富岡町除染検証委員会にご検討いただきたい事項

資料5
富岡町除染検証委員会にご検討いただきたい事項
1. 富岡町内復興拠点の線量低下
町内王塚地区(図-1)は、第二次復興計画においてイノベーションコースト(福島・国際研究産
業都市)構想の拠点施設の誘致や産業集積の中心として位置付けられている。
本地区は、特に道路植樹帯や路肩において全線的に高線量(地上 1cm で約 10μSv/h、地上 1m
で 3.5μSv/h)が確認されているため(図-2)、その低減を実現しなければならない。
王塚地区
図-1 第二次復興計画において復興拠点と位置づけた区域
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町道 二小大原線(北側 田)除染後
町道 二小大原線(北側 植樹帯)未除染
地上 1cm
0.48μSv/h
地上 1cm
9.61μSv/h
地上 1m
0.54μSv/h
地上 1m
2.12μSv/h
町道 二小大原線(南側 田)除染途中(覆土前) 王塚集会所(アスファルト)除染後
町道
地上 1cm
0.90μSv/h
地上 1cm
5.03μSv/h
地上 1m
0.78μSv/h
地上 1m
1.35μSv/h
北郷会沢線(北側 植樹帯)未除染
地上 1cm
10.22μSv/h
地上 1m
3.51μSv/h
図-2 道路植樹帯など線量が高い箇所の測定例(測定日:H27.8.20)
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2. 復興拠点を含めた住宅地における局所的に線量が高い箇所の線量低下
住宅地においては、雨どいや側溝、舗装面のクラック、スレート瓦等、局所的に線量が高い
箇所が見受けられるため(図-3、4)、避難指示解除に向けて低減しなければならない。
これらの箇所について、現在実施中のガンマカメラ等の結果により、これらの線量を把握す
るとともに、その低減手法についても講じる。
図-3 放射性物質が集積しやすい箇所のイメージ(例)
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本町 1 丁目 猪狩宅(玄関前)除染後
町道
町道
曲田地区街路線(北側
植樹帯)未除染
地上 1cm
13.21μSv/h
地上 1cm
3.83μSv/h
地上 1m
1.01μSv/h
地上 1m
1.14μSv/h
曲田地区街路線(北側
歩道)除染後
曲田地区(診療所予定地)除染後
地上 1cm
1.50μSv/h
地上 1cm
0.19μSv/h
地上 1m
1.02μSv/h
地上 1m
0.23μSv/h
図-4 住宅地における局所的に線量が高い箇所の測定例(測定日:H27.8.20)
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3. 居住制限区域と帰還困難区域の境界付近の線量低下
居住制限区域並びに避難指示解除準備区域内の山林については、生活圏の線量低減のため、
宅地・農地との境界から 20m の除染を実施している。一方、帰還困難区域については現在除染
の計画がないため、居住制限区域との境界ではわずか数 m の道路で除染が終了となっている(図
-3)。接している部分が高線量の帰還困難区域であることを考えると、生活圏の線量低減のため
に除染が不可欠である。
生活圏から 20m
帰還困難区域(除染未施工)
約 7m
約 4m
図-3 居住制限区域と帰還困難区域の境界における除染の状況
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