直流7 2 重ねあわせの理No

重ねあわせの理 No.2
前項の
例題 1
はキルヒホッフの法則を使っても解くことができます
では、どのような問題を解くときに 「重ねあわせの理」 が必要になるのかというと
定電流源 が出てきた時です(*1)
では、定電流源を使った例題をみてみましょう
例題
図 1 の回路において、
2Ω の抵抗に流れる電流を求めよ
図1
解説) 解き方は次の①~③の手順になります
① 回路の電源を 8A の定電流源のみ、とした時
2Ωに流れる電流値を求め、これをI1とする
② 回路の電源を 4V の電源のみ、とした時
2Ωに流れる電流値を求め、これをI2とする
③ I1 と I2 を合成すれば、2Ω に流れる電流値が求められます
注釈
(*1)
定電流源とは、どんな負荷をつないでも、一定の電流が流れる電源のことで
図記号は「
」 になります
では、実際に解いてみます
① 図 2 のように、4V の電源を短絡して
回路の電源を 8A の定電流源のみとし、2Ω に流れる電流 I1 を求めていきます
(このとき、回路全体に流れる電流、全電流の値は 8A になります I=8A )
電流の分流の式を使ってI1を求めます
(仮に 2Ωを R1、4Ω を R2 とする)
I1 
R2
 I 
R1  R 2
R2
R1
4
16
8 
24
3
図2
電源が 8A の定電流電源だけのとき
2Ω に流れる電流 I1 は
16
[ A ] になります
3
I1 
16
[A ]
3
② 図 3 のように、8A の定電流源は開放し
回路の電源を 4V のみ、として 2Ω に流れる電流 I2 を求めていきます
(定電流源は開放、と覚えてください)
回路の合成抵抗を求めます
4Ω と 6Ω 合成抵抗は
4+2 = 6
6 [Ω] になります
(定電流源が開放のため、抵抗直列回路として計算)
V
そして、I2 を I2 
の式で求めます
R
4
2
V
I2 


6
3
R
I2 
2
[A ]
3
図3
③ I1 と I2 を合成して、答えを求めます
I1  I2 
答
16
2

3
3

18
 6
13
6 [A]
ポイント
重ねあわせの理において、各電源の扱いは次のようになる
電圧源 は 短絡
電流源 は 開放