新事業・新製品の創生 (PDF形式、833kバイト)

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日立化成の価値創造プロセス
マテリアリティ報告
事業
新事業・新製品の創生
基本的な考え方
日立化成は、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神
成の継続的な成長のコアとして不可欠のものであり、
をもって、化学を超えた「新たな価値」
を創造し、社会
長年培ってきた広範な技術基盤を基に、リソースを効
やお客さまの期待を超える「驚き」
を提供することをグ
率的に投入しアウトプットに結びつける研究開発体制
ループ・ビジョンとし、社会や市場の潮流を俯瞰し、10
のもと、お客さま、社外研究機関などとの協業も活用
年以上先のニーズを見据えて新製品・新事業の創生に
し、各種施策を推進しています。
取り組んでいます。新製品・新事業の創生は、日立化
日立化成の特徴
プロジェクト化による、経営層直下の研究開発マネ
の研究開発プロジェクトを推進しています。
ジメントで、新規事業創生を強化・加速させています。
また、既存事業の次期大型新製品の早期立上げの
既存事業の延長線上に無い大型新規事業を創出する
ために、エレクトロニクス、電池事業を中心に N e x t - X
ために、筑波総合研究所が中心となって、環境・エネ
プロジェクトと名付けた 14 プロジェクトを、研究所・
ルギー分野、ライフサイエンス分野、社会インフラ分
事業部開発部門が一体となって専任体制で推進して
野における Super-X プロジェクトと名付けた合計 8 つ
います。
研究開発体制
Super-X・Next-X プロジェクトの推進
新事業本部
マーケティング
グループ
筑波総合研究所
社会・技術
潮流分析
マーケティングセンタ
知的財産戦略室
先端技術
探索
新事業推進センタ
メディカル事業ユニット
Super-X プロジェクト
(新規事業)
Next-X プロジェクト
(既存またはその延長線上の事業)
2014年度の取り組み
アイドリングストップシステム車向けの
化技術、高耐久性技術の開発に成功しました。
次世代鉛バッテリー技術を開発
高容量化技術:
( I S S ) 車向けに、容
電極に使用される電池活性物質を多孔質にするこ
量・耐久性を高めた次世代鉛バッテリー技術を開発し
とで、電解液との接触面積を増やし、5%の容量拡大
ました。
を実現。これにより、エンジンの始動性が高まるほ
アイドリングストップシステム
※1
I S S は燃費改善、C O 2 削減による環境負荷低減など
の目的で多くの自動車に採用されており、グローバル
レベルで急激に市場が拡大しています。日立化成は、
2010 年よりI S S 車 向 け鉛 バッテ
リーを販 売しており、お客さまか
ら高 い 評 価 を い た だ い てきまし
た。そして今日、日立化成の強み
で ある材 料 加 工 技 術 などを活 か
し、ISS 車用鉛バッテリーの高容量
Annual Report 2015
か、自動車の電気負荷増に対応します。
高耐久性技術 :
特殊な不織布を従来のセパレータと併用すること
で、電極の上下で電解液の濃度が異なるために起こ
る電極の劣化現象 ( 成層化 ) を抑制させ、バッテリー
の耐久性 200% ※ 2 増加を実現します。
※ 1車両の停止・発進に合わせて、エンジンの停止・スタートを自動的に行うシステム
※ 2当社現行 ISS 車用バッテリー比較。当社基準の PSOC( 部分充電状態 ) 条件の耐久
性試験において上記性能を確認しました。
日立化成の価値創造プロセス
性能を一段と向上させた
象が発生していました。UVB-ACF は FPD ガラス基
2 種類の新たな異方導電フィルムを開発
板の反りを従来比で 50%低減でき、基板のさらなる
タブレットPC やノートパソコン、液晶テレビなどの
薄型化に貢献します。
フラットパネルディスプレイ(FPD)
に広く使われてい
る回路接続用異方導電フィルム(ACF)
は、日立化成
(2)
高精細化に対応する PAL-ACF
( 粒子超分散配置型異方導電フィルム )
が世界に先駆けて開発した回路接続用材料です。
高精細化、いわゆる回路のファインピッチ化に関
日立 化 成は、さらなる薄 型 化と高 精 細 化に対 応
して、流 動 性を制 御した接 着 剤 中に導 電 粒 子を均
するため、基盤技術である機能性樹脂・硬化剤設計
等・均一に分散配置させ、粒子密度 ※も従来比 54%
技術と、粒子分散プロセス技術を応用し、2 種類の
低減させたチップ・オン・グラス用新型 ACF を開発
A C F の新製品開発に成功しました。今後も高度な
しました。
技術と新製品の開発を通じて、FPD のさらなる発展
※粒子密度:垂直方向から光を照射し投影される、単位面積あたりの粒子の数
に貢献していきます。
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製品構造比較
液晶パネル
項目
チップ
従来 ACF
PAL-ACF( 新製品 )
導電粒子
配置状態
フレキシブル
配線板
ACF
タブレット PC
製品構造
(断面模式図)
製品構造
(実装断面写真)
(1)
ガラス基板の薄型化に対応する UVB-ACF
(UV 照射型異方導電フィルム )
基板が薄型化すると、ドライバー IC チップとFPD
実装外観写真
ガラス基 板との 間で温 度
(接続面積 1,200μ㎡)
差 が 発 生しや すくなりま
②顕微鏡画像
①微分干渉顕微鏡画像
す。従来の ACF で実装に
①対 向 電 極に
捕 捉された粒
子 数 にばらつ
きがある
必要な加熱温度では、FPD
ガラス基 板に反り( 歪 み )
②隣 接 電 極 間
に存在 する粒
子が 凝 集しや
すい
①対 向 電 極 間
に捕 捉された
粒子数が多く、
ばらつ きが 極
めて少ない
②隣 接 電 極
間に存 在 する
粒子が 均 一に
分 散 されて極
めて 凝 集 し に
くい
が発生し、この結果、FPD
FPD ガラス基板反り量(µm)
の色調が不均一になる現
製品外観
(UV 保護の防湿袋を採用)
KPI
コーポレート所属研究開発人員比率
30
25
(% )
100
20
最大 50% の反り低減を実現
15
80
60
10
UVB-ACF
5
0
90
100
110
150
ACF 実装温度(℃)
160
実装条件 IC チップ : 0.9mm×20mm×0.2mmt ガラス基板 厚み 0.2mmt, ITO-Metal 電極
170
情報通信
ライフサイエンス
基盤技術など
19
180
20
0
16
24
3
12
24
26
45
47
2012
2013
40
従来 ACF
80
環境・エネルギー
7
20
57
2014
Annual Report 2015