10 月 神戸大学附属小学校 2015_09_30 グローバルマインド 主幹 森田 英夫 あんなに暑かった夏もいつしか遠く過ぎ去り、衣替えの季節がやってきました。気温の変化に対して纏う衣を変え るだけでなく、この季節には気持ちや心の変化も促されます。それは、実りの季節を迎えるに当たって、収穫までの 道のりを鑑みる営みを続けてきた私たちの、祖先からの記憶かも知れません。このような収穫に感謝し、それまでの 過程を見つめることは、本校の営みにも当てはまります。それが前期のふりかえりである「かがやき」にかかわる活 動です。 この活動にかかわって、最近「みわたしカード」の記述に、よく目にする言葉があります。それは、 「グローバルキ ャリア」という言葉です。例えば、 「この単元を通して、グローバルキャリア人として…(中略)…日本の伝統文化を知 ることができてよかったです。」 、 「○○○という文化を学ぶことで、グローバルキャリア人への道を少し進むことがで きました。 」などです。この「グローバルキャリア」という言葉は、私たち教員が常々使っていますから、子どもの記 述に表れること自体には、何の不思議もないのですが、そこに心なしか物足りなさを感じています。その物足りなさ とは、子どもたちの思いが問題なのではなく、私たち教員の説明不足に起因するものではないかという懸念でもあり ます。 日本の国際関係論に携わる友松篤信氏は、その著書「グローバルキャリア教育」(ナカニシヤ出版、2013.3.20)の中 で、グローバルキャリア人材育成の要として、グローバルマインドが大切であると次の様に述べています。 「そもそも グローバル人材と国内人材との本質的違いは何か。それは異文化のもとで何事かを成し遂げようとする、ある種の性 向である。これをグローバルマインドと呼び、その定義として『多様な文化や価値観との相乗効果によって、新たな 価値を生み出そうとする発想と行動様式』を提案したい。 」つまり、能力も大切ではあるが、それよりも前に、何事か を成し遂げようとする心の有り様こそが重要なのだと語っています。前述した子どもの記述に感じた物足りなさとは、 この「新たな価値を生み出す」という、得た知識や技能をどのような方向に向けていくのかという部分に対してです。 では、この「新たな価値を生み出す」表れは、子どもたちに見られないのかというと、そうではありません。子ども たちの活動の随所にその表れは垣間見えています。例えばそれは6年生の宿泊活動での表れです。部屋割りをどのよ うに決めるかという場面で、A案:先生が決める、B案:くじ引きで決める、C案:自分たちで決める、という3つ の案が提案されました。その話し合いに際して、C案を提案した子どもから「昨年は自由だと責任が果たせなかった。 でも今年は6年生になって成長したんだから、ちゃんと責任が果たせる、だから自由に挑戦したい。 」という発言があ り、その主張に拍手が湧き起こったという姿です。加えて、その後、話し合いの中で、いずれかの意見を多数決で決 めるのではなく、それぞれの意見のよさを取り入れ、折衷案を作ろうなどの発言が見られたということです。 また、単元「仲間とともに『願い』をこめたステージをつくりあげよう」の学習では、テーマの決定に向けて、全 校生から案を募りました。運営の中心となる本部プロジェクトの子どもたちは、ここから悩むことになりました。な ぜなら、絞った5つの候補でアンケートを採ったところ、その結果は僅差であり、再度行ったアンケートも結果は僅 差だったからです。そこでの子どもたちの話し合いは、 「もう1回アンケート採り直す時間はないし・・・」 、 「だけど 2回アンケートをした結果なんだから、1票でも多いもので決定しなくちゃいけないんじゃ・・・」 、「低学年と高学 年で結果が違うからテーマを2つにする?」 、 「・・・高学年ならどんなテーマがきても大丈夫!低学年の子が考えや すいものの方が良いと思うし」と、やはり票数の結果だけではなく、みんなのために最もよい決定を生み出そうとす る姿が見られたということです。(最終的にテーマは、「協力」に決定しています。) このような子どもたちの姿は、まさに「グローバルマインド」の基本的な姿ではないでしょうか。学校での活動で すから異文化としての括りは広くありませんが、多様な価値観に基づき、何かを成し遂げようとする性向は、確実に 備わってきていると感じられます。しかしながら、そのような育ちこそが、実はグローバルキャリア人の育成にとっ ての要となる「グローバルマインド」の表れであるという意識付けが、教員側の説明として不足していたのではない かということです。大切なのは意志決定そのものではなく、どのように意志決定するプロセスを辿ったのか、辿ろう としたのかこそが、グローバルキャリア人として、最も根幹となる資質であるということを子どもたち、保護者の皆 さん、私たち教員が、意見を出し合い、話し合い、評価することを共有すべきであると感じています。 秋休みでは、 「かがやき」をもとに前期のふりかえり(6年生はその時間が少し短くなります)が、各ご家庭でも行わ れることと思います。その話題の中のひとつとして、物事の善し悪しを判断する時や様々な問題を解決しようとする 時に、どのような気持ちや心の有り様を持って臨むことが大切なのかを取り上げて、お話ししていただけるよう、ご 支援をお願いできたらと思います。 最後になりましたが、前期の様々な場面でのご支援・ご協力に職員一同感謝しております。至らぬ点も多々あった かと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。 AUS訪問団がやってきました! 一緒に楽しい時間を過ごしました! ダンスプロジェクトによるよさこい! 「さくら」を歌ってくれました! 10月の行事予定 日 曜 募集要項配布開始 4 年生宿泊活動 1 木 2 金 3 土 4 日 5 月 連絡進学説明会(6年生)14:30~ 6 火 幼少合同講演会(東体育館) 7 水 8 木 9 金 前期終業式、給食終了 10 土 アイアンサイド校のオリジナル曲は踊りたくなる! 11 日 12 月 体育の日 6年生宿泊活動 13 火 秋季休業日 14 水 15 木 曲の終わりは組み立て体操のようなパフォーマンスで決めてくれました! 16 金 17 土 「さくら」を歌ってくれました! 18 日 19 月 後期始業式、委員会⑤、給食開始 20 火 5年生実力考査、クラブ⑧ 21 水 お互いにプレゼントを交換しました! 22 木 23 金 保護者懇談会③、6年生実力考査② 24 土 25 日 26 月 27 火 5年生個人懇談会、5年14時下校 28 水 29 木 30 金 募集要項配布終了 31 土 11月の主な予定 みんなのスピーチ、とてもすごかったですね! 2 日 9~12 日 13 18 21 24 日 日 日 日 30 日 委員会⑥ 6年生進路相談日 6年生14時下校 6年生進路確定 ステージ見合い(隣接学年で) ステージ鑑賞日、弁当日、月曜時程 クラブ⑨、 育友会コーラス発表(オープンタイム) 入学選考準備、14時下校 モーニングティーの様子!みんなとっても楽しそうでしたね! AUSプロジェクトの皆さん、 学校案内やクラスでゲームを 素敵な交流になりましたね。 したりして楽しく過ごしました。 育友会、ホストファミリーをはじめ、 ホストファミリーと共に手を振って 保護者のみなさま、 帰っていってくれました。 ご協力ありがとうございました。 ホストファミリーと共に手を振って 帰っていってくれました。
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