国宝投入堂へ参拝 - 中国経済産業局

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〔鳥取県〕
国宝投入堂へ参拝
~参拝登山は修行?~
小谷
雄二(経営支援課 課長補佐)
[email protected]
TEL 082-224-5658
鳥取県三朝町の投入堂は山腹の切り立った崖の窪みに建てられています。世界遺産の指
定も目指している国宝の投入堂をご紹介します。
投入堂は国宝に指定されており、標高 900mの三徳山山麓にある三佛寺の奥の院です。
投入堂は切り立った崖を望む地点までしか行くことが出来ませんので、ここで参拝するこ
とになります。ここまで登らない(れない)人には、麓の県道沿いにある投入堂遙拝所(三
徳山参道入り口から少し離れた場所)で三徳山山腹の崖にある投入堂を遠望することが出
来ます。ここには双眼鏡が設置されていますので、遠くに小さくしか眺められない投入堂
をより近くに見られます。
県道の投入堂遥拝所から望む投入堂
旬レポ中国地域
2015 年 1 月号
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三徳山は8世紀初めに修験道の行場として開山され
たのがはじまりとされ、山岳仏教の霊場として信仰され
ています。そのため、投入堂を近くで見るためには険し
い道を登る必要があります。この参拝登山は険しいとこ
ろもあるため、入峰修行受付所で靴の確認があります。
靴が参拝登山に適さないと判断されると、登山に適した
靴に履き替えるか、ワラ草履を購入して登ることになり
ます。
実際、投入堂への標高差 200mの道のりには、岩場や
狭い道などがあります。木の根に掴まって登るカズラ坂
やくさりで登るクサリ坂等があり、急な傾斜や岩をよじ
登りますので、尖った岩肌でけがをしないための軍手等
も必需品です。投入堂までは往復1時間30分位かかり、
参拝登山道
(鳥取県観光協会 HP より)
まさに修行のような登山になります。それも入山料を払っての修行です。
筆者は昨年の秋に数十年ぶりに登りましたが、登山道ですれ違う人の中には若い女性や
子供も見かけ、ワラ草履で登っている方を何人も見かけました。ワラ草履の若い男性は足
が痛いと言っていましたが、年配の女性は痛くないとおっしゃっていました。人によって
感じる痛さは違うのでしょうが、それなりの覚悟を持っての投入堂参拝となり、やはり修
行だと実感したところです。
参拝登山は若干の体力が必要ですし、少々(と言いますか其れなりに)危険なところも
多く、岩肌等での切り傷にも注意しながらの登山ですが、三徳山は信仰の山のため人の手
が入っていないので、登山道沿いに広がる樹林の新緑や紅葉は素晴らしい眺めです。また、
高所恐怖症の方にはお薦めできませんが、登山道の途中の岩上に建立された文殊堂は舞台
造りになっていて、手すりが無い廻り縁の下は谷なので、これを一周するとスリル満点で
す。
参道終点から望む投入堂
旬レポ中国地域
2015 年 1 月号
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冬の積雪のある時期は入山できませんが、体力や足腰に自信のある方は是非一度国宝投
入堂を間近で見て下さい。どのようにして建立したのだろうと興味が尽きません。ただし、
危険な箇所が多いのでくれぐれもご注意下さい。三朝町には開湯 850 年を迎える世界屈指
のラジウム温泉である三朝温泉がありますので、投入堂参拝の後には立ち寄って汗を流す
のも一考ですし、宿坊や茶店等もあって宿泊や休息もできますので、季節の良い春や秋に
一度訪れてみては如何でしょうか。
■三徳山三佛寺 HP
http://www.mitokusan.jp/
■三朝温泉開湯 850 年記念事業 HP
http://misasa850.com/index.html
経済産業省 中国経済産業局 広報誌
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2015 年 1 月号
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