生存権裁判ニュース (NO.51) 2015年8月7日 生存権裁判を支援する全国連絡会 〒160-0022 東京都新宿区新宿 5-12-15KATOビル3階 メール [email protected] 電話03-3354-7431 FAX03-3354-7435 8月28日に最高裁要請、多数のご参加を〈11 時 15 分西門集合〉 署名提出に向け結集を 第1次集約日 8月25日(火) ♦日本母親大会で配布、署名用紙が全国連絡会へ届く 福岡県生活と健康を守る会連合会は毎年、日本母親大会の参加者へ 署名用紙を配布し協力を要請しています。今年は、焦眉の課題になっ ている青森生存権裁判の最高裁での審理を勝ち取るため、 「最高裁アピ ール署名(5人連記に) 」 「口頭弁論を開くことを求める」署名をセッ トにしてB4版で印刷、宛先を全国連絡会にし、82円切手はカンパ してもらう形にして神戸での日本母親大会で500組を配布しました。 8月10日現在、10通をこえる封書が全国連絡会へ届いています。兵庫、大阪、東京、埼玉、婦人 民主クラブ左京支部などなど。 福岡県生連の正中エミ子さんは「福岡提訴と戦争法のことを書いたチラシを同封して署名をお願い しました。10通でも来たら嬉しいです」と話しています。 ♦兵庫生存権裁判 大阪高裁10月14日結審へ 大阪高裁でたたかっている兵庫生存権裁判は7月29日に第2回口頭弁論が開かれ、準備書面(1) 「社会権規約に違反」することについて、その要旨を代理人が述べました。 原告側が要求していた証人尋問を取り上げず、次回で結審するという強硬姿勢に出ました。10月 14日結審。現地では、さらに署名を集めるなど今後の対応を検討します。 ♦7月9日静岡地裁に5人が提訴=裁判へ思い、生活窮状を語る 生活保護基準の引き下げは「健康で文化的な最低限度の生活」を奪うものだとして、静岡、袋井、 浜松市に住む5人が7月9日、3市に対して引き下げの取り消しを求める訴訟を静岡地裁に起こしま した。原告・支援者ら38人が参加しました。 「生存権にかかわる裁判を支援する静岡の会」共同代表 の大橋昭夫弁護団長は、裁判の意義をマスコミに問われ「生存権の内容を真正面から問うもの。国民 すべてと連帯できる内容。具体的な事実で訴えていき たい」と。共同代表の国京則幸静大教授は「基準引き 下げに至る手順に問題がある。この裁判の意義は大変 大きい」と追加発言しました。 原告団長の山本定男さんは、 「引き下げの前から大変 だった。食事は1日2回、1回にして、入浴回数も減 らしている。みんな苦しい生活をしている。みんなの ために先頭に立つことにした」と。原告の須川益雄さ んは、 「3年間で7,811円引き下げられた。子ども 1 が2人いるが、麺・お粥しか食べられないこともあった」と窮状を述べました。 (遠山陽一郎さん) ♦秋田で生活保護基準引下げ違憲訴訟 第1回口頭弁論(7月24日) 生活保護費の基準が引き下げられたのは違憲として秋田県内48人が県と能代、秋田、仙北、湯沢 の4市に引き下げ取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が7月24日、秋田地裁であった。訴状に よると、48人は2013年8月、2014年4月の厚生労働省による基準の改定で生活保護費が減 額され、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の水準を下回るようになったとし ている。 意見陳述に立った原告の一人、伊藤正信さん(62歳)は「生活保護費は月2,100円減った。生 活は逼迫し、節約も限界だ。すぐにでも減額を取り消してほしい」と主張した。 ( 「秋田魁新報」より) ♦9月にCPIの学習を企画 岐阜の結成総会で具体化 全国で生存権裁判を支援する会が作られているなか、岐阜でも井上英夫会長の呼びかけに応えて6 月28日(日) 、30人の参加で「生存権アクションぎふ」の結成総会を行い、代表に高木博史岐阜経 済大学准教授を選出しました。32番目の県です。 当日は井上会長と愛知県で裁判の弁護団に加わってみえる森弘典弁護士に講演をしていただきま した。全国での裁判の進み具合や原告として立ち上がった方が書かれた思いのつまった手紙などをパ ワーポイントで説明していただき、とてもよく分かる内容で、参加者はうなずきながら見入っていま した。愛知から来られた方もいました。NHKが取材に来られて、当日の夕方に放映されました。 今後の活動として9月19日(土)午後2時から中日新聞の白井記者に講師をお願いして、生活保 護基準引下げのもとになったCPIについてお学習会を計画しています。1人でも多くの人に生活保 護について理解をしてもらうために年4回程度の学習会を行い、裁判の傍聴、署名などをすすめてい きたいと考えています。 (事務局長 森下満寿美さん) シリーズ*原告の訴え 青森生存権裁判原告・川越 チソさん(80歳)の手記より 仙台高裁の判決を聞いて、裁判官のみなさんは生活保護を受けている人のことをどのように 思っているのか疑問に感じました。生活保護を受けている人はさらに生活費が少なくなり、 「死 ね」といわれているのと同じです。 最近は体調も良くありません。持病の膀胱がんに加え、手が痺れる手根かん症候群と膝症候 群で理学療法士のリハビリ受けており、そのためヘルパーさんを頼んでいます。 裁判の途中で夫が亡くなり、階段しかない団地の4階に住んでいるのも大変になって、息子 と同居することになりました。私は月2万円程度の年金しかないのですが、医療も介護もお金 がかるようになり負担していくのも大変です。 老齢加算が廃止されてから一番辛かったのは、育ての母親の葬式に、香典を準備できず参加 できなかったことです。母の親戚からはそのことを責められ、 「親子の縁を切る」と言われ、勘 当されてしまいました。命日には、村はずれのお墓にそっとお参りしていますが辛い気持ちで いっぱいです。 最高裁では、人並みの生活がしたいという生活保護の人たち、生活が苦しい人々の立場に立 って判決を出してもらいたいです。憲法25条は生活保護の人たちにもきちんと適用されてい るのか、そこを考えた判決を期待しています。 2
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