安全保障関連法案の「強行採決」に抗議する声明

安全保障関連法案の「強行採決」に抗議する声明
本日(9月19日未明)安倍内閣は、参議院本会議において国民の反対の声を無
視して「安全保障関連法案」を強行採決し、可決・成立させるという暴挙にでた。
戦後70年、日本が守り続けてきた「平和のブランド」を投げ捨て、戦争する国
への一歩を踏み出した。歴代の政権が憲法第9条に反すると禁じてきた集団的自衛
権行使を憲法解釈の変更で可能にした。そして安保関連法の成立によりアメリカの
戦争に巻き込まれる可能性は強まった。
連日、国会前には法案に反対する人々が結集し、
「戦争法案」と安倍内閣の独善的
な国会運営に怒りの声をあげた。その声は日増しに大きくなり、8月30日には労
働者、学者、弁護士、母親、若者など安保関連法案に反対する12万人が国会周辺
を埋め尽くした。そしてその流れは全国各地での行動へと大きく広がった。
しかしこれらの声に耳を傾けることなく、安倍内閣は「戦争法案」を強行採決し
た。この暴挙に対し、JR総連は満腔の怒りで抗議する。
そもそも安倍政権は先の衆議院選挙で52.66%という過去最低の投票率の中
で誕生した。そのうち自民・公明に投票したのは46.82%であり全権委任をし
たのではない。にもかかわらず、憲法学者の9割以上が「違憲」とし、世論調査で
も6割が反対している「戦争法案」の採決を強行するなどまさに民主主義を踏みに
じる行為そのものだ。民主主義とは少数の意見を尊重し、議論、審議を尽くしてこ
そ価値があるのであり、今次安倍政権の行為は数の力による暴力に他ならない。
日本国憲法は言うまでもなく、大戦による310万人の尊い命の犠牲と深い反省
のうえに立ち、生まれたものであり、世界に冠たる平和憲法なのである。
国の最高規範である憲法が、時の政権の意のままに解釈が変えられるのであるな
らば、憲法によって保障されている国民の権利と自由、そして国家権力を縛るとい
う立憲主義は根底から否定されるのである。
私たちJR総連は、この憲法違反の法律を絶対に認めることはできない。
「戦争す
る国」に反対するすべての労働者、市民と固く連帯し、平和を守り抜くために「戦
争法」の廃止にむけて今後もたたかっていく。そしてこの怒りをバネにたしろ応援
プロジェクトを貫徹させていくものである。
2015年9月19日
全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)