7 黄河の街・蘭州と中華民族の聖地・天水

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2015中国シルクロード観光年
黄河の街・蘭州と中華民族の聖地・天水
豊富な観光資源を蓄えた都市を巡る
中国北西部、東西に紆余曲折しながら 1600km、広さ 45 万 k㎡にも及ぶ甘粛省。
シルクロードを西へ向かう旅人が黄河を渡った蘭州、中華民族の聖地・天水は、
日本人にも適した観光素材が豊富にそろっている。
中国北西部の内モンゴル高原、青海・
上もたった1907年、清朝によって黄河
チベット高原、黄土高原、そして長江
に初めて鉄橋が架設される。 「蘭州黄
と黄河という2本の大河の流域が接近
河鉄橋」と名付けられた橋は、その後
する地帯に位置する甘粛省は、シルク
改名・改修され、「中山鉄橋」として今
ロードの要衝都市が点在する観光資源
も人々に利用されている。
の宝庫だ。
蘭州の街と黄河の雄大な流れを一望
黄河が通り抜ける街、蘭州
「中山鉄橋」と「白塔山」
するなら、北岸にある白塔山公園へ。
頂上には元代の白塔がそびえ、蘭州碑
呼ばれた蘭州水車は、古代の人々の水
甘粛省の省都である蘭州は、シルク
林と呼ばれる400mに及ぶ石碑の回廊、
との関わりと高度な技術を感じさせて
ロードの河西回廊の入り口であるとと
東屋、草聖閣、隴右書芸院など、歴史・
くれる。
もに、チベット方面へ向かう青海の道
文化的価値の高い建造物の数々がある。
市内西部にある甘粛省博物館は、省
との分岐点でもある。前漢時代に西域
草書の聖人と言われる張芝ゆかりの草
内の文化財や化石を収蔵・展示する総
に対する守りの地として金城と呼ばれ
聖閣に上れば、ビル群の間を帯のよう
合博物館で、甘粛省最大規模を誇る。
た黄河沿いの街は現在、真新しいビル
に雄大に流れる黄河の絶景を眺めるこ
彩陶、竹簡の文書、織物、金銀の仏舎
が立ち並ぶ大都市へと変貌を遂げてい
とができる。
利棺、仏教芸術品など約10万点の収蔵
る。街は東西に広がっているが、蘭州
駅と黄河の間のエリアに大手ホテルやレ
水運で繁栄した歴史をたどる
物の中でも、ステゴドンや古生物の化
石類は必見。また、中国国家観光局の
ストラン、ショッピングスポットが集中
黄河南岸にある蘭州水車博覧園は、
ロゴマークに使用されている銅の馬も、
していて、街なかの散策も楽しい。
蘭州の水車文化をテーマとする公園。1
ここで見ることができる。
その昔、長安(今の西安)から西域
万4588㎡という広大な園内では、古代
「甘露、掬月、摸子、惠、蒙」の5つ
を目指すには、ここで黄河を舟で渡ら
の灌漑の様子を再現した蘭州水車や、
の泉があることからその名が付いたとい
なければならなかった。明の時代になる
水力で回す碾き臼部屋などを見ること
う五泉山公園も、観光客に人気のスポ
と浮き橋が架けられ、それから500年以
ができる。明代に「天車」
「灌車」とも
ットだ。皋蘭山北麓に位置する標高
ビル群と黄河の流れが美しい蘭州の夜景
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TRAVEL JOURNAL 2015.2.23
大きな水車が並ぶ「蘭州水車博覧園」
山間に古代建築物群が立つ「五泉山公園」
地元でも人気の「蘭州清湯牛肉麺」
中国の伝統的建築様式の「伏羲廟」
四季折々にその表情を変える「麦積山」
「隴上名観」と称えられる「玉泉観」
1600m以上、敷地面積26万7000㎡の
真料理(イスラム教徒のための料理)な
われている。
山間に、明・清代を中心とした古代建
どを出すレストランも多い。
歴史的・芸術的価値のある泥塑像の
築物群10数カ所が広がっている。
郊外に足を延ばせば、2014年に世界
中華民族の故郷、天水
大仏が見られるスポットとしては、大
象山景勝地も外せないだろう。大象山
文化遺産「シルクロード」の中の1つと
天水は、甘粛省南東部、西安と蘭州
の中にある断崖の大洞窟には、原型が
して登録された、川岸の切り立った崖
を結ぶシルクロードのちょうど中間あた
石からなる泥塑像の大仏が祀られてい
に掘られた180を超える石窟に、仏像
りに位置している。
もとは秦州と呼ばれ、
る。大仏は高さ23.3m、腰の部分の広
や壁画が当時のまま残されている炳霊
この一帯で中華民族の始祖の伏羲と女
さ10.4mという巨大なもので、なごや
寺石窟、明・清代の民家「四合院」が
媧が生まれたという伝説があるため、
かでおごそかな顔に心癒やされる。大
50数カ所あり、当時の生活を体感でき
る青城古鎮など、見どころは尽きない。
「羲皇故里」と言われている。市街には
伏羲を祀った中国最大規模の建築物群、
きな洞窟の両側には、山に沿って回廊
が延び、亭や楼、閣などの建物が山に
伏羲廟があり、中華民族の聖地として
張り付くように建てられている。
国内外から多くの人々が参拝に訪れ、
ほかにも、「天水第一の名刹」と称さ
小麦の栽培が盛んなこの地方で、蘭
毎年旧暦の正月には大祭が開催される。
れ展望亭から天水市街が一望できる南
州は麺料理発祥の地とも言われている。
また、郊外にある卦台山には、伏羲が
郭寺、90余の道教寺院の建築物が集ま
ここでは地元の人たちにも人気の蘭州
天地自然をかたどって作ったという八
る玉泉観、新石器時代の家屋や灰坑、
清湯牛肉麺(蘭州ラーメン)を、ぜひ
卦を描いたと伝えられる画卦台がある。
文物などが見られる大地湾文化遺跡な
食べてみたい。この麺には、一清=牛
長い歴史を持ち、ダイナミックな自
どの見どころがある。
肉のスープがあっさりしていて香りがよ
然に囲まれた天水には、魅力的な観光
天水は、中国北部地区の果物・野菜
い、二白=大根の煮物の白さ、三赤=
素材が数多く眠っている。
の生産地として有名で、蘭州と同じく
真っ赤なラー油、四緑=香菜やニンニ
麦積山風景名勝区は、竹や松の木が
果物が豊富だ。特産はリンゴや桃、梨、
蘭州ラーメンと新鮮フルーツ
クの茎の青さ、五黄=うどんが柔らか
生い茂る山々に渓流が流れ、古来「秦
柿、クルミなど。料理は小麦粉を使っ
くて黄金色という特徴があり、麺も極
地林泉の冠」と称えられてきたという。
たものが多く、味は濃いめ。小麦粉の
細から極太、平麺などから好みに合わ
区内は麦積山石窟、仙人崖、石門、曲
デンプンを活かし平麺のような形状にし
せて選ぶことができる。市内には、農
渓、街亭温泉景勝区からなり、なかで
たものに、ラー油や醤油、ニンニク、酢、
民巷、和政路、建蘭路など、いくつも
も2014年に世界遺産にも登録された、
ゴマなどの調味料をあえて食べる
「面皮」
の軽食街がある。
中国4大石窟に数えられる麦積山石窟
などの軽食がある。
また、昔から有名な果物の町で、蘭
は観光的価値が高い。384年に掘削を
土産物では、天水絨毯、堆朱工芸品、
州水蜜桃、黄河蜜瓜、冬果梨、軟梨な
開始、1500年以上も掘削され続け、洞
わら細工、香袋、漢唐陶芸、古代青銅
どは、国内外からも評価が高い。
窟が194、
泥塑像と石刻彫像が7200余体、
器のレプリカなどがおすすめ。天水市街
ほかにも、
壁画が約1300㎡あり、特に泥塑像の素
の中華東路、中華西路商業歩行街には
晴らしさから「東方彫塑芸術館」とも言
ショップが立ち並び、散策にも最適だ。
小猪(子豚の炙り焼き)
や、回族が多く住んでいることから清
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