2015年10月 - エヌ・ケイ・クリニック

平成 27 年
10 月
健康だより
喫煙・多量飲酒・不適切な食事・身体不活動・肥満は、国内外の研究により、がんの発症要因と
して明らかであるとの結論が出ています。また、特に男性に於いては、非喫煙・節酒・適切な食習
慣・身体活動・適正 BMI の何れかの健康習慣を持ち合わせていない場合、60 歳以降、がんの発
症リスクが急激に高くなる傾向が見られます。現在の生活習慣を鑑み、発症予防の戦略を立ててみ
ましょう!
節酒
•0.67g/日未満
•純アルコー
ル量150g/
週未満
非喫煙
活発な
•男性21-27
•女性19-25
身体活動
塩蔵品を
適正
控える
BMI
2-1.性差による戦略:5つの健康習慣の中で単独での効果が最も高い習慣は?!
該当する健康習慣の中で、上位のものから優先的に改善に取組むべし!
男性
女性
1.非喫煙(喫煙歴が無い)
1.非喫煙(喫煙歴が無い)
2.節酒
2.活発な身体活動
3.塩蔵物を控える
3.適正 BMI
4.活発な身体活動
4.節酒
5.適正 BMI
5.塩蔵品を控える
※上位の生活習慣を改善することが困難な場合は、次位の項目から着手しましょう!
※上記以外にも、肝炎ウィルス、ヘリコバクターピロリ菌の感染マーカー等、がん発症要因は他にもありますが、
今回の予防戦略では考慮していません。感染マーカーに関しては、適宜検診を受診しご対応下さい。
参考【性差・部位別がん死亡数順位】
1位
2位
3位
4位
5位
男性
肺
胃
大腸
肝臓
膵臓
女性
大腸
肺
胃
膵臓
乳房
男女計
肺
胃
大腸
膵臓
肝臓
表 1. がん情報サービス
日本の最新がん統計まとめ
「2013 年がん部位別死亡数」より転載
医療法人社団
俊秀会
エヌ・ケイ・クリニック
平成 27 年
10 月
健康だより
2-2.習慣の組み合わせによる戦略
:
より予防効果が高い健康習慣の組み合わせは?!
単独改善だけでは物足りないとお感じの方、現在の健康習慣に危機感を覚えており、
より高い予防効果を得たいとお考えの方におススメ!
男性に於いて最もがん発症予防効果が高い健康習慣は、非喫煙と節酒です。65 歳の時点に於いて、5つの
健康習慣を1つも持ち合わせていない者と比較し、非喫煙者、節酒という2つの健康習慣を持っている者は、
がんの発症リスクが約 40%も減少します。
男 性
《喫煙歴がない場合》
健康習慣とがん発症確率
25
《喫煙歴がある場合》
節酒・活発な身体活動・塩蔵品を控える・
適正 BMI といった非喫煙以外の4つの健康習
慣を持つことで、喫煙歴がなく、かつ、節酒・
20
活発な身体活動・塩蔵品を控える・適正 BMI
15
いずれか1つの健康習慣を持っている方の発
10
症リスクレベルまで近づくことが出来ます。
なお、70 歳の時点で、5つの
5
健康習慣をひとつも持ち合わせ
0
ていない方のがん発症リスクが
%
28.7%に対して、非喫煙という
単独の健康習慣だけでも発症
リスクは 20.5%まで下がります。
女 性
《喫煙歴がない場合》
健康習慣とがん発症確率
《喫煙歴がある場合》
非喫煙単独の健康習慣だけでもがん発症リス
12
クは 16%減少します。
10
しかし、非喫煙以外の3つ以上の健康習慣を
8
持つことで、非喫煙および1つの健康習慣を
6
持ち合わせている者と同程度まで発症確率
4
を下げることが可能です。
2
0
%
【参考 URL】独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究セン
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3348.html
医療法人社団
俊秀会
エヌ・ケイ・クリニック