クリオピリン関連周期熱症候群の 医療費助成制度について

クリオピリン関連周期熱症候群と診断された
患者さんとご家族のみなさまへ
クリオピリン関連周期熱症候群の
医療費助成制度について
監 修
京都大学大学院医学研究科 発生発達医学講座
教授 平家
俊男
先生
患 者 さんとご家族の皆さんへ
クリオピリン関連周期熱症候群(Cryopyrin-associated
Periodic Syndrome : CAPS) は乳幼児期より発症し、慢性
的な炎症症状によってさまざまな症状を呈する自己炎症性
疾患群の一つです。
クリオピリン関連周期熱症候群は長期的な療養が必要となり、
患者さんによっては長期にわたり高額な医療費を負担すること
があります。
平成 27 年 1 月 1 日より、
「難病の患者に対する医療等に関する
法律」に基づき、医療費助成対象疾病「指定難病」が拡大され、
クリオピリン関連周期熱症候群が対象疾患に追加されました。
また、同じく平成 27 年 1 月 1 日より「小児慢性特定疾病」の
医療費助成の対象疾病が拡大され、クリオピリン関連周期熱症
候群が対象疾病に追加されました。
本冊子では、クリオピリン関連周期熱症候群の患者さんの医療
費の負担が軽減される主な医療費助成制度を紹介しています。
患者さんの治療の一助になれば幸いです。
(この冊子に掲載されている内容は平成 27 年 2 月の情報を基に作成しています。)
2
CONTENTS
CAPS の主な医療費助成制度
1
指定難病の医療費助成制度
4
2
小児慢性特定疾病の医療費助成制度
6
3
乳幼児等の医療費助成制度
8
4
障害者医療費助成制度
9
3
1 指定難病の医療費助成制度
概 要
原因不明で治療方法が確立していない、いわゆる難病のうち、厚生労働大臣が
定める疾病を「指定難病」といいます。
指定難病については、患者さんの医療費の負担軽減を目的として、一定の認定
基準を満たしている方に対して、その治療に係る医療費の一部を助成します。
対象者
クリオピリン関連周期熱症候群に罹患していると認められる方で、次の 1 又
は 2 のいずれかに該当する方。
1 病状の程度が、あらかじめ定められた重症度分類の程度にある方。
2 同一の月に受けた指定難病に係る医療について、33,330円を超えた月数が、
申請を行った日の属する月以前の12ヵ月以内にすでに3ヵ月以上あった方。
自己負担額
指定難病の医療費助成における自己負担上限額(月額)
階層区分
(単位:円)
患者負担割合:2 割
階層区分の基準
(( )内の数字は、夫婦 2 人世帯の
場合における年収の目安)
自己負担上限額(外来+入院)
一 般
0
高額かつ長期(※) 人工呼吸器等装着者
0
生活保護
-
低所得Ⅰ
市町村民税 本人年収~80 万円
非課税(世帯) 本人年収 80 万円超~
2,500
2,500
市町村民税課税以上 7.1 万円未満
5,000
5,000
10,000
5,000
一般所得Ⅱ 市町村民税 7.1 万円以上 25.1 万円未満
(約 370 万円~約 810 万円)
20,000
10,000
(約 810 万円~)
30,000
20,000
低所得Ⅱ
一般所得Ⅰ
上位所得
(約 160 万円~約 370 万円)
市町村民税 25.1 万円以上
入院時の食費
全額自己負担
※「高額かつ長期」とは、月ごとの医療費総額が 5 万円を超える月が年間 6 回以上ある者
(例えば医療保険の 2 割負担の場合、医療費の自己負担が 1 万円を超える月が年間 6 回以上)。
4
0
1,000
手続きの流れ
1
難病指定医を受診し、所定の臨床調査個人票(診断書)の交付を
受ける。
2
診断書と必要書類を合わせて、都道府県窓口(保健所等)に
医療費助成の申請をする。
主な必要書類
3
4
特定医療費支給認定申請書、診断書、住民票、市町村民税(非)課税
証明書などの課税状況を確認できる書類、健康保険証の写し など
都道府県で審査を行う。
認定された場合、都道府県から医療受給者証が申請者に交付される。
認定されなかった場合は、その旨を通知する文書が交付されます。
* 手続きの詳細や申請書類については、住所地を管轄する保健所等で確認してください。
患者
受診・臨床調査個人票(診断書)
作成・治療
難病指定医
医療費助成の申請
都道府県の窓口
(保健福祉担当課や
保健所など)
受診・治療
指定医療機関
提 出
認定(医療受給者証)
非認定(通知書)
申請・指定
都道府県
申請・指定
「医療受給者証」の有効期間は、原則として申請日から1 年以内で
都道府県が定める期間です。1 年ごとに更新の申請が必要です。
5
審 査
2 小児慢性特定疾病の
医療費助成制度
(対象年齢:18 歳未満)
概 要
小児慢性特定疾病にかかっている児童等について、健全育成の観点から、患児
家庭の医療費の負担軽減を図るため、その医療費の自己負担分の一部が助成
されます。
対象者
クリオピリン関連周期熱症候群にかかっており、厚生労働大臣が定める疾病の
程度である児童等が対象です。
18 歳未満の児童等が対象です。
(ただし、18 歳到達時点において本制度の対象
になっており、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合には、
20 歳未満までが対象となります。)
自己負担額
小児慢性特定疾病の医療費助成に係る自己負担上限額について
階層区分
階層区分の基準
(( )内の数字は、夫婦 2 人子 1 人
世帯の場合における年収の目安)
自己負担上限額(外来+入院)
一 般
0
重 症(※) 人工呼吸器等装着者
-
低所得Ⅰ
市町村民税 本人年収~80 万円
非課税(世帯) 本人年収 80 万円超
1,250
1,250
市町村民税課税以上 7.1 万円未満
2,500
2,500
5,000
2,500
一般所得Ⅱ 市町村民税 7.1 万円以上 25.1 万円未満
(約 430 万円~約 950 万円)
10,000
5,000
(約 850 万円~)
15,000
10,000
一般所得Ⅰ
上位所得
(約 200 万円~約 430 万円)
市町村民税 25.1 万円以上
入院時の食事療養費
0
0
生活保護
低所得Ⅱ
(単位:円)
患者負担割合:2 割
500
1/2 自己負担
※「重症」とは、① 高額な医療が長期的に継続する者(医療費が 5 万円 / 月を超える月が年間 8 回以上ある場合)
② 小児慢性特定疾患治療研究事業の重症患者基準に適合する者
6
手続きの流れ
小児慢性特定疾病の医療費助成の申請については以下のとおりです。
1 指定医療機関にて受診する。
2 指定医療機関にて診断後、医師より小児慢性疾病の医療意見書を
手交してもらう。
3 2 で手交された医療意見書を添付の上、
医療費助成の申請を都道府県、指定都市、中核市に提出する*。
4 小児慢性特定疾病審査会にて対象患者さんの審査を行う。
5 都道府県、指定都市、中核市より
患者さん・ご家庭に認定・不認定の通知が送付される。
指定医療機関
対象患者の審査
都道府県・
指定都市・中核市
医療
意見書手交
小児慢性特定
疾病審査会
3. 申請
4. 認定・不認定
2. 診断
1. 受診
医療
意見書添付
患児、家族
* 申請のための書類(医療受給者証申請書)に関しては、各都道府県、指定都市、中核都市に
お尋ねください。
7
3 乳幼児等の医療費助成制度
(対象年齢:0~22 歳 <対象年齢は市区町村により異なる>)
概 要
乳幼児等医療費助成制度とは、各地方公共団体が乳幼児等の通院(外来)
・
入院に要する患者さんの自己負担金について助成する制度です。
対象者
各都道府県が事業を行っており、その実施主体は各市区町村です。従って、
各市区町村の判断で対象年齢や助成範囲の基準を設けていますので、助成
制度の内容や申請方法は各市区町村の窓口で確認してください。
8
4
障害者医療費助成制度
概 要
心身に重度の障害がある方を対象に医療費の自己負担額を軽減する制度です。
対象者
対象となる方が未成年者などの場合には保護者の方などに医療費が助成され
ます。都道府県や市町村が実施しており、対象となる障害の程度や、助成内容
は都道府県によって異なります。
窓口は市区町村の障害福祉課となります。
9
MEMO
MEMO
医療機関名:
ILA00008GK0001_0.5PH
2015 年 6 月作成