「節電に対する生活者の行動・意識 に関する調査」 - 2014年調査 2014 みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第1部 2015年3月9日 目次 要旨 調査の背景と目的 調査方法 調査の主な結果 調査結果 1. 回答者の基本属性 2. 電力不足・地球温暖化への意識 3. 社会の節電状況・ムードへの意識 4. 生活者の節電行動・意識 調査からの示唆 2 要旨 本調査の主な結論 ● 4人に3人が「世間の節電ムードの希薄化」を実感 • 「世間の節電意識は薄れつつある」と答えた人は77%。 • 「電力不足は深刻な状況」であると考えている人は、震災直後の91%(2011年6月実施調査)から、 69%まで減少。 ● 節電行動は全体的に減少傾向、電気代を把握している人の行動率高 • 生活者の節電行動について、エアコンと照明は震災前よりも高い水準を維持しているものの減少 傾向。更に、冷蔵庫とテレビは震災前水準まで下落。 • 電気代を知っている人は、知らない人と比較し、約10%~25%程度、節電行動率が高い。 本調査からの示唆 ● 「電力のための節電」から先に進むには「生活者自身のための節電」が必要か • 今回の調査から、「電力のための節電」という社会的意義による行動の動機づけは弱くなってきてい ると考えられた。そのため、今後は、生活者自身の日々の暮らし方や価値観に沿った形で、節電行 動を促す必要があるのではないか。 • 例えば、電気代を知っているか否かで行動率に違いがあったが、電気代を知らない人は経済性を重 視しない人であるとも考えられる。そのため、電気代を知らせるという経済性の観点からだけではなく、 それ以外の観点からも促す方策が必要なのではないか。 3 調査の背景と目的 <背景>震災による節電行動の高まりとその後の節電ムードの低下 生活者の節電行動は、 電力不足が喫緊の課題となった東日本大震災を契機に高まったが、 東日本大震災から年を経るにつれ、低下が危惧されるようになった。 このままでは、生活者の節電行動は震災前の水準まで回帰する可能性があり、 生活者に節電を伝える新たな手立てやメッセージの検討が 急務であると考えられた。 <目的>節電行動の継続・向上方策の検討に資するデータの収集 そこで、今回の調査では、生活者の節電行動の実態を把握することに加え、 生活者の節電行動の継続や向上を促す検討に資する結果を得ることを目的に、 「社会の節電状況・ムードへの意識」、「夏季の電気代」などの設問を追加し、調査を実施した。 4 調査方法 本調査では、震災後の2011年6月から同じ母集団へ追跡調査を行ってきたが、母集団が減少してきたため、 今回は新規母集団である、東京電力管内の20歳以上の男女960名を対象とした。 質問項目は、社会の節電への取組状況の変化や生活者の節電行動の維持・向上方策を検討するため、こ れまで継続して尋ねてきた項目に、「社会の節電状況・ムードへの意識」、 「夏季の電気代」、 「生活者の家 電購買時の節電意識」、「家庭の節電教育」を追加した。 なお、「家電購買時の節電意識」と「家庭での節電教育」の結果は、5月に予定している次回レポートで示す。 調査方法の概要 調査方法:インターネット調査 対象:東京電力管内の20歳以上の男女 調査 時期 2011.6 2011.9 2012.9 2013.9 2014.10 質問項目 (有効回答数) 節電 節電 への 電 ・ 社会の節電 地球温暖化 状況・ムード への への 夏季の 電気代 家電購買時 家庭での の節電 節電教育 ① ② (対象とした時期) 897 725 512 393 960 ●震災前、2011.6 ● ● - - - - ●2011.夏 ● ● - - - - ●2012.夏 ● ● - - - - ●2013.夏 ● ● - - - - ●2014.夏 ● ● ● ● ● ● 本レポートで示す内容 次回レポートで示す予定 5 調査の主な結果 (1)4人に3人が「世間の節電ムードの希薄化」を実感 • 「世間の節電意識は薄れつつある」と答えた人は77%。 • 「電力不足は深刻な状況」であると考えている人は、震災直後の91%(2011年6月実 施調査)から、69%まで減少。 • 「節電を行っている企業や公共機関に好感を持てる」と答えた人は84%。 • 「今後電力不足が解消されても、政府は節電の必要性を促し続けた方が良い」と答 えた人は91%。 (2)節電行動は全体的に減少傾向、電気代を把握している人の行動率高 • 生活者の節電行動について、エアコンと照明は震災前よりも高い水準を維持してい るものの減少傾向。更に、冷蔵庫とテレビは震災前水準まで下落。 • 電気代を知っている人は、知らない人と比較し、約10%~25%程度、節電行動率が高 い。 • 電気代を知らない人は、経済性に関する設問でも気にしないと答えている割合が高 く、節電が習慣になっている割合も電気代を知っている人と比較し低い。 6 調査結果 7 1.回答者の基本属性 今回の回答者の基本属性は下記の通りである。なお、性別と年代については、国勢調査のデータ に割り付けを行っている。 性別 年代 20代 13% 60代 女 男 51% 49% 37% 30代 17% 40代 50代 18% 15% (n=960) 婚姻 (n=960) 子ども 未婚 既婚 子どもなし 34% 子どもあり 66% 39% 62% (n=960) (n=960) 8 2.電力不足・地球温暖化への意識~①電力不足の深刻さは減少 電力不足や地球温暖化、原発への考え方は、節電行動に影響を及ぼすと考えられる。 「電力不足は深刻な状況だ」と考えている人は、震災直後の2011年6月には91%いたが、今回の調 査では、69%まで減少した。 「地球温暖化は深刻な問題だ」と考えている人は、震災直後から今回の調査まで傾向に大きな変化 はなかった。 電力不足 地球温暖化 Q.電力不足は深刻な状態だ 非常にそう思う ややそう思う 2011.6 (n=897) Q.地球温暖化は深刻な問題だ あまりそう思わない 41% 2012.9 (n=512) 24% 2013.9 (n=393) 23% 2014.10 (n=960) 23% 0% 42% 53% 20% 51% 46% 20% 40% 15% 24% 69% 60% 28% 80% 非常にそう思う ややそう思う あまりそう思わない 全くそう思わない 2011.6 (n=897) 59% 2% 2011.9 (n=725) 59% 2% 2012.9 (n=512) 3% 2013.9 (n=393) 57% 32% 3% 2014.10 (n=960) 56% 36% 91% 7% 1% 55% 2011.9 (n=725) 全くそう思わない 100% 電力不足は深刻だと考える人は69%まで減少 31% 90% 7% 2% 31% 52% 0% 20% 7% 3% 7% 4% 8% 3% 34% 90% 7% 3% 37% 40% 60% 80% 100% 大きな変化なし 備考:2011.6~2013.9までは同じ母集団への追跡調査、2014.10は新規母集団 9 2.電力不足・地球温暖化への意識~②当面の原発必要性への同意も減少 「当面の間、原発は必要だ」と考えている人は、震災直後の2011年6月には69%いたが、今回の調査 では54%まで減少した。 「40~50年後においても、原発は日本の電力供給のために必要である」と考えている人の割合は 32%で、震災直後と比較して大きな変化はなかった。 原発 Q.当面の間、原発は日本の電力供給のために必要で ある 非常にそう思う 2011.6 (n=897) ややそう思う 24% 2011.9 (n=725) 19% 2012.9 (n=512) 18% 2013.9 (n=393) 13% 2014.10 (n=960) 13% 0% あまりそう思わない 45% 69% 50% 42% 20% 40% あまりそう思わない 全くそう思わない 41% 24% 2011.6 (n=897) 11% 24% 35% 21% 10% 2011.9 (n=725) 8% 22% 41% 29% 12% 2012.9 (n=512) 8% 23% 38% 30% 2013.9 (n=393) 7% 22% 41% 30% 37% 31% 16% 26% 60% ややそう思う 10% 27% 54% 非常にそう思う 21% 28% 44% 41% 全くそう思わない Q.40~50年後においても、原発は日本の電力供給の ために必要である 2014.10 (n=960) 8% 24% 32% 20% 80% 100% 当面の間、原発は必要だと考える人は54%まで減少 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大きな変化なし 備考:2011.6~2013.9までは同じ母集団への追跡調査、2014.10は新規母集団 10 2.電力不足・地球温暖化への意識~③電力不足は深刻で当面原発は必要と考える人が減少 電力不足と当面の原発必要性の考え方の関係について2011年9月と比較すると、「電力不足は深 刻で当面原発は必要」と考えている人の割合は減少した。 この結果は、震災以降、原発が停止しているが停電が発生していないことが影響を及ぼしていると 考えられる。 電力不足の深刻さと当面の原発必要性とのクロス集計 当面原発必要 2011.9 2011.9 (n=725) (n=725) 62% 20ポイント 42% 減少 2014.10 2014.10 (n=960) (n=960) 2011.9 2011.9 (n=725) (n=725) 7% 5ポイント増加 2014.10 2014.10 (n=960) (n=960) 12% 電力不足は 深刻 ではない 電力不足 深刻 2011.9 2011.9 (n=725) (n=725) 21% 6ポイント増加 2014.10 2014.10 (n=960) (n=960) 27% 2011.9 2011.9 (n=725) (n=725) 2014.10 2014.10 (n=960) (n=960) 10% 9ポイント増加 19% 当面原発必要ではない 11 3.社会の節電状況・ムードへの意識~①77%が希薄化実感 震災から4年目の夏を迎え、社会の節電状況・ムードへの意識にも変化があると考えられる。 「節電を行っている企業・公共機関が減ってきた」と答えている割合は61%であった。 また、「震災から数年たち、世間の節電意識が薄れつつある」と答えている割合は77%であり、4人に 3人が節電ムードが希薄化していると感じていることがわかった。 社会の節電状況への意識 社会の節電ムードへの意識 Q. 節電を行っている企業や公共機関は減ってきた (n=960) 非常にそう思う 全くそう思わない Q. 震災から数年たち、世間の節電意識は 薄れつつある (n=960) 非常にそう思う 全くそう思わない あまりそう思わない あまりそう思わない 同意している 回答の割合 61% そう思う 同意している 回答の割合 77% そう思う 12 3.社会の節電状況・ムードへの意識~②91%が政府推進に賛同 節電を行っている企業・公共機関には84%の人が好感を持っており、今後も節電を継続した方が 良いと答えている人は92%であった。 政府が節電について普及・啓発を続けることについては、91%が賛同していた。 社会の節電ムードへの意識 Q. 節電を行っている企業や公共 機関には好感が持てる (n=960) 非常にそう思う 全くそう思わない あまりそう思わない Q. 今後、電力不足が解消されても、 節電を行っている企業や公共 機関は、節電を続けた方が良い (n=960) 非常にそう思う 全くそう思わない あまりそう思わない Q. 今後、電力不足が解消されても、 政府は節電の必要性を促し続け た方が良い(n=960) 非常にそう思う 全くそう思わない あまりそう思わない 同意している 回答の割合 同意している 回答の割合 同意している 回答の割合 84% 92% 91% そう思う そう思う そう思う 13 4.生活者の節電行動・意識~①生活者の行動は減少傾向 生活者の節電行動について、エアコンと照明は震災前よりも高い水準を維持しているが減少傾向で あった。更に、冷蔵庫とテレビは震災前水準まで落ち込んでいた。 使う場合、室温を 高めに設定する 照明 100% 100% 80% 80% 60% 60% ↑震災前水準 100% 開閉を少なく・ 短くする 震災前 2011.6 2011.夏 2011. 2012.夏 2012. 2013.夏 2013. 2014.夏 2014. ものを詰めすぎ ないようにする 80% テレビ 100% 明るさを低めに 設定する 必要時以外は 消す 80% 60% 40% ↑震災前水準 震災前 2011.6 2011.夏 2011. 2012.夏 2012. 2013.夏 2013. 2014.夏 2014. 0% 震災前 2011.6 2011.夏 2011. 2012.夏 2012. 2013.夏 2013. 2014.夏 2014. 0% 震災前 2011.6 2011.夏 2011. 2012.夏 2012. 2013.夏 2013. 2014.夏 2014. 20% 温度設定を 「中」・「弱」にする 夜間の照明を できるだけ少なくする 40% 20% 冷蔵庫 日中はなるべく 照明を消す 60% ↑震災前 水準 40% 0% 震災前 2011.6 2011.夏 2012.夏 2013.夏 2014.夏 0% 震災前 2011.6 2011.夏 2012.夏 2013.夏 2014.夏 20% 震災前 2011.6 2011.夏 2012.夏 2013.夏 2014.夏 20% ↑震災前 水準 震災前 2011.6 2011.夏 2012.夏 2013.夏 2014.夏 40% 照明をこまめに 消灯する 震災前 2011.6 2011.夏 2011. 2012.夏 2012. 2013.夏 2013. 2014.夏 2014. 使用を控え、 別の方法で涼む 震災前 2011.6 2011.夏 2012.夏 2013.夏 2014.夏 エアコン 備考:震災前(n=897、2011年6月調査)、2011.6(n=897、2011年6月調査)、 2011.夏(n=825、2011年9月調査)、 2012.夏(n=512、2012年9月調査)、 2013.夏(n=393、2013年9月調査) 、2014.夏(n=960、2014年10月調査)。震災前~2013.夏までは同じ母集団への追跡調査 14 4.生活者の節電行動・意識~②生活者の手間感は増加 節電行動への意識については、「手間がかかって面倒だ」と思う割合が徐々に増加してきており、 2011年6月は33%であったのが、46%まで増加した。 「個々人の節電は電力不足の解消に効果がある」と思っている人のうち、「非常にそう思う」と答えて いる人の割合は、2011年6月には42%であったが、今回は26%にまで減少した。 節電への意識 Q.節電は手間がかかって面倒だ 非常にそう思う ややそう思う 2011.6 (n=897) 4% 29% 33% 2011.9 (n=725) 3% 30% 2012.9 (n=512) 3% 31% 2013.9 (n=393) 4% 2014.10 (n=960) 5% 0% あまりそう思わない 20% まったくそう思わない 50% 18% 2011.6 (n=897) ややそう思う あまりそう思わない 42% 55% 10% 2012.9 (n=512) 52% 11% 2013.9 (n=393) 26% 57% 8% 2014.10 (n=960) 26% 59% 45% 60% 80% 100% 手間がかかって面倒だと思っている人の割合は、 33%から46%まで増加 36% 20% 10% 3% 48% 30% 0% まったくそう思わない 45% 2011.9 (n=725) 46% 40% 非常にそう思う 12% 56% 32% 41% Q.個々人の節電は電力不足の解消に効果がある 56% 40% 60% 14% 2% 13% 2% 13% 4% 13% 2% 80% 100% 「非常にそう思う」と答えている人の割合は、 42%から26%まで減少 備考:2011.6~2013.9までは同じ母集団への追跡調査、2014.10は新規母集団 15 4.生活者の節電行動・意識~③電気代を知っている人の方が節電行動率高 また、今夏の電気代を知っているか否かで、節電行動に大きな差があった。電気代を知っている人 は、知らない人と比べ、約10%~25%程度、節電行動をしている割合が高かった。 2014年夏の生活者の節電行動(電気代の認知別) 100% 93% 84% 80% 76% 電気代を知っている人 (n=729) 92% 電気代を知らない人 (n=231) 79% 74% 66% 60% 66% 63% 64% 62% 58% 53% 52% 49% 39% 40% 40% 53% 50% 49% 39% 36% 39% 35% 49% 35% 28% 19% 20% 【エアコン】 【照明】 【冷蔵庫】 【テレビ】 使わないときはコンセントを抜く 使わないときは主電源をオフにする 温水便座の保温機能をオフにする 炊飯器を使う場合はご飯を まとめて炊く 明るさを低めに 設定する 必要なとき以外は消す 開閉を少なく・短くする 温度設定を「中」・「弱」にする ものを詰めすぎないようにする 夜間は照明をできるだけ少なくする 使っていない照明をこまめに 消灯する 日中はなるべく照明を消しておく 使用を控え、別の方法で涼む 使う場合は、室温を高めに設定する 0% 【その他】 16 4.生活者の節電行動・意識~④電気代を知っている人の方が節電習慣化 電気代を知っているか否かで、節電意識にも大きな差があった。「毎月の電気代が気になる」、「電 気の使用量は気にしない」という経済性に関する項目だけでなく、「節電が習慣になっている」でも大 きな差があった。 Q.電気の使用量は気にしない Q.毎月の電気代が気になる 非常にそう思う 電気代を 知っている人 (n=729) 電気代を 知らない人 (n=231) ややそう思う あまりそう思わない まったくそう思わない 51% 11% 1% 37% 11% 0% 44% 20% 40% 40% 60% 5% 80% 非常にそう思う 電気代を 知っている人 (n=729) 5% 電気代を 知らない人 (n=231) 6% 100% ややそう思う 0% あまりそう思わない 27% まったくそう思わない 49% 48% 20% 18% 41% 40% 60% 80% 5% 100% Q.節電が習慣になっている 非常にそう思う 電気代を 知っている人 (n=729) 電気代を 知らない人 (n=231) ややそう思う あまりそう思わない 24% 56% 6% 0% まったくそう思わない 18% 46% 20% 41% 40% 60% 2% 6% 80% 100% 17 4.生活者の節電行動・意識~⑤電気代を知らない人は家事負担率低 電気代を知らない人の属性の特徴を探ったところ、性別は男性、年代は20代、30代が多く、家事をし ていない人の割合が高かった。 性別 男 電気代を 知っている人 (n=729) 44% 電気代を 知らない人 (n=231) 年代 女 20代 64% 0% 20% 電気代を 知っている人 (n=729) 56% 電気代を 知らない人 (n=231) 36% 40% 60% 80% 9% 100% 30代 16% 18% 26% 0% 40代 20% 20% 50代 60代 15% 70代 19% 19% 40% 13% 60% 80代 20% 10% 80% 2% 8% 3% 100% 家事負担率(一人暮らしを除く) いつもしている 電気代を 知っている人 (n=590) ときどきしている あまりしていない 62% 電気代を 知らない人 (n=205) 22% 0% 26% 33% 20% 全くしていない 40% 36% 60% 10% 2% 9% 80% 100% 18 調査からの示唆 (1)原発・停電ショックによる節電ムードは希薄化傾向に 「電力のための節電」から先に進むには「生活者自身のための節電」が必要か • 今回の調査では、電力不足の深刻さという危機感と当面の原発必要性への賛同は減少していた。そ して更に、節電は良いことだと感じつつも、生活者自身の節電行動には減少傾向が見られた。 • このことから、生活者は「節電は重要で行ったほうが良い」とわかりながらも、「電力はもう足りている から大丈夫」と考えている可能性があり、 「電力のための節電」という社会的意義による行動の動機 づけは弱くなってきていると考えられる。 • そのため、今後は社会的意義に加え、生活者自身の日々の暮らし方や価値観に沿った形で、節電行 動を促す必要があるのではないか。 (2)電気代を知らない人へどのように促すかが今後のカギに • 生活者の節電行動は、エアコンと照明は震災前よりも高い水準を維持していたが減少傾向であっ た。更に、冷蔵庫とテレビは震災前水準まで落ち込んでいた。 • また、電気代を知っているか否かで節電行動率に大きな差があった。そのため、生活者に節電行 動を継続したり行ってもらうには、電気代を家庭内で共有することや、電気代を知らせていく技術・ 方法の改善も今後重要と考えられる。 • だが一方で、電気代を知らない人は、“経済性”を重視していない人であるとも考えられる。そのた め、これらの人の価値観に沿うような節電方策を今後示していく必要もあると考えられる。 19 お問い合わせはこちらまで みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第1部 1 TEL 03-5281-5287 担当:小山田 和代
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