子どもたちや若者を戦場に送らないために 憲法を踏みにじる「戦争法案

子どもたちや若者を戦場に送らないために
憲法を踏みにじる「戦争法案」に反対するアピール
現在国会で審議されている、集団的自衛権の行使を可能にする新たな安全保
障関連法案は、日本が直接武力攻撃を受けていなくても、米軍を支援するため
に自衛隊が「いつでも」武力行使でき、世界中の「どこでも」派兵できるよう
にする「戦争法案」です。米軍が攻撃を受ければ自衛隊も応戦し、
「殺し、殺さ
れる」事態になります。資源確保のための戦闘中の機雷掃海などは自国の利益
のための明らかな戦闘行為です。攻撃された国は反撃し、日本国内に対するテ
ロやミサイル攻撃なども想定され、そうなれば、国中が戦争に巻き込まれるこ
とになります。
従来日本政府は、軍事力の保有と行使は専守防衛のための必要最小限度かつ
個別的自衛権の範囲でしか認められないという立場をとってきました。集団的
自衛権については「行使ができないのは憲法9条の制約である」とし、憲法上
許されないとしてきました。6月4日の衆議院憲法審査会でも、自民党推薦も
含めて参考人招致された全ての憲法学者が、今回審議されている「戦争法案」
は憲法違反であると厳しく批判しています。
「戦争法案」が成立すれば、
「戦争する国」を支える国民を育成するための教
育が行われるようになります。安倍政権は、小中学校では「道徳の教科化」に
より、一方的な「愛国心」を教え込み、過去の侵略戦争を肯定する歴史教科書
で戦争を美化する教育を行おうとしています。高等学校では、主権者教育の名
目で時の政府に無批判な若者をつくり、大学の教育・研究も軍事利用しようと
しています。また、アメリカでは対テロ戦争・イラク戦争で何千人もの若者が
戦死していますが、全員志願兵です。志願兵の多くは貧困家庭の子どもで、大
学の学費や家族の医療費のため軍隊に入ります。日本も子どもの貧困が深刻に
なり、奨学金を返せない若者が増加しています。戦争が始まれば、貧しい家庭
の若者が戦場に行くことになります。私たちはこうした動きを絶対に許すこと
はできません。
かつての侵略戦争で多くの児童・生徒、若者が犠牲となりました。我々教育
に携わる者は、この歴史を繰り返さないためにも、日本政府が「戦争法案」を
撤回し、憲法を生かしアジアと世界の平和に貢献する道を進むことを求めます。
子どもたちや若者を戦場に送らないため「戦争法案」に断固反対し、廃案に
するために様々なとりくみを進めていきましょう。
2015年7月21日
呼びかけ人
愛知教育大学職員組合執行委員会
愛知県教職員労働組合協議会
愛知県高等学校教職員組合
憲法と教育を守る愛知の会
名古屋市学校事務職員労働組合
名古屋市立高等学校教員組合
名古屋大学職員組合