異性体は 23=8種類存在
するはずである。それらの構造と立体配置は以下のとおりで、破線で隔てられているもの同士がエナ
ンチオマー(鏡像体)の組み合わせを示している。 (4組8種類の光学異性体であるにもかかわらず、重複に気づかずに8組 16 種類の異性体を書いた誤
答が多かった。もちろん、各異性体を2回ずつ書いてしまっているので、不正解) 問8 一般式 CnH2n に当てはまるので、求める化合物は二重結合を 1 つ持つアルケンか、あるいは環構造を
1 つ持つシクロアルカンのはず。設問で、
「環構造を持たない」と明記されているのでシクロアルカン
は該当せず、ここではアルケンのみを考える。点線の四角で囲んだものは cis trans 異性体。
1-ペンテン
2-メチル-1-ブテン
trans-2-ペンテン
3-メチル-1-ブテン
cis-2-ペンテン
2-メチル-2-ブテン