ズバリ的中! (論点予想) 3 善意の第三者② 無断譲渡を理由に解除した賃貸人 × ①賃貸(土地) A ②仮装 譲渡(建物) B C 乙建物 甲土地 賃借権の無断譲渡を理由にAがBとの賃貸借契約の解除し、土地明渡請 求をした場合 ⇒ A は 9 4 Ⅱ の 第 三 者 に あ た ら な い (最判昭45.7.24) (Bは、BC間の譲渡が無効であることを主張して、Aから の請求を拒むことができる) ※Aは、仮装譲渡がなされる前から賃貸人の地位にあり、「新たな利害関係人」ではないから。 (予想問題) BがAから土地を賃借し、当該土地上に建物を建て、当該建物がC に仮装譲渡された場合、土地賃貸人たるAは、賃借権の無断譲渡を理 由にBとの賃貸借契約を解除し、土地の明け渡しを請求することがで きる。 (本試験問題) 午前第5問 オ Aから土地を賃借したBがその土地上に甲建物を建築し、その所有 権の保存の登記がされた後に、甲建物についてBC間の仮装の売買契 約に基づきBからCへの所有権の移転の登記がされた場合において、 BC間の売買契約が仮装のものであることを知らなかったAが賃借権 の無断譲渡を理由としてAB間の土地賃貸借契約を解除する旨の意思 表示をしたときは、Bは、Aに対し、BC間の売買契約は無効であり、 賃借権の無断譲渡には当たらない旨を主張することができる。 - 5 - (論点予想) 5 仮登記と94Ⅱ 売買予約を仮装 甲 売買 乙 丙 (善意+無過失) 1 2 所有権保存 甲 仮登記 乙 本登記 乙 ⇒甲・乙の通謀 ⇒乙単独 甲乙間で売買予約と仮登記を通謀 売買予約 :将来「本 契約」をすることを約束しておく ▼ 乙が甲の印章を無断使用して本登記をし、丙に譲渡 ▼ 民94Ⅱ・民110の法意に照らし,丙は保護される 丙が保護されるためには善意の他、無過失まで要求される ( 最 判 昭 43.10.17) 理由 ※甲には,乙名義の「仮登記」の外形を作 出した点には,過失がある。 ▼しかし 第2 の外形(本登記) には甲は関与していな い。 ▼そこで 第三者丙の保護のバランス上無過失ま で要 求した。 ▼つまり 乙が勝手により大きな外観である本登 記に してしまったことを「権限踰越の表見 代理 」(基本代理権を有する 代理人が当該権限を越える代理行為を 行っ た場合)に類するものとして、民11 0( 相手方に正当理由-善 意・無過失が要求される)を用いる。 (予想問題) 甲・乙間で甲の土地を乙に売り渡す仮装の売買予約と所有権移転仮 登記をした後、乙が甲の印章を無断使用して、所有権移転本登記をし、 さらに丙に転売した場合は、丙が善意であれば、過失があっても、甲 に対し当該土地の所有権を主張できる。 - 6 - (本試験問題) 午前第5問 エ A所有の甲建物について、AB間の仮装の売買予約に基づきBを仮 登記の登記権利者とする所有権移転請求権保全の仮登記がされた後、B がAに無断で当該仮登記に基づく本登記をした場合において、その後に Bから甲建物を譲り受けたCが、その当時、当該本登記が真実に合致し たものであると信じ、かつ、そのように信じたことについて過失がなか ったときは、Cは、Aに対し、甲建物の所有権を主張することができる。 - 7 - (論点予想) 6 時効完成後の第三者④ 不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に、当該 不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合、上記の者は、 上記登記後、賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該不動産を継続 的に用益したとしても、競売又は公売により当該不動産を買い受けた者 に対し、賃借権を時効により取得したと主張して、これを対抗すること は で き な い (最判平23.1.21)。 ③競売or公売 丙 ②抵当権 甲 丁 登記 ①賃貸(対抗要件なし) ④時効取得(賃借権) 乙 乙 乙が賃借権を時効によって取得したと主張し、買受人丁に当該賃借権を 対抗することはできない 理由 ※①賃借権を有する者は、抵当権の設定登記に先立って対抗要件を具備しなければ、競売or公売の買受 人に対抗できないのが原則であり、このことは、抵当権の設定登記後に賃借権を時効により取得した 場合であっても同じ。 ②上告人は、前記最判昭36.7.20の判例を引用して主張したが、所有権の時効取得のように相容 れない権利の得喪が問題なっている事案と本件は異なる。 しかし、所有権と抵当権は両立しうるにもかかわらず、所有権の時効取得による抵当権の消滅を認め、当事者 の関係にあることから、登記なくして抵当権者に対抗できるとする判例(大判大9.7.16 最判平24. 3.16)があり、その整合性を考えると結局、両立しうるときであっても、本来、債権である賃借権に物 的・排他的な(競売・公売の買受人に対抗できる)時効取得の主張を認めるには、対抗要件を具備していなけ ればならないともいえる。 (予想問題) 7 甲が乙に土地を賃貸し、引き渡したが、対抗要件を具備しない間に 当該土地に抵当権が設定され、その旨の登記がされた場合、乙は当該 抵当権設定登記後、賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該不動 産を継続的に用益したことにより、競売により当該土地を買い受けた 者に対し、賃借権を時効により取得したと主張して、これを対抗する ことができる。 - 8 - (本試験問題) 午前6問 オ A所有の甲土地をAから賃借したBがその対抗要件を具備する前に、 CがAから甲土地につき抵当権の設定を受けてその旨の登記をした場合 において、Bが、その後引き続き賃借権の時効取得に必要とされる期間、 甲土地を継続的に使用収益したときは、Bは、抵当権の実行により甲土 地を買い受けた者に対し、甲土地の賃借権を時効取得したと主張するこ とができる。 - 9 - (論点予想) 26 商行為と時効 商行為によって生じた債権の消滅時効 ⇒ 5 年 (522) ※迅速な結了のため。 ①商行為によって生じた債権 ⇒当事者のいずれか一方のために商行為たる行為によって生じた債権で あ る こ と を 要 し 、 か つ 、 こ れ で 足 り る (大判明44.3.24 通説) ②本来の商行為債権のみならず、その変形したもの又はこれと同視すべき 債権にも5年の適用あり a商行為によって生じた債務の不履行による損害賠償債権 (大判明41.1.21) b 商 行 為 た る 契 約 の 解 除 に よ る 原 状 回 復 義 務 (最判昭35.11.2) c 上 記 b の 原 状 回 復 義 務 の 不 履 行 に よ る 損 害 賠 償 債 務 (最判昭35.11.2) d 商 行 為 た る 契 約 の 解 除 権 (大判大5.5.10) ③以下の債権は、10年の消滅時効にかかる a商行為たる契約が無効であった場合の不当利得返還請求権 (大判昭10.10.29) b商行為たる消費貸借が利息制限法に違反した場合の超過利息等の 不当利得返還請求権 (最判昭55.1.24) ※ 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は 、法 律 の 規 定 に 基 づ い て 生 ず る 権 利 で あ り 、法 律 行 為 ( 商 行 為 ) か ら 生 ず る も の で はないから。 (予想問題) 商行為によって生じた債権は、5年で消滅時効にかかるが、商行為た る 契 約 の 解 除 に よ る 原 状 回 復 義 務 の 消 滅 時 効 は 、 10年 で あ る 。 (本試験問題) 午 前 35問 ア 商行為である売買契約が解除された場合には、その解除による原状 回 復 請 求 権 は 、 5年 間 行 使 し な い と き は 、 時 効 に よ っ て 消 滅 す る 。 ウ 商人がその営業のために商人でない者に対して金銭を貸し付け、当 該商人でない者が利息制限法所定の制限を超えて利息を支払った場合 には、当該商人でない者の当該商人に対する不当利得返還請求権は、 5年 間 行 使 し な い と き は 、 時 効 に よ っ て 消 滅 す る 。 - 10 -
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