- 1 - 平 成 2 7 年 度 西 尾 市 一 般 会 計 予 算 に 対 す る 反 対

平 成 27 年 度 西 尾 市 一 般 会 計 予 算 に 対 す る 反 対 討 論
私 は 、 平 成 27年 度 西 尾 市 一 般 会 計 予 算 に 対 し 、 反 対 の 立 場 で 討
論いたします。
今議会、厚生委員会の予算質疑の最中、東日本大震災で亡くなら
れ た 方 々 に 黙 祷 が 捧 げ ら れ ま し た 。 あ れ か ら 4年 。 そ し て 、 阪 神 淡
路 大 震 災 か ら 20年 。 こ こ 西 尾 市 で も 甚 大 な 被 害 が 起 き た 三 河 地 震
か ら は 70年 と い う 節 目 の 年 で あ り ま す 。
南海トラフ巨大地震の可能性が指摘されるなか、国の被害想定に
加えて、愛知県の被害想定数値が公表されましたが、わが西尾市の
被 害 想 定 は 増 加 、名 古 屋 市 に 次 い で 県 内 2 番 目 の 多 さ と な り ま し た 。
既に周知の事柄ですから、ここでは繰り返しませんが、榊原市長の
施 政 方 針 演 説 の 第 1番 目 に 掲 げ ら れ て い る 通 り 、 最 優 先 で 取 り 組 む
べき事業であります。その意味で、市長の言う通りです。
に も 拘 わ ら ず 、そ の 掛 け 声 が 掛 け 声 だ け に 終 わ っ て い る 、そ れ が 、
私が本予算に反対する最大の理由です。
27年 度 の 防 災 ・ 減 災 対 策 事 業 費 は 24科 目 40事 業 12億 3400万
円 で 、 対 前 年 比 26.3% の 減 で あ り ま す 。 大 き な 事 業 と し て は 寺 津
漁 港 海 岸 地 震 対 策 事 業 が 3億 1000万 円 、 小 中 学 校 体 育 館 の 天 井 ・
非 構 造 部 材 耐 震 対 策 工 事 4億 9500万 円 の 計 上 で す が 、 こ の 2事 業
だ け で 8億 円 、 こ れ で 充 分 な の で し ょ う か 。 飲 料 水 兼 用 耐 震 性 貯 水
槽 は 東 幡 豆 小 学 校 へ の 設 置 で 、 よ う や く 旧 市 に 6、 旧 町 に 3の 9基
に な る も の の 2年 に 1基 ず つ は 悠 長 過 ぎ ま す 。 国 が 推 進 す る 事 業 で
もあるわけで、もっと積極的に取り組むべきであります。
国 の 求 め る 備 蓄 量 は 従 前 の 3日 分 か ら 7日 分 に 増 加 し て い ま す 。
この備蓄増を市民にも求めるとしても、市の水の備蓄は合併前の広
域 連 合 時 代 10年 前 の 目 標 値 11基 に も 達 し て い ま せ ん 。 1基 で 1万
人 の 3日 分 な の で す か ら 、 最 低 で も 西 尾 地 区 、 平 坂 地 区 に は も う 1
基ずつ必要です。本当に、市民病院に、市役所に水がないままでよ
い の か 、 市 民 に 聞 い て み て 下 さ い 。 人 口 は 17万 な の で す 。 3か 年
計画での増設もないままなのは怠慢です。国の防災関連への補正予
算 の 増 額 で 、 事 業 の 前 倒 し が 2年 続 い て い ま す 。
これに乗り遅れないように、次の事業については実施設計を早め
るなどの対策をとるべきと提言もしてきましたが、そうした準備も
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なされないのは残念です。
そして、減災事業は国・県が補助する事業に止まっており、市独
自の積極的な取組みが見えないのは遺憾です。施政運営の最大の柱
と い い 、「 市 民 の ひ と り も 死 な せ な い 」 と 言 う な ら ば 、 市 長 の も っ
と積極的なリード、具体的な指示があって然るべきであります。
か ね て 、私 は 命 を 守 る 具 体 例 と し て「 家 具 の 固 定 」を 挙 げ ま し た 。
こ こ 4年 、 ず っ と 促 進 を 求 め 続 け て き た 事 業 で あ り ま す 。 極 め て
少ない費用で大きな効果が見込める事業ですが一向に進みません。
県の補助対象事業となっている建設部も福祉部も、予算額はこの4
年間変わらず、むしろ少なくなってさえいます。
大 地 震 発 生 時 、 家 屋 の 倒 壊 ・ 家 具 に よ る 圧 死 は 死 者 の 8割 以 上 を
占めた。これが阪神大震災の教訓であります。家屋の倒壊対策は費
用 の 面 で 難 し い で し ょ う 。し か し 、家 具 の 固 定 な ら す ぐ に も 出 来 る 。
これに異論を唱える人はないと思います。
昨 年 12月 に 策 定 さ れ た 「 あ い ち 地 震 ア ク シ ョ ン プ ラ ン 」 で は 、
県 下 の 家 具 固 定 率 の 現 状 53% を 10年 間 で 65% と す る 目 標 値 が 示
さ れ ま し た 。 し か し 、 本 市 の 実 施 率 は 30% 弱 と い い 、 そ の 数 値 さ
え、市民世論調査のアンケート結果であって、実態調査はなされて
いないというお粗末です。
そ れ に 比 べ て 、 静 岡 県 浜 松 市 で は 80% と い い 、 危 機 防 災 課 が 調
査 に 行 っ た 袋 井 市 で も 70% の 実 施 率 だ っ た と 聞 き ま す 。 遅 々 と し
て進まない理由は、住民意識が低いためとの言い訳です。しかし、
そうであるならば、高めるしかないでしょう。たゆまぬ働きかけし
かないではありませんか。個々の部局任せでなく全庁挙げて取り組
むべきです。防災監は何のために設けられたかを問います。
ま ず 、 実 態 調 査 で す 。 PDCAと は 言 い 古 さ れ た 言 葉 で す が 、 プ ラ
ン、ドゥーの前に、実態がどうか判ってなければ計画の立てようも
ありません。実態調査を進めるなかで、市民の認識度を高めるしか
ない、市役所の職員から率先して家具の固定を行っていかなければ
進むわけがないのです。
福祉部が先日、障害者向けに行ったアンケートでは、無料の家具
固 定 を 希 望 す る 人 が 400人 を 超 え た と い い ま す 。 こ れ ま で の 年 間
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実 績 の 20倍 の 数 で す 。 情 報 が 行 き 渡 れ ば 、 住 民 は 反 応 す る 非 常 に
分かりやすい例ではありませんか。議会開会中に、職員のひとりか
ら、賃貸住宅については大家さんにも協力を働きかけたらどうかと
の提案を貰いました。最もな意見であり、アパート住まいの高齢者
には助かる話でしょうし、大家さんにもとっても「売り」にできて
良いのではないかと思います。
ソフト面での防災・減災対策はまだまだあると考えます。
私が市長に求めるのは、自ら動く姿勢です。住民に働きかける姿
勢です。監督がベンチの奥に引っ込んだままで、サインも出さない
のでは全員野球にはなりません。ハード面の予算は、国・県の活用
をよしとしても、ソフト面での市独自の施策を具体化すべきであり
ます。
本予算に賛成できない理由は他にも多々ありますが、防災・減災
対 策 へ の 取 り 組 み が 不 十 分 で あ る 点 、「 こ の ま ま で は 市 民 の 命 を 守
れない点」を強く指摘して、私の反対討論といたします。
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