(4)琵琶湖再生の挑戦 「マザーレイク21計画」 (琵琶湖総合保全整備計画) 基本理念:琵琶湖と人との共生 ~琵琶湖を健全な姿で次世代に継承します~ 基本方針 • 共感(人々と地域との幅広い共感) • 共存(保全と活力あるくらしの共存) • 共有(後代の人々との琵琶湖の共有) 環境問題を考えるときには・・・ 「科学的思考」(三人称) と 「文化的思考」 (一人称、二人称) という複眼の思考が必要 データでは表せない価値がある (1)川や森とかかわり続けるくらし (2)近い水、近い木々への関心 (3)水辺や里山の風景の価値は無限 (4)歴史性と文化性、心地よい風景とは? 文化的思考 科学的思考 + 文化的思考 環境問題の多面性が見えてくる 干拓化された早崎内湖の再生 湖北野鳥センター 海老江集落 丁野木川 凡 例 調査範囲 かつての 内湖境界 6 固有種の再生ー内湖の復活 ○早崎干拓地(長浜市早崎等)の内湖について、 内湖の多様な機能に着目し、再生を計画。 ○現在、試験湛水によるモニタリング(植物、鳥 類、魚類、プランクトン)調査を実施中。 昭和30年代の早崎内湖 現在の状況 「遠い水」を「近い水」へ 魚のゆりかご水田プロジェクト 排水路に魚道を設置し、琵琶湖から田んぼへ魚が移動して 産卵し、稚魚が育つ水田環境に再生 平成21(2009)年度に全国知事会「先進政策大賞」受賞 昭和40年頃まで 昭和40年代~現在 魚のゆりかご水田プロジェクト 取組状況 湖魚が産卵のため魚道を遡上 (ナマズの遡上) 湖魚が田んぼで産卵 (ニゴロフナの産卵) 田んぼで稚魚がふ化 (ニゴロブナ稚魚の遊泳) 『魚のゆりかご水田』は、五方によし 生きもの観察会を通じ、琵琶 湖と田んぼの関係を多くの方 に説明 生きものによし 田んぼは、エサのプランクトンが豊富で、オオクチバス等の外敵がいないため稚魚の 生存率は30%と高く、まさに魚にとって『ゆりかご』となります。 琵琶湖によし 魚道で排水路を堰止めることにより、田んぼの濁水を押さえることができます。 取組み状況 H18年度 約40ha H19年度 約80ha 地域によし 多くの人が田んぼを訪れるようになり、交流が生まれ、田んぼに人と生き物のにぎわい が戻ります。 農家によし 『魚のゆりかご水田米』として、魚にやさしい田んぼでつくられた、人にも優しい安全で 安心な米のブランド化を目指しています。 子どもによし 農業が機械化され、子どもたちが水田や畑に近づく機会が減りました。田んぼに魚が いることで、子どもたちも水田、米づくりに興味を持つようになります。 湖国名産『ふなずし』 ヨシ群落の保護・再生 琵琶湖のヨシ群落の面積 ● 様々な動植物の生息・生育場所、豊かな生態系を形成 ● ヨシ群落が風や波を弱め、湖岸の浸食を防止 ● 窒素やリン等の吸収により水質浄化 ● よしず等の生活用品として、また環境学習の場として活用 ● 琵琶湖の原風景、湖国の風土や文化を守る心の支え 300 261 250 200 128 143 平成4年 平成14年 150 100 50 0 ◇琵琶湖のヨシ群落は、埋め立てや湖岸堤の整備等により、 昭和30年代と比べて著しく減少 ◇このため、平成4年に全国でも例のない『ヨシ群落保全条例』 を制定し、ヨシ群落の保全に努めている 残されたヨシ群落を保全区 域に指定し、開発を凍結 魚の産卵場所 としてのヨシ群 落の造成 自然護岸とし てのヨシ群落 の造成 衰退したヨシ 群落の自然再 生 昭和28年 (5)漁師さんこそ、琵琶湖の守り手! 琵琶湖と暮らしの関わり 琵琶湖と暮らしの関わり 生物多様性=生き物のにぎわい =人のにぎわい 2009.9.27 水と文化の多様性を支えるのは 人々のコミットメント 琵琶湖と比叡山 西方浄土~神と仏が住まう風景~ ご静聴、 ありがとうございました
© Copyright 2024 ExpyDoc