ホットひと息コラム11 クルマの安全技術

ほっ
と、ひと息いかがですか?
Shall we take a break?
~ 3分で読める休憩コラム ~
ここまで考えられています!
意外と知られていないクルマの安全技術
自動車の安全技術で有名なのが、今や軽自動車にも普及が拡大している「自動ブレーキシステム」ですね。
しかしクルマには、ほかにも、あらゆる危険に備えた開発が次々となされているんです。その一部をご紹介いたします。
例えば、ドライバーの身を守るシートベルト。現在、ほぼすべての車に装着されている「プリテンショナー付きシートベルト」で
すが、その役割はあまり知られていないかと思います。
これは、自動車の衝突時に、瞬時にシートベルトの帯を巻き取り、シートに体を密着させる装置のことで、衝突によって乗員
の外への飛び出しを防止する効果があります。また、勢いよく開くエアバッグの衝撃も緩和します。
しかし、シートベルトは、約3トンの荷重にも耐えられる強力なベルト。強い力で体を引き込む際、鎖骨や肋骨を痛めてしま
う可能性もあります。そこで存在するのが、「フォースリミッター(別称:ロードリミッター)」という機構です。
これは、衝突時、シートベルトの拘束力を一定レベルに保ちながらも、少しだけ緩める装置のこと。この少しの緩みが胸部
の衝撃を和らげてくれ、乗員を守ってくれるのです。
強さと優しさの両面で守ってくれるシートベルト。乗る側の気の緩みで、装着し忘れのないようにしたいですね。
また、エアバッグは、今や運転席と助手席は標準装備になりつつあります。エアバッグの種類はほかに、「サイドエアバッ
グ」「カーテンエアバッグ」「ニーエアバッグ」などがあり、全方向からの衝撃に耐えられるよう商品開発が進められています。
現行車の中には、9つものエアバッグを装着する車種もあるんですよ。
歩行者側から見て安全なのは、ボディの作り方。ぶつかったとき、歩行者の足に衝撃を与えるバンパー部分や、はね上げ
た歩行者の頭がぶつかる可能性が高いボンネットを柔らかくする「歩行者傷害軽減ボディ」は、最近になって研究開発が
進められています。
また、ボルボが独自で開発したのは、「アルコガード」というアルコール検知システム。
エンジンを作動するには、ワイヤレスのハンドセットに息を吹き込む必要があり、吹き込んだ息は分析され、クルマの電子制
御システムに送信されます。血中アルコール濃度が「緑」「黄色」「赤」の3段階の光でフィードバックされるシステムで、ア
ルコール濃度が1ℓあたり0.2g以上だと「赤」信号となり、エンジンがかからない仕組みなんです。
「飲んだら乗らない」はユーザーのモラルですが、「飲んだら乗せない」技術の開発も進んでるんですね。
メーカーごとに進歩の違いはあれど、自動車開発に取り組むすべての会社が、利用者やその周囲の安全に目を向けてく
れています。ドライバーの私たちも自分たちにできる安全対策を行い、ひとつでも事故が減らせるといいですね。