問題10(物理分野) 電源の電圧と電熱線を流れる電流の関係を調べるために以下の実験を行いました。 ただし、実験で用いた電熱線aは同じもので、導線の抵抗は無視できるほど小さい ものとします。 【実験1】 図1のように、電源装置、電圧計、電流計A、3Ωの電熱線aを用いて回路をつくり、 電源装置を調節して、回路を流れる電流の大きさをさまざまに変え、電流計Aと 電圧計が示す値を記録する。 【実験2】 図1のPQ間に接続した電熱線aを取り外し、かわりに電熱線a,b,電流計Bを 図2のようにつないだものを、PQ間に接続する。 電源装置を調節して、回路を流れる電流の大きさをさまざまに変え、 2つの電流計と電圧計が示す値を記録する。 図3は、実験2の結果について、横軸に電圧計が示す値を、縦軸に電流計Bが 示す値をとり、その関係をグラフに表したものです。 【実験3】 実験2で図1のPQ間に接続したものを取り外し、かわりに電熱線a,cを図4の ように導線でつないだものをPQ間に接続する。 次に、電源装置を調節して、電圧計が 0.5A, 1.0V, 1.5V, 2.0V, 2.5Vを示したとき、 電流計Aが示す値を記録する。 実験3の結果について、電圧計が示す値と電流計Aが示す値は以下のとおりです。 【電圧計が示す値[V]】 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5 のそれぞれにつき 【電流計Aが示す値[mA]】 100, 200, 300, 400, 500 (1) 実験1で電流計Aが示す値が400[mA]のときに、電圧計は何Vを示しますか。 (2) 以下は実験2について説明したものです。空欄の(A)と(B)にあてはまる文章を 選択肢の中からそれぞれ1つを選びなさい。 『電熱線a,bにかかる電圧の大きさを比べると(A)。また、電熱線a,bに流れる 電流の大きさを比べると(B)。』 (A)の選択肢 ア) 電熱線aにかかる電圧の方が大きい ウ) かかる電圧はどちらも同じである イ) 電熱線bにかかる電圧の方が大きい (B)の選択肢 ア) 電熱線aに流れる電流の方が大きい イ) 電熱線bに流れる電流の方が大きい。 ウ) 流れる電流の大きさはどちらも同じである (3) 実験3で用いた電熱線cの抵抗は何Ωですか。 (4) 実験1~3において、PQ間に同じ電圧をかけたとき、 PQ間の電熱線全体で1分間に発生する熱量の大きさを比較します。 発生する熱量の大きいものから順に左から並べたものとして、 最も適切なものを1つ選びなさい。 ア)【実験1】>【実験2】>【実験3】 ウ)【実験2】>【実験1】>【実験3】 オ)【実験3】>【実験1】>【実験2】 イ)【実験1】>【実験3】>【実験2】 エ)【実験2】>【実験3】>【実験1】 カ)【実験3】>【実験2】>【実験1】 (5) 測定する場所に対する電流計と電圧計のつなぎ方について、最も適切なものを1つ選びなさい。 ア) 電流計は並列につなぎ、電圧計は直列につなぐ。 イ) 電流計は直列につなぎ、電圧計は並列につなぐ。 ウ) 電流計も電圧計も直列につなぐ。 エ) 電流計も電圧計も並列につなぐ。 (6) 電流回路に豆電球や抵抗などを必ずつなぐ理由を簡潔に答えなさい。 問題10 解答) (1) 1.2v ※オームの法則より E=3[Ω]×0.4[A]=1.2[V] (2) (A)ウ ※並列回路なので電圧は同じになります。 (B)ア ※図3のグラフより、電熱線bの抵抗=0.5[V]/0.05[A]=10[Ω]であり、 電熱線aは3[Ω]なので、抵抗の小さい電熱線aに流れる電流のほうが大きくなります。 (3) 2Ω ※実験3のデータより 0.1[A]のとき、0.5[V]なので、実験3の回路全体の抵抗=0.5/0.1=5[Ω] 直列回路なので、電熱線cの抵抗=5-3=2[Ω] (4) ウ ※実験1の回路全体の抵抗=3[Ω], 実験3の回路全体の抵抗=5[Ω] 実験2の回路全体の抵抗<電熱線a(実験1)の抵抗(=3Ω) (※抵抗を並列に接続しているため) であるから、抵抗が一番小さい実験2で発生する熱量が一番大きいことがわかります。 よって 実験2>実験1>実験3 (5) イ (6) 大きな電流が流れて発熱するのを防止するため。
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