0586 地球 の 棲み家 BACKGROUND ‐人間は地球から借り暮らししている‐ ケヤキ スギ -100m ヒノキ 温度 20.4℃ 湿度 30% クロマツ ホルトノキ エネルギーを生み出すための化石燃料や資材としての木材。食料。あたりまえのようだが、人間は生きるために地球から借りものをたくさんし て生活している。しかし私たちは借りた量が肥大化するにつれ、借りていることすら忘れ、我が物顔をして傲慢になっていないだろうか。地球 と共生すること、地球になにを返せるだろうか。新しい建築それは「地球に棲む家」を考える。 シダレサクラ CONCEPT ‐「地球の減築」‐ ‐生き物の棲み家を増やす‐ サクラ -200m 温度 24.2℃ 湿度 40% クスノキ クロガネモチ カツラ イタカエデ 人はどの生き物よりも掘削することができる のではないか。空へ空へと伸びた建築から、 地下に地下に切り開く建築を提案する。 DIAGRAM Ⅰ. 多様な環境をもたらす地下の可能性 [cm] 温度℃ -300m 巨大な穴を掘ることで、地球の表面積を増やす。人の手によって行われる「地球の減築」 は土に触れる面積を広げ、強靭な生命と繁殖力によって植物が根を張り、棲む環境が増 えていく。 Ⅱ. 垂直生態系 湿度 45% 湿度 ヤマモモ 貯水場 +4.0 -400m 水力発電 温度 31.6℃ 湿度 60% 水田 60 20.0 住居 +2.0 40 10.0 20 フェニックス 地熱発電 ボイラー・発電場 100 2040 200 2060 300 2080 400 500 深さ m 2100 [年] 1950 100 2000 200 300 2050 400 500 ハイビスカス パルム 温泉 ±0.0 2020 イヌノキ 住居 80 2000 ショウブ Ⅲ. 垂直移動式住居 [℃] 5.0 タケ 温度 28.0℃ 深さm 2100 [年] 地球は地中深くに行くにつれて温度が上昇する。その温度、100mにつ き 3-4℃。また水分を多く含む地下の環境は、これまで私たちが生活し てきた住環境だけでなく様々な生態系にとって新しい生活の場を作る可 能性があると考える。 赤道付近から高緯度地域まで、気候に合わせて多様な動植物が存在して いる。私が提案する地下 500mの建築は深度によって変化する環境に合 わせて動物達が新しい棲み家を見つけ生態系を作っていく。 夏は地上で、寒くなるにつれて深くへ。乾燥した地上ではブドウや小麦 を、70mではきれいな地下水を。ちょっと湿度の高い 200m下では米を。 地中の熱をもらいながら人は、住まいまた掘る。掘って生き物の棲み家 を広げながらその恩恵を受ける。 ワラビ -500m 温度 34.9℃ 湿度 72% シダ ラン
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