重ねあわせの理 No.2 前項の 例題 1 はキルヒホッフの法則を使っても解くことができます では、どのような問題を解くときに 「重ねあわせの理」 が必要になるのかというと 定電流源 が出てきた時です(*1) では、定電流源を使った例題をみてみましょう 例題 図 1 の回路において、 2Ω の抵抗に流れる電流を求めよ 図1 解説) 解き方は次の①~③の手順になります ① 回路の電源を 8A の定電流源のみ、とした時 2Ωに流れる電流値を求め、これをI1とする ② 回路の電源を 4V の電源のみ、とした時 2Ωに流れる電流値を求め、これをI2とする ③ I1 と I2 を合成すれば、2Ω に流れる電流値が求められます 注釈 (*1) 定電流源とは、どんな負荷をつないでも、一定の電流が流れる電源のことで 図記号は「 」 になります では、実際に解いてみます ① 図 2 のように、4V の電源を短絡して 回路の電源を 8A の定電流源のみとし、2Ω に流れる電流 I1 を求めていきます (このとき、回路全体に流れる電流、全電流の値は 8A になります I=8A ) 電流の分流の式を使ってI1を求めます (仮に 2Ωを R1、4Ω を R2 とする) I1 R2 I R1 R 2 R2 R1 4 16 8 24 3 図2 電源が 8A の定電流電源だけのとき 2Ω に流れる電流 I1 は 16 [ A ] になります 3 I1 16 [A ] 3 ② 図 3 のように、8A の定電流源は開放し 回路の電源を 4V のみ、として 2Ω に流れる電流 I2 を求めていきます (定電流源は開放、と覚えてください) 回路の合成抵抗を求めます 4Ω と 6Ω 合成抵抗は 4+2 = 6 6 [Ω] になります (定電流源が開放のため、抵抗直列回路として計算) V そして、I2 を I2 の式で求めます R 4 2 V I2 6 3 R I2 2 [A ] 3 図3 ③ I1 と I2 を合成して、答えを求めます I1 I2 答 16 2 3 3 18 6 13 6 [A] ポイント 重ねあわせの理において、各電源の扱いは次のようになる 電圧源 は 短絡 電流源 は 開放
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