30周年を迎える「みのお市民人権フォーラム30th」 外国人問題を扱う分科

MAFGA(公財)箕面市国際交流協会 月刊情報誌 めろん No.99(2015 年 12 月 1 日発行)
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No.99
メロン、丸い形は地球に見える?メロンのようにおいしく、その表面の網目のように
緻密なネットワークを広げる月刊活動情報誌をめざします!
……6
告 知
人権フォーラム分科会で「ヘイトスピーチ」
を上映……1
報 告
シリーズ
となりの外国語「児童書のススメ」
……2
カレンダー
12月の comm cafe ランチカレンダー
……7
紹 介
地域の国際交流団体紹介「カルナーの会」
……3
速 報
多民族フェスティバル終了しました!
……8
投 稿
特派員報告「戦争の記憶をつなぐ博物館」
……5
お知らせ
協会、他団体からのお知らせ、編集後記
…10
「水と緑で平和を創る」講演会
30周年を迎える「みのお市民人権フォーラム30th」
外国人問題を扱う分科会は、コムカフェで「ヘイトスピーチ」を上映!
ヘイトスピーチ。2013年度の「流行語大賞」トップ10に選ばれるほど、深刻に社会問題化している。コムカフェでは、
「みのお市民人権フォーラム」の分科会として、ドキュメンタリー映画「ヘイトスピーチ」を上映する。
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INF 「みのお市民人権フォーラム 30th」第 6 分科会(テーマ:在日外国人問題)
『ヘイトスピーチ』って何?∼ドキュメンタリー映画『ヘイトスピーチ』を観て考える∼
●日時12月6日
(日)14:00∼16:00 ●場所:箕面市立多文化交流センター comm
ささき こうや
cafe
●講師:佐々木航弥さん ●参加協力費
(分科会のみ):500円(※センターにてチケットを販売中。詳細はP11参照)
ヘイトスピーチをはじめとするヘイトクライムi)は、決して
* * * * *
遠い世界のことではない(箕面市でも近年公共施設に差
講師はフリージャーナリストの安田浩一さん。ⅱ) ヘイト
別落書きが見つかったこともある)。東アジア諸国との関
スピーチは、2007年頃から、ネット上での「愛国者は抗議
係が、かつてないほど緊張している昨今、これらの憎悪表
しよう」という呼びかけに応じる形で、外国人関連の公判
現とどう向き合うか。少し前の話になるが、毎年後援団体
のある日に裁判所前で抗議活動をする動きが見られるよう
の一つとして協会も名を連ねている「第15回多民族共生人
になったという。ただ、その頃はメディアも「一部の人が
権研究集会」の記念講演「ヘイトスピーチから考える多民
やっていることだから」と、正面から取り上げることはな
族共生の現在」
(7月22日
く、安田さん本人も、重大なことを見過ごしてきたという。
開催)に参加したので、当
それは、ヘイトスピーチによる「被害者の顔」。差別する
協会で分科会が開催され
側の風景を見て「ひどい光景」、
「許されない」などと思っ
るこの機会に少しだけ報
たとしても、
マジョリティである日本人なら、1週間もすれば
告したい。
忘れてしまう。けれど、ヘイト(憎悪)表現により、確実に
発行・差出人 : 公益財団法人箕面市国際交流協会(MAFGA)
〒562-0032 大阪府箕面市小野原西5−2−36 箕面市立多文化交流センター内
Tel:072−727−6912 Fax:072−727−6920 E-mail:[email protected] Web サイト:www.mafga.or.jp
賛助会員数:329名 法人会員数29団体(2015年11月23日現在)
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MAFGA(公財)箕面市国際交流協会 月刊情報誌 めろん No.99
(2015 年 12 月 1 日発行)
心に深い傷を負う被害者がいるということ、そしてそういう
* * * * *
被害者が増えることにより、どんどんと社会が壊されてい
90か国を超える多くの国にルーツを持つ在日外国人が
くということは、あまりにもフォーカスされてこなかった。
暮らす街、箕面。
「いっさいの差別を許さないために話す、
ヘイトスピーチは、ののしりなど、単なる言葉の問題で
語る、伝える、分かち合う」をテーマに、毎年30もの構成
はない。圧倒的な力関係を利用した、マジョリティの、マイ
団体で実行委員会を組織し、企画から実施まで、すべての
ノリティに対する差別や偏見を増幅、拡散、扇動させる装
プロセスを協働でおこなうフォーラムを開催し続けてき
置だ。私たちは、ヘイトをされる側の痛みをどれだけ想像
た。行政やNPOが一緒に動く場は貴重だが、30年間の積
してきただろう。
み重ねは、差別や偏見に苦しむ人たちへの力になっている
ヘイトをする側に、際立った特徴は特になく、老若男
のだろうか?ますます厳しい現実を前に考えさせられる。
女、OL、フリーター、高齢者・・・まさに “社会の縮図”で
今回上映する作品は、大阪芸術大学で映像学科の学生
ある、という言葉が印象的だった。社会を構成する人の
だった大学生2人による卒業制作だという。彼らは、ヘイト
10%程度ほどを占めるようだ、とも。残念ながら、我々の
スピーチをおこなうデモとそれに抗する人たちを目にし、
暮らす社会は一定の割合で「マイノリティの人たちをのさば
「どうしてこんなことが起きるのだろう」と疑問を持ち、そ
らせると我々がやられる」と感じる人を生み出す社会だと
の思いを対立する双方の当事者へぶつけたとのこと。制作
いうことになる。毎日のように全国のあちこちで繰り返され
者のひとり、佐々木航弥さんから直接話を聞くことのできる
るヘイトデモを、
「嫌だなあ」とみているだけでは、結果と
貴重な機会を、ぜひお見逃しなく。
(岩城)
して、そのような社会を容認、許容しているのだと感じた。
ⅰ)ヘイトクライム:少数民族、社会的マイノリティへの「憎しみ」に基づく差別犯罪。
ⅱ)安田浩一:著書に「ネットと愛国−在特会の闇を追いかけて」、
「差別と貧困の外国人労働者」などがある。
その
シリーズ
となりの外国語 4
児童書のススメの巻
島国日本では外国語と出会う機会が少ない。外国語を知ることは、
「違い」を認め合う多文化共生への
近道では? このコーナーでは、外国語に触れる機会を紹介する。
外国語で書かれた本を読んでみたい!でも難しそうで挑戦できない!そんな悩み
を抱えている人はいないだろうか?そんな人に贈りたい言葉が「児童書のススメ」
である。
私が初めて洋書に触れたのは、小学六年生のときのことだ。大好きなファンタ
ジー小説『デルトラ・クエスト』シリーズの著者であるエミリー・ロッダ氏が来日
しサイン会を行うとのことで、せっかくだから、と英語で書かれたものを購入した。
当時は途切れ途切れにしか読めなかったが、中学校に入って英語文法を勉強するよ
うになり、自分の力で読むことができたときには大きな達成感を得た。そう、児童
向けの洋書は、たいていが平易な英語で記してあるのだ。日本語に翻訳されたもの
だけではなく映画も公開されている作品であれば、もしわからない箇所があっても、
それらを比較することで物語の大意を掴むことができる。
洋書といえば英語?いやいや、そんなことはない。現在は多くの書店で、英語以
外の言語で書かれた本も取り扱っている。忘れもしない高校一年生のころ、私はど
うしても、ドイツ人児童文学作家のラルフ・イーザウ氏の『暁の円卓』シリーズを
原書で読みたくなり、書店で注文したことがあった。そして言われたのがこの言葉
である。「ドイツより船で運んでくるので、お渡しまで一ヶ月ほどかかります」船
で!今やたった本一冊でも、外国から注文できる時代なのだ。
何か読んでみたいな、と思ったそこのあなた。まずは昔慣れ親しんだ児童書を、
外国語で読むことから始めるのはいかが?(土肥)
MAFGA(公財)箕面市国際交流協会 月刊情報誌 めろん No.99(2015 年 12 月 1 日発行)
地域の国際交流団体紹介 (15)
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「カルナーの会」
北タイのストリートチルドレンの支援団体
「カルナーの会」
(以下、カルナーと略称)が支援して
の使途と結果を検証し、新しい課題を協議する。その協議
いるのは、タイ北部の都市チェンマイ、チェンライのストリー
から里親制度以外の様々な支援が生まれた。
トチルドレン。子ども達の親は近くの国境地帯に住む少数
山岳民族。彼らはその地域を自由に行き来していたが、あ
●里親制度による支援
る日国境が引かれたため、無国籍のまま取り残された。ど
1999年にカルナーがまず始めたのが里親制度。VCDFが
の国からも違法入国者として追われ、預金通帳も、バイク・
選んだ4−12歳の子どもと1対1で里親、里子の関係を結
車の免許も、もちろん社会保障もない人たち。子ども達はタ
び、子どもが進学を続ける限り支援を続ける(長い場合、1
イ北部の都市に流れ、ストリートチルドレンとなった。彼ら
人の子どもを10年以上支援)。小学生に2万円強、中学生
は人身売買、売春、HIVや麻薬ビジネスの危険にさらさ
以上に3万円弱を毎年教育費として提供する。同時に手紙
れる。タイ語ができないため一層危ない。一番救済が難し
のやり取りで子どもと交流する。誕生日は分らないので
い子ども達といえる。
「誕生日」と言う言葉は禁句。手紙のやり取りができる人
こういう子ども達の支援は多くの人の協力がなければで
しか里親にはしない。財団からは子ども達の学校の成績な
きない。地球市民としての自覚を持って、様々な国の人たち
どすべての報告が来るという。学年でトップの子もいる。な
と国際的な支援の仕組みを作り上げていくしかない。カル
お、手紙のやりとりのために翻訳ボランティアグループを組
ナーの会員は一般の市民。彼らは自分たちのお金と行動で
織している。手紙のやりとりのほかに、毎年ツアーが組ま
国際的な助け合いの仕組みを
れ、里親は里子に会って励まし、成長ぶりを確かめる。これ
作り上げた。過 去16 年にわた
まで140名の里子を支援した。
り、子ども達の支援を行ってき
里子から里親への感謝の手紙を1例紹介する。
て、1 5 年目に初めて子どもの
1人(右写真)が大学を卒業。
彼女は現在、子ども達を支援す
る側の中心メンバーになって活
躍しているという。カルナーの
いおりや
活動について会長の庵 谷さん
にお話をうかがった。
初めての大卒者ミターさん
●「カルナーの会」
アチャー君(中三男子)
「カルナー」とはタイ語で「慈しみ」を意味する。
「カル
僕はこれから進学するのが良いか、
将来何になりたいか、決められない
でいます。お母さん、子どものときか
らここまで支援してくれて感謝してい
ます。しかしお母さんに何もあげるも
のがないし、特別なお礼もすることが
できません。この手紙も紙自体には
価値がありません。しかし、この手紙
は僕自身の精一杯の気持ちをこめて
お母さんに書いています。何時までも
元気でいてください。
(2013年)
ナーの会」は1992年に発足しタイの学生の支援を行なって
いたが、タイ北部の無国籍ストリートチルドレンの悲惨な状
一方、学校を逃げ出して自由気ままな路上生活に戻る子
況を見て、1999年2月から彼らの支援に活動を切り替えた。
もいる。里親はがっかり。ツアーではこういう子ども達も訪
単独ではできないので提携出来る相手を探し、アーサー・
ねて、気にかけていることを伝える。里子支援は辛抱のいる
パッタナー・デック財団(英語名:Volunteer for Children
活動である。
Development Foundation以下、VCDFと略記)と提携し
た。今のVCDFは1999年当時、子ども達を支援するNGOと
●里親制度以外の様々な支援活動
して生まれたばかり。しかしNGOを主導する先生二人に
【施設面での支援】
会って話を聞いた庵谷さんは、二人の熱意を信じて提携し
《子どもの家》
たという。その後そのNGOはフランスほか色々な国の支援
まず子ども達の住環境を良くする必要があった。2006
グループとも繋がり、財団に発展した。
年、チェンマイに「子どもの家」が日本外務省の草の根無
カルナーの活動はVCDFとの信頼関係に基づく連携が
償資金で建設された。VCDFが申請したが、カルナーも在
あって初めてなし得る活動である。実際の活動の大半は現
タイ日本大使館に嘆願書を提出し側面支援した。家の
地にいるVCDFが行う。カルナーは里親制度で子どもを支
完成後、カルナーはその運営費を支援するため在籍する
援しながら、定期的にVCDFと会議を持ち、提供した資金
子ども約40名の年間食費相当額を毎年送金している。
MAFGA(公財)箕面市国際交流協会 月刊情報誌 めろん No.99
(2015 年 12 月 1 日発行)
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「家の修理業」、
「農業」、
「レストラン業」の三分野で
2015年からスキル習得を始めた。
「家の修理業」では、
子ども達の長期休暇に合わせ2015年9月末から日本人
大工を指導に派遣。資金は米国の会社が提供したという。
農業では有機農業、無農薬をめざ-している。現在3か月
ごとにVCDFと打合わせをしている。
先ほど里親への手紙を紹介したアチャー君、実は今自立
支援プロジェクトで頑張っている。彼は学年トップの成績で
あったが、無国籍で奨学金がもらえないと分り進学を断念
里子たちの3回目の同窓会。2014年7月。
せざるを得なかった。
2008年にはチェンライにもフランスの団体の資金で「子
《奨学金プログラム》
大学などに進学した子どもは寄付で支援していたが、人
どもの家」が完成した。
数が増えてきたため2015年に奨学金プログラムをスタート。
《交流・訓練の場》
現在、大学在学5名(短大含む)。
次に、里親が訪問したときに子ども達と交流する場、
子ども達の訓練の場が必要であった。カルナーは資金を
提供して、両「子どもの家」敷地内に交流・訓練の場と
なる施設を建設した。
(2007年チェンマイ、2008年チェ
カルナーの会員は約100名。本部は箕面にあるが会員は
ンライ)
り、タイ旅行でカルナーの活動を知って入会した人たち。カ
【教育・自立支援】
今、一番力を入れているは自立支援であるが、他の教育
支援など合わせて紹介する。
《教育ファンド》
先ず2002年に里子になれなかった子のために「教育
ファンド」を立ち上げ、毎年平均15名が学べる資金を
送っている。
《子どもの作品販売》
全国に散在している。新会員の多くは子どもの作品を見た
ルナーは会費、寄付(募金)、事業収入を原資に毎年総額
250万円前後の支援をしている。子ども達が地域を支える人
材に育ち、その一部が子どもの支援に回る、そういうサイクル
が生まれるのが会員の夢だという。子ども達への強い思い
が活動を持続させている。(荻野)
2008年には、子ども達が作ったバティック(ろうけつ
染め)などの作品をカルナーが販売することで彼らを支
援する事業もスタートした。現在、国内8店舗で委託販
売している。
「多民族フェスティバル」、
「箕面まつり」な
どでも毎年出店している。
《自立支援》
子ども達が無国籍のため就職で差別されると分って
きたため、2013年ころから子どもたちにスキルを習得さ
せ自立を支援する検討に入った。子ども達と話しあって
チェンライ子どもの家。右が会長の庵谷さん。
バレーボールチームの練習を
体育館で見学できます!
箕面市粟生外院6−2−41
Tel&Fax:072-728-1221
E-mail : [email protected]
URL : http://espero-osaka.com/
サンバーズ
練習スケジュールは
オフィシャルページで発信中 !!
サントリー箕面総合トレーニングセンター
TEL:072−729−7324