第 2 章 第 2 章

第
2章
情報の種類と探索の方法 ① 情報の種類について
② 求める情報によって探索の方法が異なる
③ 引用文献・参考文献の読み方
第2章
情報の種類と探索の方法
第2章
情報の種類と探索の方法
図書館には、一般的な図書だけではなく、いろいろな種類の資料があり、そ
の内容も様々です。資料を使いこなすためには、情報の種類について知ってお
くことが大事です。
①
情報の種類について
●図書と雑誌
この区分は、内容というよりも発行頻度による分け方です。
一回限りで発行されるものが図書で、単行本ともいいます。
入門書から専門書まであり、ベストセラー本、実用書のようなものです。
例:銀河鉄道の夜、ノルウェイの森、岩手大学五十年史
ア.物理的な種類
図書館においてある資料は、普通の図書のほかにいろいろな形態があり、概
ね次のような種類に分けることができます。
印刷物
イ.内容的な種類
資料に書かれた内容によっても区分することができます。
一般的な本の形のもので、最も手軽に利用できる。
マイクロフイル
情報源を縮小撮影したもので、かなりのデータが収められ、保存
ム・フイッシュ
性にすぐれる。リーダープリンターで可読、 印刷ができる。
ビデオテープ
磁気テープに映像などを記録したもの。
CD・DVD
情報がデジタルデータとして記録され、パソコンの画面上で読む
これに反して、終期を定めないで継続的に発行されるものが雑誌で、逐次刊
行物ともいいます。週刊誌、月刊誌などがこれにあたり、最新の情報が掲載さ
れています。
例:週刊朝日、Newton、日経サイエンス
この雑誌は、掲載内容により、総合雑誌、専門雑誌、学術雑誌に区分するこ
とができます。
総合雑誌:文藝春秋、中央公論…
専門雑誌:アサヒカメラ、芸術新潮、山と渓谷…
学術雑誌:金融研究、日本生理学雑誌…(出版社、学協会などから発行され、研究発表の
ことができる。
デ-タベ-ス
特定のテーマに沿ったデータを集めたもので、ネットワークなど
を通じてパソコン上で閲覧、検索などができるようにしたもの。
主に文献目録などの二次資料である。
電子出版物
場として学術論文が収載されています。)
●一次資料と二次資料
書かれている内容によって、原著、論文など、オリジナルなものが一次資料
です。さきに挙げた図書、雑誌はこの中に含まれます。
このほかに会議録、テクニカルレポートなどがあります。
図書、論文などの一次資料をパソコンや携帯電話などのネットワ
ークを通じて見ることができるようにしたもの。無料と有料があ
会議録:学会、研究会開催後に、内容を印刷体として発行したものです。
(→ p.7-5)
る。
テクニカルレポート:大学、研究所のグループなどが研究成果を発表した報告書です。
(→ p.7-8)
図書・雑誌などの一次資料を探しだすため手助けとなる資料が二次資料で
す。
一次資料の内容概略、所在などを示した書誌、目録、索引誌、抄録誌などが
あります。
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第2章
情報の種類と探索の方法
書
特定の著者に関係する資料を載せたもの、ある主題に関係する資料のリス
誌
書 名 の 読 み:
ヘボン式ローマ字の綴りです。
請 求 記 号:
図書は、この番号順に並んでいます。
所
所在の表記場所に図書があります。
例)地球(chikyu)資源(shigen)月(tsuki)
トなどがある。
目
録
資料の内容がわかり、またどこにあるか、所在を示したリスト。現在はコ
ンピュータで探す方式が主流。
在:
研究室図書を利用したい場合は、カウンターに尋ねてください。
索引誌
おもに学術雑誌の論文を、著者名、件名などから探すことができる。
抄録誌
著作の内容を短く要約した文を掲載した資料で、著者名、タイトル名など
著
者
名:
著者・編者の表記です。団体名が表記される場合もあります。
から探すことができる。
②
求める情報によって探索の方法が異なる
論文、レポートを作成するためには、情報を収集することが必要ですが、探
し求める情報の種類によって、探索する方法が違ってきます。
ア.事柄、言葉の意味
参考図書といわれる資料を使用します。小説のように全体を通読する必要は
なく、その図書の一部分を参照すれば用が足りる図書です。
事柄を調べるのは事典、言葉は辞典が代表的なものです。
事柄を大雑把に知りたいときは、百科事典が便利で、詳しい情報は、専門事
典を使います。(→ p.3-1)
イ.あるテーマに関する図書
テーマに関して、どういった資料があるかどうか、調べる場合があります。
この場合、パソコンを使用して、コンピュータに蓄積された図書館の蔵書 デ
ータベースを調べる、OPAC(蔵書検索)を使用します。
Online Public Access Catalog
の略称で、岩手大学の蔵書をインターネット上で検索
できます。
OPAC はいろいろな使い方がありますが、ここでは、テーマに関係するワード
を入力して検索します。 (→ p.4-1)
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第2章
情報の種類と探索の方法
OPAC で検索しても岩手大学にない場合は、他大学にあるかどうか調べます。
ア.図書そのもの
(→ p.4-19)
その結果、コピー、現物借受などの依頼をすることになります。
(例)
釜石都子
ウ.あるテーマに関する論文
特定のテーマについて書かれ、雑誌に掲載された論文を探す場合は、「雑誌
記事索引」などのデータベース、二次資料を使用して探索します。 (→ p.5-1)
雑誌論文の、引用文献・参考文献から芋づる式にたどっていく方法もありま
す。引用、参考にされた論文を読んで、またその引用・参考文献を読むという
方法です。
読みたい雑誌論文が決定したら、その論文が掲載されている雑誌のタイトル
から検索して、所蔵を調べることになります。
一部の雑誌論文は、学内電子ジャーナルで論文全文を見ることができます。
p.5-1 )
また、インターネットで公開されている論文もあります。(→ p.5-1)
(→
『花巻の母たち』
①
盛岡、第三青山出版、2004
②
③
④
⑤
①
②
最初に、著者・編者などの表記です。
書名。図書・雑誌名は『 』で、雑誌論文は「 」でくくります。副題、
サブタイトルがある場合は、『花巻の母たち-その生涯』となります。
③ 発行地。省略される場合もあります。
④ 発行者、出版社。
⑤ 発行年。
イ .図書の一部
(例)
エ.特定の資料の所在
はじめから図書名、雑誌名、図書の著者名がわかっている場合は、OPAC で調
べます。(→ p.4-15)
岩手大学にない場合は、他大学、機関の所蔵を調べます。(→ p.5-1)
他 機 関 と し て は 公 共 図 書 館 や 国 会 図 書 館 等 が あ り ま す 。本 学 図 書 館 ホ ー
ムページのリンク集を参考にしてください。
③ 引用文献・参考文献の読み方
図書、雑誌論文などの情報を集めていくと、図書では各章末や本文最後に、
雑誌では論文の最後に文献の一覧リストがついているのがわかると思います。
これが、引用文献・参考文献です。
論文・レポートを作成するときに、参考にした文献が、参考文献。他人の考
えの一部分を、そのまま記述したのが、引用文献です。自分の論文作成に使用
したこれらの文献は、掲載するのが礼儀といえます。
盛岡太郎『岩手山の大噴火』 岩手大学出版、2002、p.101
①
①
②
③
④
⑤
②
③
2-5
⑤
著者・編者。
書名。
発行所、出版社。
発行年。
引用、参考にしたページです。複数ページは「pp.」、漢字の「頁」とする
場合もあります。
ウ.雑誌論文
(例)
東北岩太
「岩手県の気候」
①
②
『北東北気候学会誌』
③
10 巻 2 号、
引用・参考文献を掲載、記述するときの例を示すので、文献を収集するとき
の参考にしてください。
引用、参考にした資料の種類によって、次のように分けられます。
④
④
①
論文の執筆者名。
②
論文のタイトル。
2001 年 2 月、
⑤
2-6
p.57 – 65
⑥
第2章
情報の種類と探索の方法
③
掲載している雑誌のタイトル。
④
⑤
⑥
巻数、号数。
雑誌の発行年月。
論文が掲載されたページ。
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