圧縮材の座屈

2015/7/4
第12回 圧縮材の座屈
(弾性)座屈とは
• 座屈とは
• 座屈荷重
• 圧縮力を増していくと、降伏する前に横に
変形して不安定になる現象
• このときの圧縮力をオイラー座屈荷重とい
う
– 力の方向に無関係
– 材料強さに無関係
– 細長さと境界条件できまる
1
座屈現象
2
座屈現象(両端ピン)
L
P
x
P
P
x
v
P
v
の解は v  C1 cos kx  C2 sin kx
圧縮力をうけて座屈を起こした状態でのつりあいを考える
v  k 2 v  0
たわみが微小とすればたわみの微分方程式が成り立つ
境界条件:上図の場合 x  0, L で
d 2v
M ( x)

EI
dx 2
 v  k 2 v  0
 C1  0  C2 sin kL  0
前スライド
P
n
k2 
意味のある解は sin kL  0  k 
EI
L
n 2 2
2
2
 Pcr  EIk  2 EI 最小座屈荷重 Pcr  2 EI
L
L
教科書p.114(旧p.153)
xの点での曲げモーメントは M ( x)  Pv
2
ここに k 
v0
(力×距離)
P
EI
3
表10.1参照
4
1
2015/7/4
座屈現象(一端固定)
座屈荷重の一般表示(その1)
l
x
Pcr 
a
v
P
水平移動
v  C1 cos kx  C2 sin kx
le
2
EI ここに le :有効座屈長さ (建築では lk を用いる)
水平移動
材端条件
l
v'   kC1 sin kx  kC2 cos kx
微分方程式:
2
境界条件
le
両端ピン
le  l
一端固定
他端ピン
le  0.7l
両端固定
le  0.5l
v"   k 2C1 cos kx  k 2C2 sin kx
境界条件:上図の場合 x  0でM  0(v' '  0), x  lでv  0
  k C1  0  kC2 cos kl  0
(2n  1)
意味のある解は cos kl  0  k 
2l
2
最小座屈荷重 Pcr 
EI
(2l ) 2
拘束
2
図は水平方向に示されているが、実際は鉛直方向(柱の状態)となる
5
座屈荷重の一般表示(その2)
Pcr 
水平移動
l
2
le
2
6
演習10.1(旧12.1)
水平移動
材端条件
プラスチック E  2  10 N / mm
2mm
EI ここに le :有効座屈長さ (建築では lk を用いる)
30mm
注意
3
2
l=300mm
断面図
I
b D
30  23

 20mm 4
12
12
3
断面図2次モーメントの
小さい方に座屈する
境界条件
le
一端固定
他端自由
le  2l
1) 両端ヒンジ le  300mm
一端固定
他端ピン
le  2l
  2000  20
2) 一端固定、一端自由 le  600mm Pcr 
 1.09 N
2
両端固定
le  l
自由
教科書にない
図は水平方向に示されているが、実際は鉛直方向(柱の状態)となる
7
Pcr 
 2  2000  20
300 2
 4.39 N
2
600
 2  2000  20
l

210
mm
3) 一端固定、一端ヒンジ e
Pcr 
 8.95 N
210 2
2
  2000  20
4) 両端固定 le  150mm Pcr 
 17.5 N
150 2
8
2
2015/7/4
座屈応力度
 cr 
細長比と長期許容圧縮応力度(建築学会)
Pcr  2 EI  2 E


A le 2 A  le  2
 
r
fc
F
1
0.9
0.8
0.7
I
:断面二次半径
A
ここに r 
le
r
注意!建築ではi
を使っている
0.6
オイラーの座屈荷重
0.5
0.4
0.3
:有効細長比 注意!建築ではこれを
λとおいている。教科書
のλとは違う
放物線
0.2
学会図書では
0.1
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
座屈は座屈応力度が小さいほうの軸周りに生じる
9
座屈荷重の例
教科書p.75(旧p.63)問題5.1のL材
応力:
L
4m
1.2
1.4
1.6
1.8
2



 2 E :限界細長比
0 .6 F
SM490B ⇒F=325N/mm2⇒Λ=101.8
教科書の
 2 E に相当
y
10
座屈荷重の例
節点に向かう矢は圧縮
節点から離れる矢は引張
D
1

SN400B⇒F=235N/mm2⇒Λ=119.7
3m
安全率2.17
弾性座屈
安全率1.5~2.17
非弾性座屈
3kN
D
L材の断面を直径30φの鋼棒(SS400:F=235N/mm2)とする
3kN
A
L
3
D  3  D  5kN (引張)
5
r
4
D  L  0  L  4kN
5
D 2
4
D 4
64
I
4
D
 7.5mm
4

D 2
圧縮応力度:

C 
座屈応力度  cr 
荷重:4kN(圧縮)
境界条件:D材より拘束されるので両端ピンとする lk  4m
(面外にも拘束されているとする)
D 4
 707mm 2
64
 39760mm 4
le 4000

 533
7.5
r
N 4000

 5.7 N / mm 2
A 707
 2E
 le 
 r 


2

3.14 2  2.05  105
 7.1N / mm 2
5332
よって、荷重によってL材は座屈しない
しかし、荷重が増すと降伏前に座屈する
11
12
3
2015/7/4
軸力と曲げが作用する材の応力度
両方が同時に働く場合、弾性
では重ね合わせられる
対称軸周りに曲げ
モーメントMが働く場
合
圧縮
軸力Pが図心に
働く場合
偏心距離
図心に作用するPとMは図心からeだけ離れたPに置き換えられる(第
二回p29-30参照)
圧縮
M
M
P +
P
P
=
e
P
引張(+)
P
A

y
引張

M
y
I
y
引張

圧縮
圧縮
P
=
P
P
e
y
y
引張
P
P
e
P
M
圧縮(-)
:偏心距離
M
M
M
P +
P M

y
A I
M
P
M=Pe
引張
13
14
断面の核
矩形断面の核
• 偏心距離によって断面内の垂直応力度分布は
異なる
• 断面内に圧縮応力度しか生じないような偏心軸
力の作用領域を断面の核という
y軸上で
B’
引張が生じる
E
A
h
6
z
C
D
P Pe
t   
0
A Zt
e 
t
B
h
h 6
左図の状態で
e
C’
z軸上で同様に
P
P
e
ey 
A’
Zt
A
b b
6 6
b
y
圧縮しか生じない
15
D’
Z t bh 2 1 h



A
6 bh 6
ez 
b
6
AB上の点Eに偏心軸力PEが作用するとすると
PEはA点B点に作用する力PA、PBに分解できる
PA では縁C’D’が応力度ゼロで他は圧縮応力、
PBでは縁A’D’が応力度ゼロで他は圧縮応力
となるから、E点より内側の点では引張応力は
発生しない
したがって、図のひし形内部が矩形断面の核で
ある
16
4
2015/7/4
円形断面の核
A  r 2 , I 
e
r
r
4
D
I
r 4
4
, Z
r 3
4
Z r 3 1
r


A
4 r 2 4
 D
64
17
5