KENPO 特集 データヘルス 計画 元 年 り組みを促す内容となっています。 2015年度は、所謂「データヘルス計画」元年 と言うべき年であり、全ての健康保険組合 (2014年3月末現在1,419組合)において、保 有する医療情報の調査・分析から、効率的かつ 効果的な保健事業の取組みが開始されます。昨 年厚生労働省は、事業開始に先立ち、モデルと なる「データヘルス計画」として、52の健康保 険組合の計画を公表しました。当健康保険組合 の「データヘルス計画」は、そのうちの1つとし て選定されました。そこで今回は「データヘル ス計画」実施導入の背景と当健康保険組合にお ける取組み内容について、ご案内いたします。 「データヘルス計画」導入の背景 (2000年度以降の健康をめぐる施策【図1】) A 「健康日本21(21世紀における国民健康づくり運 動の推進) 」 ∼健康づくり対策の本格化∼ [対象期間:2000年度∼2012年度] 【図1】国が提唱してきた近年の保健事業 2000年度以降の健康をめぐる施策 健康日本21 (2000年度∼ 2012年度) 壮年期死亡の減少 健康寿命の延伸 生活の質の向上 特定健診・特定保健指導の実施 (第1期:2008年度∼2012年度 第2期:2013年度∼2017年度) 生活習慣病予防 健康日本21 (第二次) (2013年度∼2022年度) 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底 他 データヘルス計画 (作成:2014年度 実施2015年度∼2017年度) B 「特定健康診査(特定健診)」「特定保健指導」 ∼疾病予防の重視∼ [対象期間:第1期2008年度∼2012年度 第2期2013年度∼2017年度] 糖尿病等の生活習慣病は、内臓脂肪の蓄積に起因する場 合が多く、肥満に加え、高血圧、高血糖及び脂質異常の状 態が重複した場合には、脳卒中や心疾患のリスクが高くな ることから、2008年度よりメタボリックシンドローム(内 国は、生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に 臓脂肪症候群)に着目した「特定健診」と「特定保健指導」 関する課題について目標を設定し、新たな健康づくり運動 が開始されました。「特定健診」は、生活習慣病の発症や として『21世紀における国民健康づくり運動「健康日本 重症化の予防を目的としたものであり、生活習慣病の発症 21」』を2000年度より開始しました。その背景には、急 前の段階であるメタボリックシンドロームの該当者やその 速な高齢化や生活習慣の変化により、疾病の構造が変化し、 予備軍を発見するための健診です。 疾病全体に占めるがんや虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿 病等の生活習慣病の割合が増加してきたことが挙げられま す。そのため「健康日本21」では、健康寿命の延伸及び C 「健康日本21(第二次)」∼健康寿命の延伸∼ [対象期間:2013年度∼2022年度] 生活の質の向上を実現することを目的として、9分野(① 栄養・食生活 ②身体活動・運動 ③休養・こころの健康 国は従来の「健康日本21」を改定し、2013年度より「健 づくり ④たばこ ⑤アルコール ⑥歯の健康 ⑦糖尿病 康日本21(第二次) 」を開始しました。中心課題は「健康 ⑧循環器病 ⑨がん)からなる具体的な目標を提示し、 寿命の延伸」であり、平均寿命と健康寿命(日常生活に制 国民が一体となった健康づくりに関する意識の向上及び取 限のない期間)との差に着目しています。平均寿命と健康 4
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