「雨に負け 風に負けつつ 生きている 柔らかき草 ひとを坐らす」 ほんとうに

「引き出す・伸ばす・鍛える」~ あ い さ つ の ま ち 西 可 児 中 校 区 ~
可児市立西可児中学校
TEL(0574)65-6835
平成27年 2月 1日
第 12 号
FAX(0574)69-0096
http://www.school.city.kani.gifu.jp/nishikani/index.html
ほんとうにどんなつらいことでも、それがただしいみちを進む中でのできご
となら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしです
校長 矢島 祐史
1月、バレー部やバスケット部の新人戦や卓球部の大会、吹奏楽部のアンサンブルコンテストと部活動
も休みの日を中心に活発になってきました。保護者の皆様のご理解・ご協力に深く感謝申し上げます。地
域の会議もあり、すべて応援に行くことはできませんでしたが、応援できた試合は一生懸命さが伝わりと
ても見ごたえのあるものばかりでした。応援団のご家族の方々も、きっと選手と一体となることができた
のはないかと思います。すべての部が上位に行けたわけではありませんが、次を期待できる部ばかりでし
た。また、強さだけでなく、試合のはじめや終わった後に、キャプテンを中心にきちんとあいさつもでき、
すばらしいチームになってきているなと感じました。私たちは、たくさんの支えがあって、がんばってい
られます。仲間の支え、家族の支え。生徒たちには、いつも感謝の心をもつことを話していますが、一番
感謝するのは、私だと感じている次第です。本当にありがとうございます。
さて、表題の言葉は、
『銀河鉄道の夜』
(作:宮沢賢治)から抜粋しました。
「今上ること(やっているこ
と)がつらい」とか「つらいことが続いていて自分の道は下り坂である」ではなく、
「一歩一歩自分の足で
大地を踏みしめ、上ることも下ることも自分の夢や希望、目標に到達する一歩である。」という言葉は、私
たちに希望とやる気を与えてくれます。自分の経験をもとに「とにかくがんばれ」と言われると「すでに
がんばっているのに」とか「がんばらなければならないことはわかっているのに」と思ってしまうことが
ありますが、宮沢賢治のような言葉で心に訴えられると、
「やってみよう。続けてみよう」と思うのは私だ
けでしょうか。
宮沢賢治は、ふるさとの岩手に深く根ざした詩や童話を数多く残していますが、
『雨ニモマケズ 風ニモ
マケズ・・・』はとても有名なので、一度や二度耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私たちは、日々の生活の中で、迷ったり悩んだりすることが多々あります。そんなときは、座右の銘と
なるような言葉を見つけて口ずさめるようにしておくのもよいかと思います。もし、生徒たちが勉強や部
活動、あるいは生活の中で迷ったり悩んだりしているようなことがあれば、ご家族で自分が励まされた言
葉について話し合ってみるのもよい方法だと思います。
もう一つ『雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・』のフレーズから、こんな歌もありますのでご紹介します。
「雨に負け
風に負けつつ 生きている
柔らかき草 ひとを坐らす」
(歌集 『月の夜声』伊藤一彦)
草は、雨を受けて地に伏し、風を受けては地に伏す。そうした草も人を包み込み憩いの場を提供してく
れます。一見、草は負けているようにもみえるのですが、じっと耐える強さと人への優しさを持っていま
す。そんな名も無き草に光を当てている一句です。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・」は、がんばる力
を奮い起こす言葉ですが、
「雨にも負け 風にも負け・・・」も強さと優しさを人に与えてくれる言葉とい
えるのではないかと思います。