DJI phantom3 Professionalについての解説 第1回

DJI phantom3 Professionalについての解説 第1回 ドローンとは? ドローンってなに? 無人航空機の事です。……と言ってしまっては大雑把すぎるので軽く説明致します。 ドローン=ロボット 自動操縦を前提として作られた航空機ですので、「ドローン」=「人の代わり
に作業を行う機械」=「ロボット」であるとも言えます。 phantom3を初め、プロポ等で操縦するドローンが主流となっていますが、これ
らは機体の姿勢制御を自動で行っており、人から受けた指令に従って、コン
ピューターがドローンを動かしています。 ラジコンの場合は、「人→本体」と、人が直接、機体に指令を下しています
が、ドローンの場合、「人→コンピュータ→本体」と、指令系統にコンピュー
ターが存在しているのです。 ちなみに通常の旅客機などにも自動操縦機能は搭載されていますが、これらは
一般にオートパイロットと呼ばれており、ロボットとは言いません。 ドローンの名前の由来 ドローンの名前の由来については、主に2つあると言われています。 一つは、マルチコプター型のドローンの「ぶんぶん」という飛行音が、ハチの
羽音に似ていたから名付けたという説。もう一つは、ハチという昆虫の生態か
ら、「群衆の端末」という意味で名付けたという説になります。 前者については、由来が「羽音」であるためわかりやすく、多くの種類が市販
されているマルチコプター型のドローンとの関連性もイメージしやすい為、一般
に広く認識されています。 後者の「群衆の端末」としての意味では、学術的な由来がありますが、これに
はドローンが軍事用として開発されてきた経緯が関係しています。 と言いますのも、軍事用としてのドローンは「無人機システム」の一部として
開発されてきました。この「無人機システム」には、操縦者や補佐,整備をする
方々が数十名存在し、操縦するコントローラーや、衛星回線を利用した通信機器
などの先に、無人機としての「ドローン」があるのです。 また、この「無人機システム」は、無人航空機(UAV)に限らず、陸上用の「無
人車両(UGV)」や、水上用の「無人船舶(USV)」なども含まれており、これらもま
た「ドローン」と呼ばれております。 一般にはマルチコプターとしてのイメージが強いドローンですが、ドローンに
も様々な種類が存在しているのです。 軍事技術として開発されてきたドローン ドローンの歴史は古く、第一次世界大戦中には既に構想があったとされていま
す。 本格的な研究は第二次世界大戦から始められていました。 ただし、当時のドローンは、航空機に無線操縦機を搭載した、いわゆる「巨大
なラジコン」でした。 アメリカでは爆撃任務に用いられた事もありましたが、技術的な問題から、い
ずれも失敗に終わっています。 近代になり、半導体技術の進歩によってコンピューターが高性能となったこと
で、衛星回線等を用いた遠隔操作や、自律飛行が可能となりました。 代表例としては、1980年代より開発されてきた、アメリカ空軍の「プレデ
ター」が最も有名かと思われます。(ちなみに、2003年3月のイラク戦争での
MiG­25戦闘機との交戦が、人類初の無人機と有人機の空中戦になります) マルチコプター型のドローン、普及の要因は「携帯電話」? DJI phantom3等の、一般に広く認識されている”マルチコプター型”のドローン
のお話になります。 軍事用として開発されていた航空機型ドローンに遅れる形で、一般のラジコン
愛好家の間でも、マルチコプター型のドローンは細々と開発されてきました。 当初は軽量・高出力・高容量のバッテリーやモーターの入手が困難であり、尚
且つ姿勢制御に用いる高性能なコンピューターも無かった為、一般のラジコン愛
好家の間での開発には限界が存在しました。 しかし、1989年にジャイロセンサーが販売されると機体も改良され、1990年代
後半より携帯電話が普及し、関連部品が高性能かつ廉価になったことで、一気に
現在のマルチコプター型のドローンとなりました。 携帯電話には多くの精密部品が使用されています。小型化・高性能化したコン
ピュータや、電波を受信するアンテナ、各種センサーはもちろんのこと、バイブ
レーション用の小型モーター(マイクロモーター)も含まれます。 携帯電話の普及に伴って大量生産され、廉価となった小型モーターは、数々の
分野において活用されることとなりましたが、マルチコプター型のドローンにお
いても、単なる動力源としてだけでなく、撮影機材の揺れを抑える「カメラジン
バル」にも応用されております。 2000年代にはスマートフォンも登場し、規格化した無線通信技術やGPS機能等
も応用され、ドローンはさらに高機能・高性能なものとなりました。 (ちなみに、2011年に防衛省が開発し、話題となった球型の無人偵察機の部品
は、100円ショップや秋葉原の電気街などで調達され、試作機の製作費はわずか
11万円でした) 2015/12/16(水) (株)情報開発研究所 HP:​
http://jouhou­kaihatsu.jp/