平成 27 年度の研究 Topics 1.学校統一の研究テーマ「豊かに生きる力

たかつの研究 平成 27 年度版
☆平成 27 年度の研究 Topics ☆
1.学校統一の研究テーマ「豊かに生きる力を育む~ひととつながる授業づくり」
子どもたちが、豊かに生きるために、よりよく人と関わる力を身につけられる授業について、
3年計画で追究しています。今年度は3年目になります。これまでの積み重ねを受けて、各研
究グループで研究を進め、3年間の成果をまとめます。なお、各グループそれぞれ研究協力
者を招聘し、年間を通じて研究に関わる中でアドバイスをいただきながら授業改善を進めて
いきます。
◇各研究グループの研究テーマと概要
小
学
部
27年度テーマ
概要
「集団生活の中で自分らしく過ごす
児童に培わせたい力として H25 年度作成チャート表、教師の手だ
ことのできる児童を育てる」
てとして H26 年度作成授業づくりのための手引きを踏まえ、授業
づくりを行う。生活の授業を中心に育てたい力を育てながら、そこ
での研究成果(児童に培われた力、教師の手だて)が学校生活全般
にどのように広げられるかを研究する。
中
学
部
「仲間と一緒に楽しもう」
「好きなことやってみよう!見つけよう!」(H25 年度)、
「仲間
と一緒に好きな活動をやってみよう!」
(H26 年度)を踏まえ、
「仲
間と好きな活動を楽しもう!」を目標に、授業内容の工夫、他学部
との連携、地域資源の活用という観点から「みんなでトライ」(生
活単元;余暇学習)の授業づくりを行う。
高
等
部
「社会で生きる人間関係づくり(3)」 昨年度までの成果や反省を受け、「働く喜び」をキーワードに、①
~働く喜びで人とつながる作業学習
挨拶等、全ての作業班に関わる部分の指導内容・方法の統一、②「受
注・販売」という場面設定を生かした、「人とつながる作業学習」
の指導の工夫、③地域との関わりを目的に新設した環境整備班の指
導内容・方法の実践検討の3つを行う。
生
田
東
「社会性アセスメントの作成とアセ
他者と関わる力を育てる授業づくりをテーマに、昨年度、分教室の
スメントに基づいた授業づくり」
生徒の実態に合った社会性アセスメントを作成した。今年度はその
社会性アセスメントの結果を踏まえ、生徒の実態に即した授業の計
画・実践・検討を行う。
川
崎
北
「自立に向けての社会性の育成~身
昨年度、それまでの研究で整理した4つの力(①人と関わる力、②
近なコミュニティにつながる学校生
将来を考える力、③生活する力、④取り組む力)の視点で個別教育
活~」
計画(個人内評価)を作成した。今年度は、その個別教育計画(個
人内評価)を実際に使用し、検証と改善を行う。また、社会に出た
時に必要とされる力の基準をより明確にするために、個別教育計画
様式3の評価基準(社会基準評価)を整理し、到達度や課題を明ら
かにして、指導の手立ての工夫と授業改善を行う。
◇研究協力者一覧
研究グループ
研究協力者氏名
来校日
小学部
野中裕美
6/26、10/29、2/10(公開研)
氏
総合教育センター指導主事
中学部
高等部
生田東
豊岡裕子
氏
10/22、12/10(近隣校外)
総合教育センター指導主事
2/10(公開研)
津中幸廣
6/5、6/26、9/11、10/23
氏
県央地域就労援助センターぽむ
12/11、2/10(公開研)
関野大輔
6/26、12/22、1/22(公開研)
氏
総合教育センター指導主事
川崎北
関野大輔
氏
7/3、12/10、1/13(公開研)
総合教育センター指導主事
2.今年度も全学部・全分教室の公開授業研究会を行います
教育・福祉関係者および本校の保護者も対象に加え、授業公開を行います。ぜひご覧いた
だき、たくさんのご意見をお寄せください。
<公開授業研究会の日程>
・1/13(水) 川崎北分教室
・1/22(金) 生田東分教室
・2/10(水) 本校
3.たかつモデルの「いい授業」を構造化し、実践します。
昨年度にスタートした「たかつで発見!いい授業 100」で見えてきた「いい授業」の構造につ
いて明らかにし、それを実際の授業の中で表現します。たかつモデルの「いい授業」について
は公開授業研究会の全体会のテーマにする予定です。
☆ 平成 26 年度の研究の概要 ☆
○テーマ「豊かに生きる力を育む~ひととつながる授業づくり」
子どもたちが、豊かに生きるために、よりよく人と関わる力を身につけられる授業について、
3 年計画で追究していきます。平成 26 年度は 2 年目でした。
1.校内研究推進の取り組み
(1)本校の研究の基本スタンス
本校では、授業力を高め、良い授業をつくることを第一に、「まず授業ありき」で
研究を考えている。研究は、間断なく続く授業改善の一過程であり、研究テーマは授
業改善の方向性の1つを示すものである、と捉えている。
(2)校内研究の進め方
①「ひととつながる」対象について
研究を進めるうえで、小学部は「身の回りの人」を中心に、中学部は「友だち」を
中心に、高等部と分教室は「社会」を中心に、ライフステージに応じて「つながる」
対象を設定した(表1)
。
■表1 ライフステージに応じた「つながる」対象イメージ図
ライフステージ
身の回りの人 クラスの
家族 支援者(教員)
友だち
友だち クラス外の
友だち
社会
職場・地域・支援機関
小学部
中学部
高等部・分教室
②研究の進め方
研究グループの主体は各学部とし、①長期目標「目指す児童生徒像」の設定、②目
標の分析、③短期目標の設定、④短期目標達成のための課題分析、⑤指導内容・方法
の検討、⑥授業実践、⑦結果の検証、⑧改善のサイクルで研究を進めた。また、本校
の課題でもある学部間の連続性・系統性を保証するため、学部を縦断した連絡会を設
け、各学部の研究の経過や次学部への引き継ぎを行った(表2)。
長期・短期の目標は、キャリア教育の「人間関係形成能力」に関わる要素、「将来
設計能力」のうち役割の理解と行動に関わる要素、自立活動の「人間関係形成」「コ
ミュニケーション」に関わる要素を踏まえて設定した。
また、今年度も各研究グループに外部より研究協力者を招き、研究の方向性や内容
について助言を受けながら研究を進めていった。
■表2
小
※系統性
の検討・
校内研究の流れ
長期目標(3 年)
短期目標(1 年)
手立て
評価
①目ざす児童生
③そのために何
⑤どんな
⑦結果・検
徒像
ができればよい
授業をす
証
か
るか
身の回り
の人
中
引き継ぎ
↓
友だち
高
↓
分
職場
②目標の分析
④課題分析
⑥授業
⑧改善
社会
(3)今年度の各研究グループの研究概要と研究協力者
今年度の各研究グループの研究テーマおよび研究協力者は表3のとおりである。各
研究グループの研究協力者には、年間を通じて 3~5 回来校して授業を参観し、その
都度助言をいただいた。
(4)研究のまとめについて
①公開授業研究会の開催
校内研究の取り組みを公開し、外部の意見を取り入れるため、H25 年度より公開授
業研究会として全学部・分教室の公開を行っている。今年度は以下の日程で行った。
・川崎北分教室:平成 27 年1月 14 日(水)
9:00~17:00
・生田東分教室:平成 27 年1月 23 日(金)
10:00~17:00
・本校(全学部)
:平成 27 年2月 18 日(水) 9:00~17:00
研究協議会には研究協力者も招き、今年度の研究のまとめを行った。県内の小中高
等学校、特別支援学校の教員を中心に、企業や福祉施設からも参加者があり、多様な
立場の参加者から貴重な意見を得ることができた。
また、分教室での公開時には生田東高校、川崎北高校の教員が多く参加し、特別支
援学校についての理解を深めることができた。県を挙げてインクルーシブ教育が推進
されている昨今、意義深いことだと言えるだろう。
■表3 各研究グループのテーマおよび研究協力者
研究グ
H25年度
H26年度
H26年度
ループ
テーマと対象授業
テーマと対象授業
研究協力者
「集団生活の中で自分らし
「集団生活の中で自分らしく過ごすこ
野中裕美氏
く過ごすことのできる児童
とのできる児童を育てる」(生活)
(県立総合教育センター指導主事)
「仲間と一緒に楽しもう」
「仲間と一緒に楽しもう(2)」
豊岡裕子氏
(生活単元学習)
(生活単元学習)
(県立総合教育センター指導主事)
「社会で生きる人間関係
「社会で生きる人間関係づくり(2)~
津中幸廣氏
づくり」(作業学習)
外に広がる作業学習」(作業学習)
(県央地域就労援助センターぽむ
小学部
を育てる」(朝の会)
中学部
高等部
障害者就業・生活支援センター)
生田東
分教室
川崎北
分教室
「豊かな社会生活につながる
「社会性アセスメントの作成とアセスメ
羽賀晃代氏
他者と関わる力を育てる授
ントに基づいた授業づくり(試行)」(職
(県立総合教育センター指導主事)
業づくり」(職業・座学)
業・座学)
「身近なコミュニティにつ
「自立に向けての社会性の育成~身
松島ふみ子氏
ながる学校生活」(全授
近なコミュニティにつながる学校生活
(県立瀬谷養護学校総括教諭)
業)
~」(全授業)
②「実践研究 たかつ」の作成
各研究グループの研究の経過及び成果を「実践研究 たかつ」として冊子にまとめ
た。今年度より校内で製本作業を行うことにし、その製本作業は高等部 1 年の校内実
習にて行った。
2.研究研修支援の取り組み
(1)職員間授業参観「たかつで発見!いい授業 100」
昨年度まで行っていた学部間授業研究週間の模様替えを行い、新たに「たかつで発
見!いい授業 100」として、分教室を含めて気軽に互いの授業を見合う場を設定した。
活動内容や成果は別に示すが、他学部の活動に対しての理解を深める場となるとともに、
他学部教員の意見を広く得て、学部の授業や活動の質を高める場となった。
(2)経験者研究授業
授業研究の推進を目的として、年次研修における研究授業の動画を校内サーバー上で
職員に公開し、アンケートに意見を寄せる形式で協議・共有を図った。
○授業数 14(小学部 4、中学部 3、高等部 5、生田東分教室 1、川崎北分教室 1)
○実施時期 26 年 5 月~26 年 12 月
・
(3)公開研修会
①日時
7 月 23 日(水)
10:00~12:00
②場所
本校食堂
③講師
明石洋子 氏 (川崎市自閉症協会会長)
④テーマ 「輝いて生きる~親子のきずなと地域のきずな」
⑤内容
知的障害を伴う自閉症でありながらも、一般枠で公務員に採用され、現在も社会の中
で元気に活躍している男性の母である明石氏より、障害のある人が社会で自立するため
には、
「日中活動(仕事)の場」
「暮らしの場」
「24 時間 365 日必要な時のサポート体制」
この三点セットが、地域の中にあり、気軽に使えることが大事であるという話を伺った。
本校研究テーマである、人とのつながりで大切なことは、本人が人を好きになるよう
に、地域の人々と接する機会をできる限り作ること、ただ機会だけを作るのではなく、
障害のこと、本人のことを地域に理解してもらい、障害のある人でも生活しやすい地域
社会環境を作る(社会の構造化)活動も併せて行うことが大切だという話を伺った。
子どもたちが社会で自立するために必要な社会環境の整備や、人とつながる力の育成
に向けて、我々が何をするべきか、考えることができた。
(4)自作教材作成支援
優れた教材や指導法を校内で共有する手立ての1つとして、自作教材製作の希望を募
り、その予算的な支援を行った。作った教材やその他の優れた自作教材は、高津展にて
展示を行った。
3.「たかつで発見!いい授業 100」実施報告
(1)授業参観について
50 名以上の職員が期間内に参観した。小学部の職員が、自分の学年の児童の指導に
際して、高等部で求められることを具体的にイメージして指導に当たれるようになった、
という感想もあり、他学部間の理解が進み、学部間の連続性を意識した指導が、草の根
のレベルで行われるようになってきた。
また、分教室参観で初めて分教室に行くという職員も多く、分教室の雰囲気や実態を
知ることができた、という観点からも有意義な取り組みであった。
(2)「いい授業」記述分析について(図参照)
「授業の良いところ」の記述をKJ法で分類・分析を行った結果、下に示す6項目に
大きく分類できた。項目間の相関関係等は図で示すとおりである。今回の分析で明らか
になった「いい授業」像は、教師のやる気をベースに、児童生徒との関わりと授業の工
夫を適切に行い、すべての子どもが「できる」
「わかる」
「たのしい」を味わえる授業と
言える。