ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策について法の整備を求める意見

ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策について法の整備を求める意見書
近年、日本国内ではヘイトスピーチが大きな社会問題となっている。
2009 年 の 京 都 府 朝 鮮 第 一 初 級 学 校 や 、 2011 年 の 奈 良 県 水 平 社 博 物 館 前 で
の 街 頭 宣 伝 行 為 に 対 し て 、い ず れ も 裁 判 所 は 差 別 と 認 め 、損 害 賠 償 等 の 判 決
が 確 定 し て い る 。こ の よ う な 事 例 の ヘ イ ト ス ピ ー チ は 、単 な る 侮 辱 に と ど ま
らず、国籍や人種、出身によって人々を差別する社会的排除と暴力であり、
決して許されるものではない。
国 連 人 種 差 別 撤 廃 委 員 会 は 、 昨 年 8 月 29 日 異 な る 人 種 や 少 数 民 族 に 対 す
る差別をあおるヘイトスピーチを行った個人や団体に対して、
「捜査を行い、
必 要 な 場 合 に 起 訴 す る べ き だ 」と 日 本 政 府 に 対 し 毅 然 と 対 処 す る よ う 勧 告 す
るなど、国際社会からも厳しい指摘がなされている。
八幡市では、総合計画で、市内在住の外国人との交流が進むことにより、
市 民 の 国 際 感 覚 が 高 ま り 、多 文 化 理 解 が 進 む こ と を 目 指 し て い る 。ま た 、ま
ち づ く り の 基 本 目 標 の 一 つ に「 人 権 を 大 切 に し 、み ん な が 力 を あ わ せ て ま ち
づ く り を 進 め る ま ち 」を 掲 げ 、様 々 な 人 権 問 題 の 解 決 に 向 け て 、人 権 意 識 の
高揚を図る取り組みを推進している。
今 後 、さ ら に 一 人 ひ と り の 人 権 が 尊 重 さ れ 、そ こ に 住 む 人 々 が 平 等 で 、安
心して暮らせる多文化共生社会が求められている。
2020 年 に は 、東 京 オ リ ン ピ ッ ク・パ ラ リ ン ピ ッ ク が 開 催 さ れ る が 、ヘ イ ト
スピーチを放置することは国際社会における我が国への信頼を失うことに
もなりかねない。
社 会 の 平 穏 を 乱 し 、人 間 の 尊 厳 を 侵 す 行 為 と し て 、そ れ を 規 制 す る 法 整 備
がされている国もある。
よ っ て 、国 お よ び 政 府 に お か れ て は 、表 現 の 自 由 に 十 分 配 慮 し つ つ も 、人
種 及 び 社 会 的 マ イ ノ リ テ ィ ー に 対 す る ヘ イ ト ス ピ ー チ 対 策 に つ い て 、国 内 法
の整備を進めるよう強く求める。
以 上 、 地 方 自 治 法 第 99 条 の 規 定 に よ り 意 見 書 を 提 出 す る 。
提出先
衆議院議長 参議院議長
法務大臣 内閣官房長官
内閣総理大臣 総務大臣
国家公安委員会委員長
提出日:平成27年6月29日
提出者:八幡市議会議員
賛成者:八幡市議会議員
岡田秀子
山田芳彦
太田克彦
山本邦夫
小北幸博
鷹野雅生
議決結果:平成27年6月29日原案可決
森川信隆