パリ・ユーロプラス事務局 フォルマ内 担当

2015年 12月 7日
報道関係者各位
パリ・ユーロプラス 第 19回ファイナンシャル・フォーラム報告
「日仏の投資収益と金融規制にかかる対話の促進」
本日、第19回パリ・ユーロプラス・ファイナンシャル・フォーラムが東京で開催され、投資家、
金融機関、企業および日本の金融当局関係者ら 450 人以上が参加した。
日本銀行の黒田東彦総裁は、「バーゼル3」や巨大すぎて潰せないという問題に対する総損失吸収力
(TLAC)等の規制はグローバル金融システムの強靭性を大幅に高めることとなると述べた。しかしなが
ら、包括的水準調整(カリブレーション)の最終化のために積み増すこととなる資本は総合的に適正な水
準に保たれなければならないことを指摘。長期的に見て、金融システムの安定性を保つために、金融機
関は充分に利益を出す必要があり、この観点からは、過剰な規制は取り除くことが重要であることを強
調した。
フランス銀行のアンヌ・ル・ロリエ副総裁は金融市場の更なる統合と市場の魅力を高めるための努力を
フランス国内とヨーロッパ全体の双方のレベルで行っていくことを強調した。既にフランスでは、銀行の金
融仲介が経済全体の63%を占めるのに対して、市場での直接金融は37%に止まっている。市場での
直接金融の発展は、銀行による融資に代わるものではなく、補完するものであるべきであると語った。
資本市場の専門家からは、日本の投資家がこの低金利環境の下でより高い利回りを追求するためには
地理的分散と資産の多様化の両面での投資分散が必要であるとの指摘があった。欧州は現在、経済の
回復局面にあり、安全で良好なリターンを得る機会に恵まれている。具体的には社債、金融機関のハ
イ・イールド債、レバレッジ商品、プロジェクト債券、気候関連債券などが現在最も魅力的な投資機会を
提供している。
一方、国際的な金融規制面では良好とはいえない状況であるの意見が出された。BNPパリバのルミエー
ル会長は、「規制面では多くの策が講じられ、銀行も安全になった。しかしまだやるべきことが多く残され
ており、これからの規制の実施が銀行の状況を大きく変えるであろう。また、日本と同様に長期的に持続
する低金利の影響をよく分析すべきである。」と発言した。欧州資本市場連合の次の優先課題としては、
1.証券化、2.私募債券、3.インフラのためのより使いやすい金融手段、の3点が述べられた。
パリ・ユーロプラスについて
パリ・ユーロプラスはフランスの金融業界の振興団体であり国際金融センターとしてのパリの発展に尽力して
います。金融市場で国際的に活躍する企業(株式・債券発行体)、投資家、銀行、保険会社、金融仲介業者及
び市場監督当局がこれに参加しています。当機関はヨーロッパやフランスの当局と協力し、パリ金融市場の
魅力を高めるため、その改革に貢献しています。パリ・ユーロプラスは、パリ金融市場の競争力を高めヨーロ
ッパの改革に貢献し、国際金融市場とのビジネス関係を発展させ、研究と金融イノベーションの促進を図って
おります。
パリ・ユーロプラス事務局 ㈱フォルマ内 担当:芹澤ゆう・齊藤ひとみ
Tel: 03(5570)6927 Fax: 03(5570)6296 e-mail: [email protected]