効果的な話し合い活動を設定するためのガイドライン 4 何について(話し合いの課題) 話し合い活動で最も重要となるのが課題である。本時の目標に迫れるよう十分に検討して設定したい。 翁頭地区三校では,基礎・基本の確実な習得や,思考力・判断力・表現力の向上を図るためのひとつの 方法として,授業の中に話し合い活動を設定するようにしている。効果的な話し合い活動とは,本時の目 標に迫る話し合い活動であると定義し,話し合い活動の充実に向けて,課題や発問の工夫,目的に応じた 学習形態の工夫,評価意識を高める工夫等を行ってきた。本ガイドラインは,これまでの実践を踏まえ, より効果的な話し合い活動を設定することができるように,その手順や留意点をまとめたものである。 う 必 然 性 が あ る か 学 習 過 程 で 話 し 。 合 YES 課 題 の 設 定 あ っ て い る か 。 話 し 合 い の 目 的 に 考 え よ う と す る か 。 YES NO 再 検 討 児 童 生 徒 は 主 体 的 に YES NO 再 検 討 目 標 に 迫 れ る か 。 課 題 解 決 で 本 時 の YES NO 再 検 討 授 業 の 実 施 平成26年8月 翁頭地区三校合同部会 授業研究部 1 何のために Ⅰ 既習事項を基に予想・ Ⅱ 意見を集約したり,明 Ⅲ 多様な意見に触れ,考えを Ⅳ 表現の仕方を互い 見通しを立てる課題 確にしたりする課題 広げたり深めたりする課題 に磨き合える課題 話し合い活動は,あくまでも,本時の目標を達成するための手段である。 「話し合いをさせるための話 し合い」とならないように,目的を明確にしておくことが大切である。 5 ①本時の目標は何か。児童・生徒に身に付けさせたい力を明確にする。 話し合いを活性化するために 効果的な話し合い活動を行うには,話し合う課題(内容)とともに,話し合いの方法も重要である。話 ②話し合いの目的は何か。次の4つの目的が考えられる。 し合い活動を活性化し,学習効果を高めるには,さまざまな工夫が考えられる。 Ⅰ 課題解決へ向け,予 Ⅱ 考えをまとめる, 想・見通しをもつ。 明確にする。 Ⅲ 考えを広げる,深 める。 Ⅳ 相手や目的に応じ, 適切に表現する。 書く活動の設定 意見の可視化(シンキングツールの活用) ○ノートやワークシートに自分の考 ○発表ボード(ホワイトボード,小 えを書かせ,話し合い活動に主体 2 どの場面に 的に参加できるようにする。 の授業において,児童・生徒が最も思考・判断を要する学習場面に設定するとよい。話し合いが必要な場 面はどこか,効果的な設定場面を考えるようにする。 見通しを立てる場面 調べたこと、体験したことを 比較・分析・整理する場面 体験等を通して 理解したこと、考えたことを まとめ、表現する場面 ○ロールプレイ(役割演技)しながら。 ○話型表,進行表を活用する。 ○実物を触ったり,演奏したりしながら。 ○ガイド表を活用する。(複式) 所 短 所 グループ を高める必要がある。また,話し合いスキルとともに,お互いの意見を認め合い,高め合う言葉や態度を 身に付けさせ,誰もが発言しやすい雰囲気を作ることも大切である。 を踏まえた上で,話し合いの目的に応じた形態を選択するようにする。 長 必要な話し合いスキルは お互いの考えを交流させながら,話し合いの目的を達成させるためには,児童・生徒の話し合いスキル 話し合いの学習形態は,ペア,少人数グループ,学級全体が考えられる。それぞれの形態の長所,短所 ア ○役割分担をする。 (司会,記録など) えるなど,操作をしながら。 どんな学習形態で ペ 話し合いスキルの向上 ○写真,挿絵,文カード等を並べ替 6 3 ○付箋と模造紙等を使用する。 ○ウェビングをしながら話し合う。 話し合うことによって,児童・生徒の考えが明確になったり,深まりや広がりを見せたりする。1時間 既習事項を生かして、学習の 黒板等)を使用する。 全 話 体 す 聞 く ・発言の機会が多い。 ・発言の機会が比較的多い。 ・多くの意見が聞ける。 ○聞く人の方を向いて話す。 ・気軽に話しやすい。 ・気軽に話しやすい。 ・話し合いに教師が入りやすく, ○適切な声の大きさ,速さで話す。 ○うなずいたり,反応したりする。 ○役割分担や時間を考えて,計 ・短時間で話し合える。 ・意見の集約がしやすい。 ・自分の考えに自信が持てるため ・司会や記録の役割を分担し, その後の学習が活性化する。 経験を積むことができる。 ・教師による評価がしやすい。 ・リーダーの有無により,話し合い ・緊張感があり発言しにくい。 ・意見が深まりにくい。 ・教師による評価がしにくい。 の内容や結果に差が生じる。 ・話し合いスキルを高める必要がある。 進行がスムーズになる。 ・結論がまとめやすい。 ・発言が一部の子に限られる 可能性がある。 ○理由や事例を挙げながら話す。 ○話す人の方を向いて聞く。 話し合う ○共通点や相違点を考えながら聞く。 ○相手や場に応じた言葉遣いをする。 ○話し手の意図をとらえながら聞く。 7 ○話題に沿って話し合う。 画的に話し合う。 ○お互いの考えを生かし合う。 評価意識を高めて 効果的な話し合い活動を行うためには,児童・生徒の評価意識を高めることも有効である。授業の終末 において,挙手やワークシートへの記入によって話し合い活動を振り返ったり,予め評価基準(ルーブリ ック)を示した上で話し合いに臨ませ,話し合い後に自己評価を行ったりすることが考えられる。
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