Collatz予想の変形について

Collatz予想の変形について
白柳研究室
5508094
藤田 純平
研究背景と目的
Collatz予想は1937年にLothar Otto Collatz教授
によって提唱された予想である。
本研究では、Collatz予想、Collatz予想の変形の
規則性に興味を持ったので、数式処理システム
Maple14を用いて、Collatz予想の変形に関する
現象を観測し、規則性を発見する。また、それ
によって、Collatz予想に対する解決の糸口を探
る。
Collatz予想
Collatz予想とは、任意の自然数nについて
𝑛
𝑖𝑓 𝑛 ≡ 0 𝑚𝑜𝑑2
𝑓 𝑛 =
2
3𝑛 + 1 𝑖𝑓 𝑛 ≡ 1 𝑚𝑜𝑑2
という操作を繰り返すと、有限回で1に到達する
であろうという予想である。
1→4→2→1→4→2→1
このようなものがサイクルである。
Collatz予想の変形
Collatz予想の変形として次を考えると、
𝑛
𝑖𝑓 𝑛 ≡ 0 𝑚𝑜𝑑2
𝑝
𝑓 𝑛 =
𝑞𝑛 + 𝑟 𝑖𝑓 𝑛 ≡ 1 𝑚𝑜𝑑2
有限回である数でサイクルに到達する、あるいは
発散するであろうという予想である。
本実験ではCollatz予想の類似を調べるため
p=2,r=1を固定する。qを円周率πと自然対数
の底eに変えて、精度桁を10桁の近似値とする。
フローチャート
Yes
数決定
1判定
No
qn+1をする
No
偶数判定
Yes
n/2をする
No
サイクル
判定
Yes
終了
実験結果
πn+1の切り上げ
πn+1の四捨五入
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
1
2
1
2
2
3
1
3
1
1
2
1
2
2
2
1
2
10 2
3
2
4
3
2
1
2
3
4
10 2 2
2
3
2
2
1
2
2
2
20 2
5
3
3
2
2
4
2
3
3
20 2 3
1
2
2
2
3
4
2
2
30 2
4
1
6
2
4
3
7
4
7
30 2 2
4
4
2
2
2
2
2
5
40 2
8
3
2
3
3
3
9
2
7
40 2 2
4
4
2
2
2
2
2
2
1.最終的に1になる
2.17を含むサイクルになる
3.23を含むサイクルになる
4.61を含むサイクルになる
5.67を含むサイクルになる
6.86を含むサイクルになる
7.35274509370を含むサイクルになる
8.645を含むサイクルになる
9.47を含むサイクルになる
1.最終的に1になる
2.19→61→193→608→304→152→76
→38→19のサイクルになる
3.42を含むサイクルになる
4.43を含むサイクルになる
5.35274509370を含むサイクルになる
実験結果2
πn+1の切り下げ
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
1
1
1
1
1
2
1
2
10
1
2
1
3
2
1
1
4
2
1
20
1
3
2
1
1
1
3
4
2
2
30
1
3
1
2
4
2
2
1
2
2
40
1
3
3
2
2
2
2
1
1
2
1. 最終的に1になる
2.11を含むサイクルになる
3.42を含むサイクルになる
4.17を含むサイクルになる
実験結果3
en+1の四捨五入
0
en+1の切り下げ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
1
2
1
2
2
2
1
2
1
1
1
1
2
1
2
1
1
10 2
2
2
2
2
2
1
2
2
2
10 2 2
1
1
2
2
1
1
1
1
20 2
2
2
1
2
2
2
2
2
2
20 2 3
2
3
1
1
1
3
2
3
30 2
2
1
2
2
2
2
2
2
2
30 2 3
1
3
1
1
1
3
1
3
40 2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
40 2 1
3
3
2
3
3
1
1
1
1.最終的に1になる
2.58→29→80→40→20→10→5→15
→42→21→58のサイクルになる
1.最終的に1になる
2.5を含むサイクルになる
3.23を含むサイクルになる
考察
• 本実験では一つあたりの計算時間をかなり要し
たためあまり多くの結果を得ることができなかっ
た。
• πでは四捨五入と切り上げにおいて同じ
35274509370を含むサイクルを見つけることがで
きた。これにより、この数が数学的な意味合いを
持つと推測される。
• また、本実験では発散するものが出なかったが、
他の論文などから3から遠ざかるほど発散する
ものが多くなると推測される。
まとめと今後の課題
• 今後の課題としてはqの種類を増やしたり、n
の範囲をもっと大きなものにすることで新たな
サイクルの発見をする。
• また、一つしかサイクルのなかった四捨五入e
について、更に実験を繰り返して他のサイク
ルがあるか、または、同サイクルしか存在し
ないかを探る。
• また、本実験をする際に、パソコンを並列処
理させて時間を短縮させる必要がある。