環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意について

2015 年(平成 27 年)10 月 5 日
環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意について
一般社団法人 関西経済同友会
代 表 幹 事
䕃 山 秀 一
○ 本日、日米など12カ国は、環太平洋経済連携協定(TPP)を大筋で合意した。
○ 今回のTPPの大筋合意は、当会の従来の主張に沿うものであり、アジア太平洋
地域の経済活性化につながるものとして評価したい。同時に、関税の撤廃・削
減にとどまらず、知的財産権を含む幅広い貿易・投資のルールを定めるもので
あり、新たな国際標準となる可能性も秘めている。各国政府は、一日でも早く
発効できるよう、条約の批准等を急ぐべきである。
○ TPPでは、加盟国の部品を一定以上組み込んだ製品のみが関税の削減・撤廃対象
となる。とりわけ、関西に集積するものづくり中小企業にとっては、米国等TPP
加盟国への輸出において、非加盟国企業よりも優位となることで、競争力が強
化される。これを活かして、部品等の輸出増につなげてもらいたい。
○ 農業分野では競争が激しくなることが考えられるため、直接支払による農業支
援といった農家のためのセーフティネットの構築が求められるが、中長期的に
は、輸出推進といった「攻めの農業」政策により、国際競争力のある自立した
農業を目指していく必要がある。
○ TPPの締結によって自由貿易体制が完成するというわけではない。政府には、
今回のTPPを契機として、日EU・EPA、日中韓FTA、RCEP(東アジア地域包括的経
済連携)、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)などの締結を急ぎ、自由貿易圏
のさらなる拡大への取組みを望む。
以 上