「教科横断的な取り組み」の授業内容を紹介します。

名古屋市立工業高等学校
「教科横断的な取り組み」の授業内容を紹介します。
各教科・学科の共通テーマは「3.11に学ぶ~防災や被災後の人とのつながり」です。
すう
電気科1年生の数学Ⅰ「データの分析」の単元で東日本大震災のデータ(岩手県・
宮城県・福島県の3県における市町村別の人口、死亡者数、死亡率のデータ)を用い
て、箱ひげ図を作成し、データの特徴を比べることと、将来起こる可能性のある東南
海地震への防災意識を高めることを目的としました。
〈取り組み内容〉
全グループ共通の岩手県宮古市のデータを用いて箱ひげ図について復習し、その後にグル
ープ毎に違う市町村のデータ(10市町村)から箱ひげ図を作成しました。
4人1組のグループで作業を行うことにより、わからない部分などを相談しながら作業を進
めている様子を見ることができました。また、現実のデータを用いることにより問題に取り
組む意識が高かったです。
次にグループ毎に作成した箱ひげ図(死亡者数(赤)、死亡率(青))を黒板に用意した
白地図に貼り、市町村ごとのデータを比べました。
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前に並んだ箱ひげ図を比べて、データの
特徴をグループ毎に話し合い、最後に発表
してもらいました。
数学では主に箱ひげ図について授業
を進めました。この授業の続きとして、
現代社会では地形の特徴も含めた考察
を行い、情報技術では東日本大震災のデ
ータをビッグデータとして扱い、必要な
情報を得る授業を行う予定です。
〈生徒の感想〉
・箱ひげ図の内容はよく分かったけど、死亡率とかの話も出てきて気分もあまりよくなかっ
た。地震はこわいなと思った。
・授業では箱ひげ図の書き方だけをやったので、実際どのように使うのかが分からなかった
ので、今日の授業をやってよかったです。グループでやったので友達と協力してでき、か
つ理解を深めることができたのでそれもよかったのです。
・こんな授業をやったのは初めてだったのでおもしろかったです。また、数学の中でやった
箱ひげ図を使った授業だったので被害にあった人数とかやっていてすごくわかりやすかっ
たです。
・この授業をやって一番に感じたのは本当に他人事ではないなと思ったし、本当に地震が起
って津波が来た時のためにしっかりと準備をしておきたいです。
・みんなで同じ資料をみても一人ひとり違う見方ができておもしろかった。ニュースなども
このように違う見方ができるのではと思いました。
・みんなと箱ひげ図をかくときに、役割りをしっかり決めたのでスムーズに箱ひげ図がかけ
た。定規を使って長い線を引くときは2つの定規を使って協力してできたのでよかった。
・すごくわかりやすい授業だった。実際のデータを見て比べることで見えてくることも多い
のだと思った。またデータ的な面だけでなく、地形や人口など色々なことを考慮していた
のですごく考えやすくていいと思った。
・高校の授業の数学はあまり日常で使うものが少なくて、分かりにくいものが多かったけれ
ど、このように実際のデータで体験をしてみるとすごくわかった。
・箱ひげ図が身近に使われていることが分かりました。集合している値と最大値と最小値が
分かりやすく表示されているので多くのデータをまとめるときにすごく便利だと思いまし
た。この授業で箱ひげ図の特徴、使い方、見方が分かり、社会人になっても使う場合があ
るかもしれないので理解を深めたいと思いました。
・問題を計算する際の時間制限を納期として、授業の中だけではなく仕事のようにすること
で数学の知識と社会への心がまえを学べるようになったと思いました。
・グループワークでは少人数なので自分の意見が通しやすく、意見のまとまりも早いので自
分の間違いもすぐに指摘されて修正もできるので良かったです。
・今日の授業はデータ勉強と3.11のことが同時に学べて良かったと思う。今日やったよ
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うに箱ひげ図で表すとすごくわかりやすかった。死亡率が低くても死亡者数がすごく多い
所があるんだなと思った。データの分析で色々なことがわかるんだなと思った。
・箱ひげ図の具体的な使い方がわかったし、東日本大震災の岩手県、宮城県、福島県の被害
状況がよくわかってよかったと思います。今回、僕の班は浪江町を調べました。浪江町は
他の町に比べてそれほど死亡者数も多くなく、死亡率も高くなかったので浪江町は津波な
どがあまり来ていなかったのかなと思いました。僕たちの住んでいる地域や名市工も海か
ら近いので、この授業を機にもう一度地震が起きた時の対処を再確認してみようと思いま
した。
・僕は今まで正直「数学なんて将来使わないから勉強しても無駄でしょ」と思っていた。で
も今日の授業で数学も日常生活に役立つんだと今日初めて知った。だから、これからは数
学で勉強していることも将来役立つことを信じて勉強を頑張っていきたい。
・今回は箱ひげ図の数があまり多くなかったけど、本当に比べる時は数がもっと多いと聞い
たので、この数で大変なのにもっと多いのは想像もつかない。
・複数の箱ひげ図を比べるとばらつきのあるデータがわかりやすくなって、色々なことに使
えそうだと思った。自分はグラフの読み取りが苦手だけど、グループワークだったからわ
かりやすくてやりやすかった。