まど やってみせる 家庭科だより NO.413 H27.7 ―百聞は一見にしかず― 調理実習は子どもたちに人気の授業です。大学生に「これまでに受けてきた家庭科の 授業で印象に残っている授業は何ですか?」と聞くと、大半の学生が調理実習を挙げま す。しかし、調理実習で家庭科の先生が調理をしている場面を見た経験がある学生は、 ほとんどいません。調理実習の授業、先生方はどんなふうに進められていますか。 ある家庭科の研究会でのこと―。 A先生「今度、調理実習があるんだけど、歩き回ってクタクタになっちゃうのよね。」 B先生「えっ、歩き回るって、先生が調理室を歩き回るの?」 C先生「そうよ、作業ができているか心配だし、“先生、来て!”って呼ばれない?」 B先生「私は歩き回らない。全部の調理台の安全を見守る必要があるから。」 D先生「作業中に指導するのも大変だけど、示範の準備も大変よね。」 E先生「示範するの?時間が少なくなって、時間内に作業が終わらないんじゃない?」 先生方は各調理台を回って、班ごとに指導されますか。それとも、全調理台が見渡せ る場所に立って指導されますか。また、作業の仕方について、示範で見せますか。調理 ビデオで見せますか。それとも、プリントを配布して口頭で説明されますか。 教師によって指導方法はさまざまです。先の研究会で話し合った結果、どんな指導を するかは、教師自身が受けてきた授業がベースになっていたことがわかりました。 そこで、 「示範しない派」の先生が「示範する派」の先生の授業を参観されました。そ して、参観後に「作業時間を 10 分長く確保するより、作業前に 10 分示範をする方がと ても効果的だと実感しました。目からウロコで、まさに“百聞は一見にしかず”ですね。」 と述べられました。使用する調理道具や作業のポイントを目で見て確認することにより、 実習中に先生に指示を求める場面が少なく、スムーズに作業が進み、時間内に片付けま で収まっていたそうです。そして、何よりも、調理室を包み込む美味しそうな「音」や 「におい」が、子どもたちの食欲を刺激し、実習への意欲を高めていたそうです。 先月行われた教育実習で、学生が5年生の「野菜サラダをつくろう」の調理実習の授 業を担当しました。そして、「やってみせる」指導の重要性を痛感して戻ってきました。 調理経験だけでなく、家庭で調理の様子を観察する経験も少なくなっています。どのよ うな指導が効果的なのか、子どもたちの実態に対応した指導の工夫が求められます。 静岡大学教育学部准教授 小清水貴子 〈第2回研修会のお知らせ〉 ○ ○ ○ 日時 平成27年8月4日(火)9:30~16:00 場所 浜松市勤労会館(Uホール) 日程 9:10~ 受付 9:30 開会 9:40 ごみの水切りについて 浜松市環境部資源廃棄物政策課 ごみ減量推進担当課長 小野田 9:50 実践発表 赤佐小 梅林智実教諭 江南中 小楠貴子教諭 10:20 指導講評 西都台小学校 川村里枝校長 10:30 小中交流 (プチ実践をもとにした話し合い) 11:10 休憩 11:20 静教研の準備 12:00 昼食・休憩 13:00 講話1 だし講座(柳屋本店) 14:45 講話2 みそ・しょうゆ講座(加藤醤油 虎岩博之氏) 16:00 閉会 ○ 光徳氏 持ち物 プチ実践20部(A4 サイズ1枚程度にまとめたもの) ○ 昼食について 各自ご用意いただくか、昼食の注文も行います。 (にんじんパパ日替わりセットお茶 つき1000円) 昼食の注文については、後日家庭科主任の先生宛にメールをお送りしますので、御確 認ください。 ○ 駐車場について U ホールの駐車場は会場から少し離れたところにあります。また、駐車台数に限り がありますので、なるべく乗り合わせや公共交通機関のご利用をお願いいたします。 バス停は会場の前にあります。 ※ バスご利用の方は、バスターミナル16番より和合・西山線、下池川町経由に乗車、 U ホール前で下車してください。 ≪静岡県教育研究会技術・家庭科教育研究部夏季研究大会について≫ 小学校では、浜松から50名近い参加申し込みがありました。お忙しい中ありがとう ございます。今大会では、小学校は、 「家庭生活と家族」の内容の実践発表を東部・中部・ 西部地区の代表から聞きます。その後、地区ごとの分科会にわかれて研究協議をします。 他地区の実践の様子を知るよい機会です。2学期からの家庭科授業に生かすことができ るヒントをたくさん見つけていただければと思います。
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