目 次 第1章 フローチャート ····················································· 1 1 フローチャートの意味························································· 1 2 基本形······································································· 1 3 フローチャートの総合問題····················································· 6 第2章 三角関数 ····························································· 16 1 平面幾何····································································· 16 第3章 ベクトル・行列 ····················································· 24 1 ベクトル····································································· 24 2 ベクトルの応用······························································· 30 3 行 列······································································· 32 第4章 論 理 ································································ 38 1 論理(ブール代数)··························································· 38 2 論理回路····································································· 43 第5章 対 数 ································································ 48 1 対数の定義··································································· 48 2 対数の性質··································································· 48 第1章 1 フローチャート フローチャートの意味 フローチャートとは,流れ作業の見取り図である。 流れ作業には,必ず始まりと終わりがある。 START 処 作業開始 作業内容 理 作業終了 END ※ 2 流れ作業の基本的なルールとして,以下のことが挙げられる。 ・ 必ず START から始まり,END で終わる(END は 1 つとは限らない)。 ・ 矢印,判断記号がない限り,上から下へ作業を実行する。 基本形 フローチャートには,大きく分けて3つの基本形があり,これら3つを組合せることであらゆるも のを表現することができる。 (1) 直線型 処理 A 処理Aを行い,処理Bを行い,処理Cを行う。 処理 B 処理 C - 1 - (2) 枝分かれ(分岐型) 条件により,実行する処理を変える。 NO 条件 条件が YES の場合 処理 B →処理 A を実行 YES 条件が NO の場合 処理 A →処理 B を実行 (3) 繰り返し(ループ型) 条件が NO(YES)になるまで処理 A を行う。 条件 YES(NO) 処理 A NO(YES) [例題 1] 次のフローチャートを実行したとき,財布の中身はいくらになるか。 START 財布に 2000 円詰める。 1000 円の昼食をとる。 時給 1000 円のアルバイ トを 2 時間行う。 END [解答 1] フローチャートを追っていけば,解答にたどりつけるであろう。本問では全く数式を用いていない が,流れ作業の基本は数式を用いた場合でも変わらない。 正 - 2 - 解 3000 円 [例題 2] 次のフローチャートは,M 山君の日常を描いたものである。最終的に財布の中身はいく らになるか。 ただし,M 山君の彼女へのプレゼントは 30000 円,食事はフランス料理で一人前 15000 円であり,M 山君が二人分の食事の代金を支払うものとする。 街角で一目ぼれ START 財布に 2000 円つめる。 彼女にプレゼント ができる。 NO アルバイトをして 2000 円稼ぐ YES 彼女といっしょに 食事ができる。 NO YES プレゼントの準備をして 彼女とデートに向かう。 HAPPY END [解答 2] 順を追ってチャートをみてゆく。彼女にプレゼントができるまで,つまり,30000 円貯まるまで M 山君はアルバイトを行う。 つぎに,彼女との食事ができるまで(合計 60000 円)さらにアルバイトをしなければならない。 最後に彼女とのデートで 60000 円すべてを使い果たしてしまい,所持金は 0 となる。 正 - 3 - 解 0円 (4) 代入記号 A ← 1 (1 を A に代入) A ← A+1 (A に 1 を足したものを新たに A とする。) A ← B*C (B と C をかけたものを A に代入する。) [例題 3] 次のフローチャートを実行したとき,最終的に N の値はいくらになるか。 START N ← 25 N ≧ 50 NO N ← N/5 YES N ← N+2 END [解答 3] この問題で重要なポイントは,判断記号において N の値が,50 以上か否かで処理が異なるというこ とである。初めに N に 25 が代入されているので,判断記号の条件は NO となる。 N の変化を順に書けば, N=25 ――→ N=5 ――→ N=7 正 - 4 - 解 N=7
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