7・8章チャレンジ問題

7・8 章チャレンジ問題
(1) ある症状に対する新薬を開発し、実用化に向けて 10 人に実験を行なった。血液中のある物の数値を
それぞれこの新薬の使用前後で比較して
− 1.9,− 0.8,− 1.1,− 0.1,0.1,− 4.4,− 5.5,− 1.6,− 4.6,− 3.4
という値を得た。この 10 個の観測値は正規分布からの無作為標本であると仮定して、比較値の平均の
95%信頼区間を求め、考察せよ。
解答)
・母分散 → 未知、n=10 < 30 なので、【手法 (3)】を選択
・統計量 n = 10, X̄ = −2.33, s2 = 4.009, s = 2.002
・区間推定 95%の信頼区間で、α=0.05 なので、t9 (0.025)=2.262
よって信頼区間は、
√
√
4.009
4.009
−2.33 − 2.262
≤ µ ≤ −2.33 + 2.262
⇒ −3.762 ≤ µ ≤ −0.898
10
10
(2) ある大企業 A が男女の平均年収の差について調べることになった。無作為抽出で男子 50 名を選ん
だところ、その平均収入 610 万、標準偏差 53 万円、女子 40 名では、その平均年収は 530 万円、標準
偏差 42 万円であった。男女の平均年収の差の 95 %の信頼区間を求めよ。
解答)
・2 つの独立した母集団の差の検定である。母分散 → 未知、n > 30 なので、【手法 (7)】を選択。
・統計量 X:男子 Y:女子とする。
nX = 50, X̄ = 610(万), sX = 53, nY = 40, Ȳ = 530(万), sY = 42
・区間推定 95%の信頼区間で、α=0.05 なので、z(0.025) = 1.96
よって信頼区間は、
√
√
532 422
532 422
(610 − 530) − 1.96
+
≤ µX − µY ≤ (610 − 530) + 1.96
+
50
40
50
40
⇒ 60.37 ≤ µX − µY ≤ 99.63
(3)8 章【例題4】の問題で、両者の分散が等しいと仮定できない場合の【手法 (9)】を利用して母平均
の差の 95 %の信頼区間を求めよ。
解答)
c=
41.983
16
41.983
+ 80.5
16
8
2
= 0.2068
0.2068
(1 − 0.2068)2
1
=
+
= 0.0927
m0
16 − 1
8−1
∴ m0 =
1
= 10.783 , m = 11
0.0927
t1 1(0.025) = 2.201 なので信頼区間は、
√
√
41.938 80.5
41.938 80.5
(27.375 − 35.75) − 2.201
+
≤ µX − µY ≤ (27.375 − 35.75) + 2.201
+
16
8
16
8
⇒ −16.214 ≤ µX − µY ≤ −0.536
1
(4) 省略
(5)≪ 例題 8-1≫ で、数学の点の期待値が 80 点であるという仮定を否定できるか、有意水準 5%の片側
検定を行い、検討せよ。
解答)
・母分散 → 未知、n < 30 なので、【手法 (3)】を選択。
・統計量 n = 15, X̄ = 73.467, s2 = 398.838, t0 =
73.467 − 80
√
398.838
15
= −1.267
・検定 有意水準 5%の片側検定なので、t14 (0.05) = 1.761。
よって t0 > −t14 (0.05) なので棄却できず、否定は出来ない。
(6) ボルトの精度を考慮して、分散を 2 未満に抑えることを目標として制作している。≪ 例題 8-2≫ の
7 つの標本のデータで、この目標を達成できたかを、有意水準 5%の片側検定を行い、結論を出せ。
解答)
・H0 : σ = 2.0
H1 : σ < 2.0(左片側検定)
・母平均 µ → 未知なので、【手法 (5)】を選択。
(7 − 1)0.326
・統計量 n = 7, s2 = 0.326, σ = 2.0, χ20 =
= 0.978
2.0
・検定 有意水準 5%だが、左側検定なので、0.95 で見る。
χ26 (0.95) = 1.63538 より、χ20 < χ26 (0.95) なので、H0 は棄却、目標を達成出来たと言える。
2